親父のコートを着て

　４３歳にして改めて学生になる。岩手県立大学大学院総合政策研究科の入学式。
　母に送られ、親父の形見のコートを着て盛岡へ。

　未だ博士号を持たない「旅の坊主」。つまりは、大学教員市場ではモノの数に
入っていないということ。「だから何だ！」と開き直ってもよいのだろうが、そこは……。

　ありがたいことに岩手県大のＵ先生がチャンスを下さった。Ｕ先生は地域防災の、
また災害情報論の専門家として、知る人ぞ知る存在である。これから３年で学術
論文が何本書けるかの世界に、改めて飛び込むことになる。

　「旅の坊主」として、「地侍」と飲みかつ語ることを楽しみとする生活を変えることは
出来ないだろう。ただ、学問というか体系というか、今までの来し方行く末を形に
することが、自分のためのみならず、世のためにも必要なのだろうな、とは思って
いる。「自意識過剰！」と言われれば、「その通りです」と言うしかないだろうが……。

　入学式前から破門されそうな「旅の坊主」であるが、Ｕ先生、これからしばらくの間、
よろしくお願いします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（４月１６日アップ）