「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

ポストクルソ(事後研修)に思う

2010-12-13 23:05:55 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
8時半に宿泊先のホテルを出て、
すぐ近くだが別のホテルの会議場へ。
1ヶ月半近くの日本研修を終えて返ってきた研修生による、
帰国報告会代わりの行動計画発表会。

域内6ヶ国+中米防災機構の合計7つ、
全部で13人の報告を聞く。

開発援助の現場にいる分、辛めの点数をつけてはいけない。
そのことは日々自分に言い聞かせているつもりでも、
それでも、これが1ヶ月半の研修の成果か?と
思わずにはいられないものもあった。

某氏の場合。
行動計画、つまりは未来に向けての発表であるはずなのに、
述べられたものは、すべて過去に先人が努力して成果も出したものばかり。
それをこれからの自分の計画であるとして発表したのだから、
おいおい、である。

また別の某氏の場合。
お国事情の紹介とBOSAIのポイントを述べた後に、
一言だけ、「○○をやりたい」と言って終わり。
やりたいことを具体的に語って、はじめて計画でしょ?
そういうものもあった。

大学1年生向けの教養ゼミでの発表でもあるまいし、と、
言いたいところではあったのだが、それを呑み込むのが現場、か……。

日本での研修の最後にも、行動計画の発表の時間はあったはず。
一度は「実戦」を経たものゆえ、それを踏まえて手直しすれば、
ぐっと良くなるのに、と思うのだが、
故国へとの思いのせいか、修正した者はいなかった模様。
確かに発表時間は10分と短いが、それにしてもなぁ……、であった。

前年度以前の研修員との連携、経験の共有などを
こちらとしてやれることはまだまだある。
すくなくとも、研修員同窓会の活性化は、プロジェクトの大切な仕事。
人のふりみて我がふりなおせ、ではないが、
やるべきことはまだまだあるなぁ、との思いは否めず。

少なくとも、このプロジェクトがそれぞれの国で何をやってきたのか、
その活動イメージについては、徹底的に伝えてから日本に送り出す、
そのことをしなくてはと、改めて思う。

今年の担当者の大変な努力が伝わってくるだけに、
送り出す前にはほとんど何もしなかった自分を思い出し、
申し訳ない感、これあり、であった。

夜、ささやかなれど、ポストクルソの、
そしてプレクルソに始まる一連研修の終了記念パーティー。
いつものことながら、予算で出せない分の酒代は専門家のポケットマネー。

スペイン語が出来ない中で参加するパーティーはなかなか楽しめないが、
それはそれとして、その場にいて、
ホスト側の一人かつ「専門家」として、ふるまうことも求められる。
スペイン語には「同じ釜の飯を食った仲間」というような表現はないそうだが、
一緒に飲み食いした回数が、お互いの距離を縮めることは間違いない。

そんなことは思いつつも、一次会にて失礼して部屋に戻り、
メールやら原稿書きやら。

                           (12月18日アップ)