「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

オコティージョ村にて思う

2010-12-02 23:42:39 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
7時半にホテルを出発。
チョルテカ市の中心部から北へ30km弱。

車で未舗装路を1時間半ほどかけて、オコティージョ村へ。
村の集会場となっている学校は、車で入れる限界から、
さらに20分ほど歩いたところにあった。

約2年前から、プロジェクト関係者が村を巡回するようになる。
その過程を、一つ一つ説明してもらう。

電気のない村。
集会場や避難所を兼ねた学校も、
屋根が落ちるかもしれない、という状態。
ただ、この5月からは雨量計が持ち込まれ
(といっても計量カップとノートだが)、
もっとも基本的な形での雨量観測は始まっている。

9月には大雨が続き、
隣村につながる道の上部でがけが崩れた。
なるほど、こりゃぁ、どこかが崩れて当然だ、という数字が、
ちゃんと残っていた。

しかし、警報を伝えようにも電気はなく、
また、家と家をつなぐのは岩が剥き出しの山道ゆえ、
雨降りには怖くて歩けない、という話。

日本の大学で防災を教えている先生です、と言ったところで、
そんなところで何が出来るというのか……。

いやになるくらい、自分の無力さ、
説得力のない言葉しか出せない我が身の不甲斐なさを思い知らされる。
これから先、任期明けまで、片手程度は通うことになろうが、
何を語りかければよいのだろう……。

雨漏りするような学校に、
1年から6年まで、子供たちが45人。先生は一人。
子供が病気になると、山道を3km歩いて、
看護師の来る保健センターへ行くとのこと。

何をすればよいのか、本当に考えさせられる。
答えはまだない。

2時間近くかけてチョルテカの市街地へ。
JICAの算数教育のプロジェクトの関係者が集まっていて、
ホンジュラス事務所のKさんとはそこでお別れ。
それにしても、市内では普通の学校なのだろうが、
妙にきれいで、妙に充実している、そんなことが妙に気になってしまった。

ホテルに戻り、盟友Gさんとはしばしの別れとなる。
偶然にも、兄弟格のTAISHINプロジェクトのお二人も戻ってきていて、
では、つるんで、サンサルバドルまで戻りますか、という話となる。

昼食の時間は大幅に過ぎたものの、
往路同様サンロレンソのシーフードレストランでスープを楽しみ、
スタンプ一つ押さない国境を越え、
国境を越えてすぐの場所にあるガソリンスタンドで一息つき、
そんなこんなをしつつ、サンサルバドルの我が家へと戻る。

                          (12月7日アップ)