<白山比神社 しらやまひめじんじゃ>
白山比神社の本殿を参拝したあとは、
表参道の石段を下りて下界に戻ります。
参道の途中、椿の花と南天の実が、
蘇りの道に彩りを添えていました。
日本神話の黄泉比良坂(よもつひらさか)の場面で、
ククリヒメがイザナギにささやいた言葉が、
どんな内容だったかはわかりませんが、
それはきっと、過去や死に関するものではなく、
未来や再生につながる言葉だったのでしょう。
この場を行き交う参拝者はみな、
自分の心と静かに向き合いながら石段を登り、
そして晴々とした表情で坂を下っていきます。
イザナギも蘇りの道を往復しながら、
死と再生の疑似体験をし、
貴い神々を生みだす力を得たのかもしれません。