<中山神社 なかやまじんじゃ>
昨日、桓武天皇が「牛殺祭祀」を禁じた理由について、
「疫病の蔓延を防ぐため」と考察しました。
ただし、他にもいくつかの理由が取り沙汰されており、
その中のひとつが、「国家祭祀」に関わるものです。
何でも、桓武天皇は牛殺祭祀という祭りを
「天皇の特権」とするために、地域の権力者や
民間人がこれらの行為を行うことを禁じたのだとか……。
当時、天皇の監視下にあった畿内一帯に留まらず、
伊勢・尾張・近江・紀伊、若狭・越前などに関しても、
自らの手で祭祀を取り行うべく(自分の支配下に置くべく)、
これらの地域に「殺牛・漢神禁止令」を出したのだそうです。
その事実を示すかのように、当時の書物には、
「殺牛儀礼は天皇のみが行える儀式である」、
あるいは「民間人の祭祀では効果が出ないときも、
天皇が神事を行えばすぐに雨が降る」……など、
「天皇」がいかに優れた呪力を要していたかを
物語る文章が残されていました。
果たして、桓武天皇が「殺牛」を禁じた真の目的とは、
自らの祭祀権を守るためのものだったのでしょうか……。