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たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

生贄の習俗

2019-08-03 09:33:15 | 鉄の神々2

<出石神社 いずしじんじゃ>

 

以前のブログの中で、アメノヒボコと

伊和大神との国占めについて記事にした際、

「生贄を持ち込んだ部族(アメノヒボコ)と、

生贄を嫌う部族(伊和大神)との争いだった

のではないか?」という仮説を立てました。

一方で、いくつかの伝承を踏まえますと、

どうもアメノヒボコという人物(神)は、

「生贄という習俗を嫌っていた」

という可能性も捨て切れないのですね。

 

もし仮に、アメノヒボコが「牛殺祭祀」

に否定的な立場を取っていたとするなら、

恐らく、日本に渡来した理由の中には、

これらの生贄風習から逃れる、

あるいはこれらの風習を日本から

淘汰する狙いがあったはずです。

 

アメノヒボコが来日した際、

「天皇への謁見」を申し出たときの態度も、

アメノヒボコが単に自らの都合ではなく、

「天皇側からのコンタクト」があった上で、

日本を訪れたことを匂わせますし、

生贄の習俗を持つといわれる金屋子神の一派が、

播磨国から出雲国へと移り住んだ背景が、

どことなくアメノヒボコらの来訪と

連動するようにも感じられます。

 

もしかすると、アメノヒボコという存在は、

日本の各地に蔓延し始めた「生贄祭祀」を阻止すべく、

日本側から招かれた人物だったのでしょうか……。

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