たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

牛を屠る祭祀

2019-07-30 09:20:29 | 鉄の神々2

<石上神宮 いそのかみじんぐう>

 

アメノヒボコに関わる伝説の構図は、

俗に「日光感精神話」と呼ばれており、

「太陽の光により処女懐妊する」

という筋書きが特徴とされます。

さらに、「赤い玉(白い石)から人間が産まれた」

という内容の「卵生神話」も加わることから、

一般的には「日光感精型+卵生型」の神話などと分類され、

これらと似たような伝説は、

世界各地で伝えられているのだとか……。

 

ちなみに、「日光感精神話」は、

エジプトのあたりから伝播したという説があり、

もしこれが事実ならアメノヒボコの来日譚は、

古代イスラエルの人々によって

もたらされた可能性も出てくるのでしょう。

 

そんなアメノヒボコ伝承の中で、

個人的に気になったのは、

物語の途中で「牛」という動物が唐突に登場し、

牛を殺した(殺そうとしていると思い込んだ)相手を、

アメノヒボコが厳しく咎めているという部分でした。

その所業はあたかも、アメノヒボコ自身が、

何らかの形で「牛」を屠る祭祀に関わっていたという事実を、

それとなく暗示しているような気がしてならないのです。

この記事についてブログを書く
« 麻と銅鐸 | トップ | 牛殺祭祀 »