夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

春帰  杜甫

2007年01月03日 19時30分25秒 |  漢詩を長崎弁で
頂いた沈約の初春に長崎弁訳をつけたことを書きましたが、
その方に 杜甫の春帰をお返ししました。
もちろんそれには普通の訳をつけただけで、方言訳はつけておりませんでしたが、やっぱりこれにも追加しよう。しょうがない人ね貴方は!ってお叱りめさるな。お願い。

>>
どうせ春とお酒を詠うのであればこれはいかがでしょうか。
お返しいたします。

春帰  (杜甫)

苔径臨江竹  
茅簷覆地花  
別来頻甲子  
帰到忽春華  
倚杖看孤石   
傾壷就浅沙  
遠鴎浮水静  
軽燕受風斜  
世路雖多梗  
吾生亦有涯  
此身醒復酔  
乗興即為家  



苔径 江に臨む竹
茅簷 地を覆う花
別れし来り頻りに甲子
帰り到れば忽ち春華
杖に倚って孤石を看 
壷を傾けて浅沙に就く
遠鴎 水に浮んで静かに
軽燕 風を受けて斜めなり
世路 梗ぐこと多しと雖も
吾が生 亦た涯り有り
此の身 醒め復た酔う
興に乗じて即ち家と為さん


苔の生えた道の向こうには川と竹が見えている
草の庵の前は花が地面を覆っている
ずいぶんと長い間留守にしていた庵
帰ってみれば、春の花の真っ只中
杖を突いて庭の石を見ながら
川のほとりの砂に腰をおろし酒瓶を傾ける
遠くの鴎は水の上にゆったりと漂い
燕は身軽に風を斜めに切って飛ぶ
この世にはいろいろ問題はあるけど
人の一生だってそんなに長いもんじゃない
酔いから覚めて、また酔う。
気に入ったらそこをねぐらにすればいい。

>>



苔ん生えた道の先に川があって、竹が生えとる
小さか家の前は花が地面を覆い尽くしとる
ほんとに長か間 留守しとったとばいね~
帰ってみたら、春の花が一面に咲いちょるばい
杖を突いて、庭の石ばぼんやりと眺め
川のそばの砂に腰ば下ろして、酒瓶を傾ける
遠くの鴎は水面をゆったりと漂よっちょる
燕は風を斜めに切ってびゅ~~~って飛んでいった
世の中んにはいろんな苦しかことがあるとよ
ばってん、人の人生っちゃ、どうせあっという間に終わるんじゃけん
酔いが醒めれば、また酒ば飲んで酔いつぶれればよか
そして満足したらそこで寝てしまえばよかじゃろが



あ~~ぁ、私の生活そのもの。
どうみても落ちこぼれ確定組み。
負け組みの遠吠えっていわれてもしょうがなかたいね~~

写真を加えましたのでタイムスタンプを1月1日より今日へ変更しました。




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4 コメント

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Unknown ()
2007-01-01 15:20:51
負け犬の遠吠え……(-_-;)そう言う詩を、春先から貰った立場わ?
なんて……
いえいえ
新しい年に相応しい、悦ばしい詩を有り難うございます。負けようが、勝とうが、人生は慶びに満ちていれば善いのですから。
酒中に全徳ありですわ!
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元旦からもう怒られた (赤い風車)
2007-01-01 15:59:33
あ~~ぁ。元旦だというのに、もう怒られちゃった。
でもさすがにウワバミの姐さま。
お酒の中に全てを見いだされましたか。

私はまだそこまでいけません。
せいぜい;

物の道理なんちゃ判らんちゃ
天命なんぞはもっと判らん
じゃけん、頭ば上げて、神様に聞いてみる
でも、そこには青空が広がっているだけっちゃ
しょうがなか、酒でも造って
酔っ払うしかなかとね~
      白楽天
      效陶潜體詩十六首の最後のやつ
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Unknown ()
2007-01-01 16:25:50
酒と薔薇の日々ですもの
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最後の50セント (赤い風車)
2007-01-01 16:31:55
ポケットに残った最後の50セントで、パンではなく、バラを買う。粋でござんすね~

私がそれをやったら最期の50セントになりますがな。
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