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夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

その匂ひ桃より白し水仙花   芭蕉

2016年01月19日 10時00分08秒 |  気になる詩、言葉


確か少し前にも書いておりましたけど、水仙が日本に入ってきたのは室町時代なのだそうで、万葉や古今、新古今などといった古代の勅撰集には全く入っておりませんですね。
現在では身近に普通にみられる花なので、なんとなく在来種かと思ってしまいますけど。

トップの水仙、散歩道の空き地に群生しているんですけど、姿も花も小ぶりで、副花冠(花の中央の筒状の部分)も白。私好みで、欲しくって仕方ないんですけど、オーナーが分からないとお願いすることもできず、もう15年も指をくわえてみております。



こちらは庭に移しましたけど、家の庭ではなぜか成長が遅く、消えて行ってしまうものも多いのですね、、、



家を出たところに6階くらいの高さの崖があって、その縁に群れて咲いていますが、ちょっと湿りのある夕方とか、風が下から優しく舞い上がってくると、陶然とさせるような匂いに包まれて幸福な感じを与えてくれます。



これも、なぜかこの辺に多い品種。
副花冠の根元だけが黄色になって、副花冠の形も独特ですね。



もう一つなぜかわかりませんが、この辺では、むしろ少ない黄水仙。





心ならでも世をすぐす哉

2016年01月09日 07時51分12秒 |  気になる詩、言葉


このうちにまだすみなれぬ冷え鳥は 
  心ならでも世をすぐす哉
          土御門院御集 




でもまぁ、凍え死にしなくって、飢え死にしなきゃ、どこへ行っても天国ですよ。ねっ。 


 

暁のゆふつけ鳥ぞあはれなる

2015年12月20日 07時32分34秒 |  気になる詩、言葉


暁のゆふつけ鳥ぞあはれなる  
   長きねぶりを思ふまくらに
      新古今集 1810
      式子内親王


、、、歳をとると朝が早くなってね~
一年でも一番長い夜を持て余しております。
一週間に一度でもいいから、ぐっすりと眠りたいものです。
睡眠不足って結構つらいものがありますんでね。

なんて、これが若いころなら自慢話にも聞こえるんでしょうけど、、、

恋ひ恋ひてそなたになびく煙あらば
   いひし契りのはてとながめよ
       新後撰 1113
       詠み人は同じく式子内親王

なんてね。


でも、今や色気は皆無。残ったのは食い気だけの毎日ですからして。「灰になるまで色気」あ~んた、そんなもん公式発表ですよ。


このブログ的には

見しことも見ぬ行く末もかりそめの
   枕に浮ぶまぼろしの中

なんてのが相応しいのでしょうね。






年の暮れというのがだんだん沁みついてきています、、、I wondered lonely as a cloud

2015年12月19日 08時59分11秒 |  気になる詩、言葉


昨日の日記は、「今年も残すとこ2週間を切りましたね」でした。知人のブログにも同じような記事が多数拝見できましたけど、日ごとに年の暮れのあせりを感じるようになりました。
私は、来年の年賀はいたしませんので、賑やか、華やかな雰囲気の中では、ちょっと疎外された、浮いてしまった寂しさを感じております。下の「pensive mood」の中に大きなものを失った寂しさと、秘かな後悔の念を混ぜ合わせたような、、、

ということで、畦に咲いていた水仙さんに来ていただいて、少しの間無聊を慰めるために一緒にいていただきました。

実は、水仙さんを詠んだ大和詩を探してみましたが、実は水仙さんはもともとは外国から来られた方、古い大和詩の時代には日本にはいらっしゃらなかったのですね。ということで、かの国の有名な詩人の、有名な詩から引用させていただきました。


For oft, when on my couch I lie
In vacant or in pensive mood,
They flash upon that inward eye
Which is the bliss of solitude;
And then my heart with pleasure fills,
And dances with the daffodils.

   William Wordsworth
I wondered lonely as a cloud の最後の節
      こちらからいただきました

タイトルのlonelyと、この節のsolitudeの意味の違いなんてのは別にして、、、
ちなみにdaffodilsというのは、ラッパ水仙なんですね。日本の水仙よりももっと華やか。lonelyを言うなら二ホンズイセンの方が、孤独感がますのかな~なんて思いましたが、こちらも一花ならともかく、賑やかに群生してますよね。

身を慎んでいる現状では水仙と踊るなんてのも、控えさせていただきましょう。
けど、my heart with plesure fillsなんてのを秘かに思いたい昨今ではあります。

ねぇ、水仙じゃなくって、可愛いU20ならもっといいのですけど、、、
なんせ、年の暮れ、年賀をしないとは言いながら、掃除や洗濯のリスト、、、 山になっているんですけど。

今年も残すとこ2週間を切りましたね、、、へだてゆく世々のおもかげ

2015年12月18日 11時55分42秒 |  気になる詩、言葉


今年も残すとこ2週間を切りましたね。
おいちゃんは来年のお正月はないんだって何もしておりませんけど、
チビ太は、お正月をお祝いしないのと、来年が来るのは意味が違うって思うのですよね。

少しは掃除をして身の回りをきれいにして、
たばこの煙で汚れまくった、心身も清潔にして、大反省をしておかないと、、、
今年の山場は越せないのじゃないかと、他人事ながら、、チビ太は心配しておりますよ。


へだてゆく世々のおもかげかきくらし
     雪とふりぬる年の暮かな
       新古今集 6-693
       藤原俊成女

今年の思い出は、別に年の暮れまで待たなくっても、おいちゃんの頭には残らない。その名残すらない。
まあ、どうせたいしたことは起こりようもない生活ですからね。
翻って、世の中を見渡しても、おいちゃんの頭では、今年の十大ニュースなんて、数え上げるなんてとてもとても、
認知の悲哀でしょうか、、、、それとも幸せ?

岬には雪は降らないし、まして雪で暗くなるほどの雪が降れば、おいちゃんは、大喜びで駆け回るでしょうし、
まあ、この詩の情景には程遠い環境に、チビ太は生きているのでありますよ。



祝! 在庫一掃済、、、  夕されば人なき床をうち払ひ

2015年12月17日 13時40分20秒 |  気になる詩、言葉


皆様方から呆れられ、うんざりされながらも紅葉のシリーズ、4回でめでたく(?)在庫一掃できました。ほっ。
さて、今日からは何をって思いましたが、チビ散歩だけが私の行動半径。何があるわけじゃなし、、、、
可愛いU20なんて願うべきもなく~
はてさて、、、、
困りましたですね~








って、これだけじゃあまりに芸がなさすぎるってことで、


夕されば人なき床をうち払ひ
    なげかむためとなれるわが身か
          詠み人しらず
          古今集 15-815

あら、でも、これ前に使ってますね、、、

ごめん、こっちのほうが、詩の説明付きでした。

名にし負はば逢坂山のさねかづら

2015年12月07日 21時27分20秒 |  気になる詩、言葉


名にし負はば逢坂山のさねかづら 
   人に知られでくるよしもがな
        藤原定方(三条右大臣)

この前の記事、「昨今の岬はというと、、、」の冒頭で、百人一首の天智天皇の「秋の田のかりほのいほの苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」を載せておりましたけど、こちらも同じ百人一首の句ですよね。

(恋人に)会える坂って名前の付いた山の実葛(さねに小寝、、、寝ようよって言葉をダブらせてるのね)だって、人に知られないように会いに行く術がないのね~~って嘆いているってのが普通の解釈なんですよね。
あの当時も、パパラッチがいて、週刊○○なんてのに写真を売っていたのかななんて、、、
でも、ちょっと心変わりして、別な子はなんて思い始めていて、会いに行かない言い訳の句なんてこと~~ないかな~

うん? 「行くすべ」って、詩では「来るよしもがな」になってるじゃん~~ですか? 
この詩、冒頭に「女につかはしける」とでてるんですよね。彼女に詩を送ったことになってる。だから、彼女の方からみて「くる」 定方からは「行く」になるんですよ。行くよしもがなにすれば面倒はないのに、なぜかってのは、「葛」と「繰る」は縁語だからどうしても「くる」を使いたかったんでしょうね。



それにしても羨まし。
「デートしてあげてもいいわよ」なんて思う人がどこをさがしてもいないおいちゃんとしては、羨ましすぎるじゃない。。。



夜の錦

2015年12月06日 20時17分46秒 |  気になる詩、言葉


見る人もなくて散りぬる奥山の
    もみぢは夜の錦なりけり
       古今集 5-297
       紀貫之


見る人もなく散っていく奥山の紅葉は
錦の着物を夜着ているみたいに甲斐のないものですね~

なんて、貫之さんはおいちゃんのことを言っているのでしょうか????



岬もやっと紅葉を始めましたよ。
でも、鹿(いつものことで、キョンですけど)くらいしか見てない、、、
てか、鹿は何の興味もないでしょうから、見えてもみないか。


おいちゃんの一生は、夜の錦、奥山の紅葉なんですね~
でもでも、こんなのもありますよ。




佐保山のははその紅葉 散りぬべみ
    よるさへ見よと てらす月影
       古今集 5-281
       よみひとしらず

夜だって見てほしいと月が照らしてくれるって、、、
あぁ、おいちゃんだって捨てたもんじゃないですよね~

それでもいまだに実を結んでいないのは、、、
紅葉が悪いわけでも、月が悪いわけでもないはずなのにね~
なんでしょうね~





子等の声拾い集めて鱗雲  グライセン

2015年10月05日 20時16分33秒 |  気になる詩、言葉


子等の声拾い集めて鱗雲  
        グライセン


このブログへ来てコメントをいただいた方のブログを拝見しておりましたら、この句を見つけました。

昔、米寿を迎えるという女性の方が、Gooで写真と俳句をコラボしたページをおつくりになってまして、写真もいろいろと加工されたりしていて、嬉しくなってしまった覚えがあります。
写真と俳句のコラボ、、、その後も流行しているみたいですが、私もやりたいな~と思いながらも、才能のなさに、涙しておりましたのですよ。

知人も彼女の墨絵と、俳人の方の句のコラボで素晴らしい本を出されていて、とても羨ましく思えておりましたのですよ。

たまたま手元に鱗雲の写真があって、(この時期、空を見上げると鱗雲の写真ばかりになりますし) なんか、いい使い方ないかなって思っておりました時にこの句にぶつかり(なんて、作者の方に申し訳ない言い方ですね)、拝借をお願いいたしました。

もっとも、漢詩や、大和詩に写真をつけるのは、しばしばやっておりますのですけどね。でも、これらは作者の方々がみんなあっちの世界へ行かれておられるので、私のつたない写真を相伴させても、怒鳴られることはないですから、安心なんですけど、もっとも、私があっちの世界へ行くのはそんな遠い時期ではありませんので、あっちでいじめにあうかもしれませんですね。
現存の方の作品に附けさせていただくとなると、怖いものがありますね~

グライセンさん、もしお気に召しませんでしたら、即削除いたしますので、その旨お知らせください。

秋の雲って、どこか悲しいものを持っていますよね。
ほんらい、賑やかな子供の声を集めるのが夏の雲ではなくって、秋の雲であるってとこに気をひかれました。
平常の、平穏な文章に隠れている悲しみみたいな、、、、
作者の方が意図されているかどうかわかりませんけど、千代女のトンボ釣りの句のような、、、
でも、私って、千代女の句に相当惹かれているんですかね、、、この句を出すか出さないかは別にして、影響を受けた記事って結構あるんですよ。例えば蜻蛉なんてね。



呉越同舟

2015年10月05日 00時11分06秒 |  気になる詩、言葉


春秋時代って今から2800年も前のことだったんですね。
もっとも、呉越抗争の時代はそれからちょっと後になりますけど。
古いとは分かっていても、時代をきちんと押さえておかないと、恥をかいちゃう、、、なんて、私にとっては、ごく普通のことなんですけどね~