本澤二郎の「日本の風景」(4759)

<軍国主義完全復活へ舵を切った岸田内閣をロシアが徹底的に非難>

 毎度の繰り返しだが、日本の報道機関は完全に狂ってしまっている。昨日になって、ようやくモスクワの様子が目に飛び込んできた。岸田は習近平のモスクワ訪問に併せて、キエフへとまるで泥棒猫のようにして列車で滑り込んだ。露中の間に割って入ってプーチンと習近平をけん制したのだが、岸田ウクライナから帰国すると、不人気の防衛大学校の卒業式で「ウクライナがアジアにも起きる」と日本にも危機到来をあおり、国民を洗脳し宣伝した。

 ワシントンから見ると、バイデンの番犬・岸田を演じている。そうして昨日は、事実上野党不在をよいことに、途方もない超大型の114兆円予算を参院本会議で成立させた。してやったりの安倍後継者の日本に対して、モスクワの怒りは頂点に達していた。

 「日本は再び軍国主義化の道を歩んでいる」とかなりまともな批判を、外交の責任者であるラブロフ外相が、43兆円超軍拡の安保3文書に対して発言した。ことし1月18日のことである。年頭の記者会見だ。

 

 1972年の日中国交正常化前の北京政府の反日報道を連想させるものだ。岸田がウクライナ支援をG7議長国として、ヨーロッパの北体制条約機構(NATO)の先頭に立ってロシア攻撃をしていることに、モスクワももはや「犬の遠吠え」視することが出来なくなったのだ。

 日本国民は気が付くと、日本は核超大国の中国とロシアに対して、宣戦布告直前まで突き進んでいたのである。既に歴史は「核の脅威」に神道・神の国の「神風」が吹かなかったを証明している。

 

<岸田の火遊びにロシアが対日警告と対日警戒=中ロとの激突も浮上>

 日本国民は、神社神道・統一教会の極右・日本会議の尻馬に乗った岸田内閣の憲法違反内閣の用意した紙ボートで航海を始めていることに対して、どう対応すべきなのか、真に重大で深刻な課題と向き合わされている。問題の第一は、カルト教団が米国のトランプ前政権にかしずいたように、いまはバイデンの手駒となっている恥ずべき憲法違反外交を確かに理解しているのかどうか、である。法治国家として許されない恥ずべき超軍拡による既成事実を、自衛隊発足時のように受け入れていいのかどうか。ことと次第では放射能の黒い雨が降る話だが、これに覚悟しているのかどうか。

 安保3文書の閣議決定をよいことに43兆円超軍拡路線を走り出した2023年度予算は、軍事費は26%増、合わせて10兆円を超える。一気に倍増させる予算を自民党と公明党のカルト宗教の支援で強行した罪は、文字通り万死に値する。戦争には必ずカルト宗教が関与する。史実が証明している。

 台湾や朝鮮半島を植民地にして中国などアジア侵略を強行し、遂にはアメリカと激突して死の灰を浴びた戦前を、21世紀の今も、復活した財閥と国家神道の後裔・神社本庁が、アメリカを後ろ盾にして中国・ロシアと対峙する!おぞましすぎる悪魔の戦略が浮上したことに正直、事情を知ればうろたえるばかりだ。

<プーチン氏の最側近「米国が日本に軍国主義を復活」…神風特攻隊引き合いに日米連携批判>

 ロシアのプーチン大統領の最側近、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記は、日米の防衛連携強化に対し、「米国は日本に軍国主義の精神を復活させようとしている」と反発した。露政府紙「ロシア新聞」が27日に公開したインタビューで表明した。旧日本軍の神風特攻隊を引き合いに、日本国民は「他国の利益のためにカミカゼをしたいように見える」と一方的に主張した。

 以上の記事は、昨日のニュース報道から拾ったものである。また昨年の9月、ラブロフは国連総会でも日本をこき下ろす演説をしていた。「日本軍国主義が犯した罪に時効はない。決して忘れてはならない」と。プーチン政権の与党は9月3日を「軍国主義日本に対する勝利と第二次世界大戦の終結の日」とする法案を議会に提出したという。  安倍晋三は台湾有事という幻想をまき散らして北京との対決姿勢を具体化させた。岸田はモスクワとの激突に狂奔している。危ない!くわばらくわばら、である。

2023年3月29日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)