ものつくり落第国<本澤二郎の「日本の風景」(4737)

<すぐに壊れる日本製は以前の中国製のレベルに落下>より、転載させ頂きました。

1979年12月の大平正芳首相の中国訪問以来、軽く100回を記録、一人満足している凡人ジャーナリストは、中国人の日本を高く評価したことの一つが日本のものつくりだった。「これは日本製」が、彼らの合言葉のようだった。特に家電製品のそれは圧倒していた。日本製の便器も人気だった。

 

 元建築技師のチヨウさんは、北京市内の高層ビルで働いたことが自慢の種だった。日本の建設会社が請け負ったもので、今も市内の主要道路の長安街の東地区にそびえ建っている。彼は自宅で、今では超がつく本物の茅台酒を

ご馳走してくれた。生涯の思い出となった。

 中国製はよく壊れ、修理に頭をひねる中国人を見ながら訪中歴を重ねてきた。その中国は飛躍的に経済発展した。原動力が大平訪中時のODA援助だった。「もう必要ない」とブレーキを踏んだのが、清和会・台湾派の小泉純一郎内閣である。彼は国家神道を引きずる神社本庁の意向を受けて、戦争神社

として国際社会で知られる靖国神社参拝を繰り返した。日中関係の逆転は、小泉内閣を経て安倍内閣で完璧に1972年前に戻った。清和会は岸・A級戦犯の意向が反映した自民党極右派閥である。

 清和会路線のもとでの日本経済は衰退し、ものつくり大国は沈没してしまった。そのことを、いま我が家で試練の体験をさせられている。

 

<2年ほど前に購入したナカトミのエンジン耕運機=エンジンかからず>

 反省も謝罪も出来ない東芝の製品の質はよくない。買うのをやめて久しいが、目下のところ、猫の額の広さの家庭菜園のために購入したミニ耕運機のエンジンがかからない。1年に10数回程度しか使用していない、学生なら2年生である。その前には中古の耕運機を中国人が見つけてきたが、これが全く役立たず。仕方なくコメルという店で、ナカトミのエンジン耕運機を購入した。

 日本製の車は、いまも元気なようだが、ガソリン車から電気自動車になるとどうなるのか?耕運機も自動車並みと思って使い始めたのだが、どうもエンジンがかかりにくい。使っていても暴走するので、気楽に転がすことが出来ない。

 今年はやや春めいてきたので始動させようとしたが、一度だけ点火したものの2度とかからない。説明書を初めて取り出した。「オイル不足か」と思ったが、大して使っていないため、それはない。マフラーの汚れは半分程度。プラグを見たが、素人にはよく分からない。

 やむなくナカトミ本社に電話したのだが、同じ点検をもう一度やってほしい、という程度のアドバイス。試したが効果なし。購入したコメルに苦情を言うしかないのか。修理代金が高いだろう。車はこんなことはないのだが。

 

<東電ブレーカー故障=火災炎上寸前にエアコン設置で命拾い>

 君津中央病院に3月3日に付き添いで出かけた。帰りにFAXのインクを購入しようとして、ヤマダ電機を回避してケーズデンキに寄った。ついでに、この1年動かなくなったエアコンが気になって見てしまった。幸い見たくもなかった東芝製品が置いていない。目の前の日立に注目した。店員が今が買い時と宣伝するものだから、夏場で買うよりもいいはずだと一人合点して6畳用を買ってしまったのだが、これが幸運を運んでくれた。

 取り付けるためのケーズデンキの業者が、昨日の3月7日に来て取り付けてくれたが、いざ試運転の場面で動かない。理由は電気が流れていなかった。そんなバカなことがあるだろうか。

 8年前にエアコンを増やしたさい、電源盤を20アンペアから30アンペアに変えた。東電の業者が工事をしてくれた。エアコン用のブレーカーもついており、間違いなく電流が流れているはずだが、工事担当者は「電気が通じていない」と首をひねりながら、ブレーカーを開いて仰天してしまった。

 接続不良が見つかったのだ。「運が悪いと火災が起きて大変なことになるところでした」という腰を抜かすような説明に納得した。

 

<幸運=ケーズデンキ木更津店の向山さんに助けられる!感謝>

 彼は、茂原市から木更津のケーズデンキに通っているという電気修理屋の向山さんといった。突然止まってしまったエアコンを昨年、掃除をした途端、動かなくなった。電流が流れて居なければ、動くわけがない。そうして夏と冬をやり過ごしてきたのだが、それにしても電源盤の接続が外れていたとは?原因は地震のせいか、それともいい加減な手抜きのせいなのか。

 311で東電の関係者はおかしくなっていたのか?はっきりしない。しかし、万一漏電やショートして火事?それが真夜中だと命の危険性も想定された。

 まだ冬場の季節は続いている。わが狭い書斎は本を大量に処分したものの、まだかなりある。その部屋が暖かくなった。一息ついたがそれにしても、電源盤の不良を見つけてくれたケーズデンキの向山さんには感謝感謝である。

 まさに幸運だった。次男も妻も悲劇の運命に敗北したが、夫はまだ健在で、こうして生きている。

 

<日本車はかろうじて合格だが、他に何があるのか?>

 日本を代表する軍需産業の三菱重工は、国産初のジェット旅客機の開発から撤退した。経産省の敗北ともなった。日本の技術は、ものつくりは、もはや過去の話となっている。

 「日本製」は、国際社会では通用しなくなってきている。官僚も政治屋も腐敗の権化である。この10年のアベノミクスの実績は、投資もしないゼロ点だ。そんな安倍政治の回顧録をナベツネ配下の読売が出版し、安倍晋三の嘘をまとめた。これが今の日本の実像なのであろう。

 極右・清和会は岸田という看板を替えてみたが、やってることはアベノミクスの延長である。国民は沈没をじっと見ているだけでいいのか。

2023年3月7日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)