正さん日記

世の中思いにつれて

同床異夢のデモ、世界で多発

2011-10-17 11:10:08 | 世界

 現在、世界中でさまざまな目的によるデモが決行されている。市民のデモにより体制が変わった国は、アフリカの春と言われたチュニジヤ、エジプト、内乱に発展したのがリビアだが、リビアは、欧米の加勢もあって、長期独裁政権を続けてきたカザフィ大佐の政権が潰れる状況だ。

 シリアでも、リビアなどの影響を受けて、大規模デモが続けられているが、ここは、アサド大統領の厳しい弾圧に対し、国際社会からの加勢がままならず、日に日に、デモ隊や市民の犠牲者が増えている。さすがに、アラブ連合からも、アサド大統領へ警告を行ったが、アサド氏は意に返さず、デモに対する攻撃の手を緩めていない。

 

 そうこうしている内に、とうとう、デモがなじまないと思っていたアメリカ・ニューヨークで、大規模デモが勃発、アメリカ全土に影響が広がっている。このデモの表向きの目的は、経済的差別反対のようだ。アピールフレーズは、1%の金持ちが、99%の人の富を独占しているという言葉だ。大統領選挙を来年に控え、オバマ大統領に対する失望感と、保守派の茶会に対し、リベラル派が存在感を示す目的もあると言われている。

 

 ヨーロッパでは、ギリシャのデモから、スペイン、イタリア、ドイツなどへ広がっている。イタリア・ローマでは、一部が暴徒化し、店舗を襲ったり、警察の車両を燃やすまでにエスカレートしている。ヨーロッパのデモは、ギリシャでは、財政緊縮化への抵抗、ドイツでは、ギリシャ救済に対する不満など、複雑だ。

 

 イギリス・ロンドンのデモはまた違う。8月に ロンドン北部のトットナムで、警官が市民を射殺したことに 抗議するデモだ。ここも、一部が暴徒化し、車や建物などが放火されたほか、銀行や商店、自治体 の建物などが襲われた。 このデモも、発端は警察への怒りと思うが、これを理由にして、ここでも、充ち足りない国民の不満が表面化したという見方もある。そうして我が国でも、先日東京で小規模ながらデモが行われた。このデモのターゲットは、増税反対ののろしだ。

 

欧米や我が国のデモは、アフリカのような反体制的なものではない。デモの主体者も組織的なものではないようだ。言わば、世界中が、政治、経済など閉塞感のみなぎる中で、自らが、何かやらなければならないという、焦りにも似た思いから、デモが行われているように考えられる。また、或る国で行われたデモは、フェイスブックツイッターなどのソーシャルネットワークサービスから、時間を置かず次々と各国に広がっていくのも、今までにない変化だ。

 

さて、この世界を巻き込んでいる市民のデモに、最も神経を尖らせているのが、他ならぬ中国ではなかろうか。

 あたかも、中国は中央委員会を開く中で、文化力を高めていくことにするようだ。経済の高度成長が続く中で、さまざまな矛盾を抱える中国は、何としても、デモなどによる反体制的な動きを封じなければならないからだろう。「関連:9月5日

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