正さん日記

世の中思いにつれて

ユーロ圏各国、金融危機の回避に正念場

2011-10-12 05:41:22 | 世界

 ギリシャの財政悪化に端を発した世界的金融危機は、ポルトガル、スペイン、イタリアまで波及しそうな状態だが、その中で遂にフランスとベルギーに拠点を置く金融大手の「デクシア」が事実上、経営破綻した。財政危機に陥ってから欧州の大手金融機関が破綻するのはこれが初めてだ。
 

 デクシアは、デフォルトの危機にあるギリシャ国債を大量に保有していることから、株価が急落するなど経営困難に陥っていた。
 フランスとベルギーの政府は公的支援の要請を受け、9日、デクシアを分割・解体することで合意、デクシアは事実上、破綻が決まった。EU(欧州連合)は、圏内で少なくとも25の銀行が資本の増強を必要としているとみている。
 

 そんな中で、欧州の財政・金融危機の回避に不可欠とされる「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能強化を巡り、ユーロ圏が正念場を迎えている。

強化策の実施には圏内17国全ての承認が必要だが、最後の1国として注目されていたスロバキア議会が11日にこれを否決した。

 否決の理由は、EFSFが当面の支援対象とみているギリシャが、経済規模でスロバキアの3・5倍もあることだ。反対派は「スロバキア国民の給料はユーロ圏で最も少ない。EFSFの融資能力拡充のために、我々は300時間も働く必要がある」と訴えている。

今後、再採決して議決する可能性はあるようだが、横並びを尊重するあまり機動的に動けないユーロ圏の苦悩が深まっている。

 

 EFSFは、ユーロ圏で財政危機に陥った国を緊急支援するための仕組みで、市場で債券を発行して支援資金を調達している。域内各国は経済規模に応じて、その債券への政府保証を分担している。

 EFSFの機能強化策は、融資能力を2500億ユーロから4400億ユーロ(45・3兆円)に拡大するほか、市場から域内各国の国債を買い入れる金融機関に資本注入する――ことを可能にするものだ。狙いは、財政危機のギリシャ国債などを大量保有する欧州金融機関の連鎖破綻を防ぎ、イタリアやスペインへの危機波及を食い止めることにある。

 

 スロバキア議会が、議決すれば、EFSFの基金強化が可能となるが、そんな各国の努力をよそに、ギリシャでは、緊縮政策に対する公務員などの反対デモが激化している。この様相を見て、支援する立場の各国国民は、怒りにも似た感情で、これを見つめているようだ。

 

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