ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城自慢・「常陸秋そば」をご賞味あれ!

2020-11-30 07:59:07 | 日記

茨城県の特産品紹介です。今回は玄そば最高峰の香り、味、品質を誇る「常陸(ひたち)

秋そば」。江戸時代からそばどころとして知られていた茨城県。歴史ある産地ゆえに各地

でさまざまな在来種が作られていましたが、ブランド品種を作ろうと、昭和53年(現)茨

城県農業総合センターが在来品種を使い、選抜育成をスタート。在来種の中で当時最もお

いしいと言われていた、県北で栽培されていた金砂郷(かなさごう)を親として、実の粒

を大きくし、収穫量を増やすとともに、粒形を揃えることで製粉の効率を高めることに成

功したのが「常陸秋そば」です。昭和60年には県の奨励品種になりました。現在でも県内

で栽培されているのはほとんどが「常陸秋そば」です。

 

1.ソバ概要

 (1)そばの収穫量比較:国内で消費されるソバの内、約7割が外国産、残りの約3割が

     国産です。やっぱり国産は貴重なのだと感じますね。国産そばは国内のどこで

     も栽培されていますが、国産3割の中で北海道がその42%でダントツ1位、2位

     は大きく離されて茨城県の7.3% 3位は長野県で6.9%と続きます。

 (2)そばの栄養素:①体を丈夫にする:ソバにはルチンが豊富に含まれており、毛細

     血管を丈夫にし、動脈硬化の予防や血圧を下げる効果がある。また、ポリフェ

     ノールの1種なので、強い抗酸化作用もあります。②疲労を回復する:ソバには、

     タンパク質、ビタミンB1とビタミンB2、がたっぷりと含まれています。タンパ

     ク質は組織の回復や成長を促し、疲労や体力を回復させてくれる物質、ビタミ

     ンB1は、糖分やデンプンなどの糖質をエネルギー変え、体力の向上を図るので

     疲労回復させる。また、脳や神経の機能を維持し、イライラなどの精神安定や

     食欲不振の解消にも効果があります。さらに、ビタミンB2はタンパク質、脂質、

     糖質などの代謝に関する酵素を助けます。栄養素の代謝を助けるので、成長や

     発育を促進し、皮膚や粘膜を保護して健康を促すほか、髪や爪、肌の抵抗力を

     高めてくれます。そばはとても大切な作物なのです。

 (3)落粒発芽:小麦との輪作は不可です。刈り取りで残ったソバの落粒が輪作をして

     いる畑で翌春発芽すると、小麦と一緒に収穫されてしまう。ここで問題になる

     のがそばアレルギーだ。小麦にちょっとでもソバが混入すると激烈な症状のア

     レルギー反応を示す人がいる。だから一粒たりとも混入は許されないというの

     が、最近の食品安全上の至上命題になっている。のどかにみえる里の秋だが、

     土の下ではさまざまな戦いが繰り広げられているのです。

 (4)他家受粉:そばの花(実はガク片)は2種類存在します。長柱花と短柱花の2種

     類です。長柱花とはめしべが長くおしべが短い。逆に短柱花とはめしべが短く

     おしべが長い花をいいます。長柱花と短柱花の比率はおよそ半々です。よって、

     そば畑一面に広がるそばの花の半分は長柱花、残り半分は短柱花ということで

     す。通常の作物が1種で受粉を行って結実するのに対し、そばはこの2種を昆

     虫などによって受粉させる、「適法受粉」という方法でなければ結実できない

     仕組みになっています。そばのような他家受粉作物は、その花粉の運搬を虫や

     風に頼ることになりますので、気候などによってその受粉率が大きく左右され

     ます。さらに、結実するための受粉の組み合わせが限られるため、そばの受粉

     率は2割以下とかなり悪いです。開花時に訪れる虫が少ない場合は、受粉しない、

     いわゆる「無駄花」が多くなり、収穫量に大きく影響します。蝶や虫が集まる

     環境が大切なのです。ですから、そばは台風や大雨の影響を受けやすく,計算

     どおりにいかない作物といえます。

 

2.常陸秋そばとは!

  (1)そば作りに適した風土と環境が生まれ故郷

     生まれ故郷の常陸太田市赤土町は地名通り赤い土壌で,山あいの傾斜地にそば

     畑が広がっています。山間部で昼夜の気温差の大きい,霧の立ち込める地形が

     味のよいそばを育てるのです。過去にタバコがこの地域の特産品であったこと

     も大きな土台になっています。タバコや大豆を同じ畑で連作すると連作障害が

     生じます。タバコの後作にそばを作ることでこの障害を取り除き,タバコの残

     肥をよく吸収します。このように何年も何十年も繰り返し行われてきたことが,

     そばに力強い畑となっています。

  (2)「自分たちが作るそばが日本一」という誇り

     そば職人やそば通から圧倒的な支持を得る「常陸秋そば」。実が大きく、粒ぞ

     ろいが良く、黒褐色の見た目にも大変美しいそばで、口に含んだときの甘味と、

     鼻腔に広がる芳醇な香りが特徴です。この優れた品種特性を維持するため、他

     の品種が混ざらないよう種子を厳しく管理するとともに、県内では他の品種を

     栽培しないようにしています。常陸秋そばは北海道のキタワセなどとは、まっ

     たく違う風味なのです。特に、口の中に強く残る香りは、好き嫌いはあるかも

     しれないが実に特徴的です。

  (3)里山に伝承されるご馳走「つけけんちんそば」

     県北地域に伝わるそばは、もともと冬場に食べる主食でした。そばといっても

     ザルに盛った、あるいは出汁にいれたような食べ方ではありません。「つけけ

     んちん」と呼ばれ、具沢山の汁に太目のそばをつけて食べるものです。秋の農

     産物、ネギ、大根、ごぼう、こんにゃく、ニンジン、シメジ、芋がらなどが使

     われます。野菜類を油と味噌で炒め、かつおと昆布の出汁で煮て、醤油とみり

     んで味付けをします。歯ごたえよく、香りよく、そしておなかの底からからだ

     全体が温まります。体に優しく、とってもおいしい里山のご馳走は、今でも茨

     城県北地域の郷土料理として、みんなの生活の中に息づいています。

 

常陸秋そばは当然ザルそばでも美味しいですよ。必ず、皆さんにご満足していただけるは

ずです。

 

古くから日本で親しまれてきたソバ。年越しソバや引っ越しソバ、わんこソバなど色々な食

べ方で楽しまれている馴染み深い食材です。ふだん何気なく食べているソバも、その植物の

成り方や草姿、どんな効果や効能があるかなど知ると、一味違った楽しみ方ができそうです

ね。一見のどかにみえる里の秋、広い面積で耕される、お米、そば、長ネギ、そして落花生

など、地表に見える収穫物は華やかですが、目に見えない土の下ではさまざまな戦いが繰り

広げられているのです。でも耕すのを止めたら、広い面積の畑の跡地には太陽光パネルが敷

き詰められることになるでしょうね。そしてどこも似たような田園風景になっていくのでし

ょう。

 

参照:「一面真っ白なソバ畑の中に、一輪の真っ赤なバレーシューズ」 2020年10月19日

 

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