ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

七色の虹と白い虹

2013-12-21 17:36:27 | 日記

七色の虹

これも虹かな(?)


娘:今日、学校で白い虹っていうのがあると聞いたけど、本当なの?

父:「虹」というと紫から赤までの七色をした半円の輪を思い浮かべるけど、自然界には

    色のつかない虹もあるんだよ。

    「白虹」と呼ばれて、尾瀬などの高山湿原で見られるね。

娘:どうして虹は空だけに現れるの?

父:虹が見えるのは、人が太陽に背を向けたとき、その人の正面のほうに雨などの水滴

   が空に浮遊していることが条件だよ。太陽光には様々な色が混ざり合っているの

   に、通常それが白く見えるのは光の三原則。

   ほら、全部の光が重なると白くなるって学んだよね。ところが、太陽の光が水滴に

   あたると、構成しているいろいろな色の光が屈折率に応じて分散するのさ。

   それで虹が見えるわけだ。

娘:わかった。水滴がプリズムの役割を果たして光を分散させるのね。

父:そうだ。白虹が見える条件も、自分と太陽と水滴の位置関係でいえば、七色の虹と

   同じだよ。七色の虹ではなく、白い虹が見えるのは、その虹をつくりだす水滴が

   太陽の光を七色の光に分散させないためなんだ。

娘:どうして分散されないの?

父:虹をつくり出す水滴が、七色の虹ができるときよりも小さくて、光の波長とほぼ同じ

   である場合、光はその水滴に対して分散することなく、そのままの白い光で通り抜

   けて散乱するんだ。ちなみに光をつくり出す可視光線の波長は、もっとも短い紫が

   380ナノメートルから450ナノメートル。もっとも長い赤が620ナノメートルから

   750ナノメートルだから、この大きさの水滴だと通り過ぎてしまうんだね。ちなみに、

   ナノメートルとは10億分の1メートルのことだよ。

娘:ナノメートルなんて初耳だけど、具体的にはどんな時に白い虹は出やすいの?

父:七色の虹が見えるときの雨粒よりも、もっと小さい水滴が集まると霧になるよね。

   つまり、水滴の小さい霧のときに、この白虹が出やすくなるわけだ。

娘:今、思いついたんだけど、白い虹と白い雲は関係あるの?

父:雲が白く見えるのも同じ原理だよ。これらの散乱現象は、ドイツの物理学者グスタフ・

   ミー(1869-1957)が研究したことから「ミー散乱」と言われているんだ。

   氷の結晶または水滴の大きさが、可視光線の波長と同程度だと、可視光全体が等

   しく散乱されることによって白く見えるんだ。

   だから、雲は霧の塊と考えれば理解できるかな。

娘:どうして虹はいつも大きな橋のような半円を描いているの?

父:虹は太陽のまわりに丸く作られているんだ。私たちが見ることのできる虹は円の半

   分だね。それは、虹が朝や夕方近くにできるからなのさ。朝は太陽が出て、夕方

   は太陽が沈んでいくので太陽光が斜めに射すから、僕たちの目には太陽の光が半

   分しかとどいていないんだ。虹は太陽が出ている方向の反対側に見ることができ

   ると言ったね。実は、虹は円になっていて、輪になっているんだけど地面がじゃ

   まをしているんだ。すなわち、虹が半分しか見えないのは地平線があるからなん

   だよ。

娘:だから虹はかならず半円でしか見られないのね。

父:いやいや、そうじゃないね。発生条件の難しさからなかなかお目にかかれないけど、

   珍しい虹として上空に円形の虹が見られることがあるよ。だから必ず半円とは限

   らないんだ。ブロッケン現象といって山の頂上などで見られる虹も丸い虹だね。

娘:丸い虹もあるんだ。もっと珍しい形の虹もあるのかな?

父:あるんだよ。1番目は「2重になっている虹」だ。主虹となる虹にもう一つの虹である副

   虹がかかるという一度で二度美味しい虹がある。水滴の中で2回も屈折しているん

   だ。副虹は色が薄く全体的に暗めで、主虹と色の順序が逆になっているよ。

   二番目に「赤虹」といって、地球にかかる大気の層が、青い光をシャットアウトした

   ときに現れる赤い虹だ。主に夕暮れに見られるんだ。

   三番目に「幻日」と言って、ダイヤモンドダストに太陽光が反射してできる虹がある。

   主に寒い土地のよく晴れた日に見られるね。

   四番目に「環水平アーク」と言って、雲が高度約6000mに位置し、太陽の傾きが

   58度から68度くらいの時に発生する炎のような虹がある。

   五番目は「月虹」だ。月の光で生まれる幻想的な虹で、理想的な発生条件は、暴風

   雨が過ぎたあと、満月で雲に遮られていない時にみられるそうだ。

   最後は「過剰虹」だ。1つの虹なのに、七色プラスもう一度七色というように虹の繰り

   返しができていることがあるんだ。

娘:随分いろいろな形の虹があるのね。知らなかったわ。

父:いずれにしても、虹に出会うとなぜか幸せな気分になるよね。これからもよく観察して

   ごらん。

娘:は~い。
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