居間から見えるフェンスはキジバトたちのデートの場所として評判がいいのです。そして、
庭の紅葉の古木に巣作りをして、ヒナたちが巣立っていったこともあります。今日もフェ
ンスを見るとつがいと思われる二羽のキジバトが寄り添って話をしていました。
雄鳩:今年はがっかりだよ。人間たちは自分たちの年中行事の大切さを忘れているのかな。
雌鳩:何の話なの?人間たちの年中行事なんて、私たちには関係ないでしょ。
雄鳩:関係があるのさ。先日の「節分の日」のことだよ。あの日は一年に一回「鬼は外、
福は内」と言いながら、お父さんを中心に子供たちと一緒に家の中から外に向かっ
て豆をまくじゃないか。僕はあの豆が大好きで、毎年いっぱい食べられるから楽し
みにしていたんだ。
雌鳩:言いたい事がわかった。私も感じていたけど、今年は豆の数が少なかったわね。
雄鳩:そうなんだよ。節分の行事をきちんとしない家が増えたのか、まく豆の数を減らし
ているのか分からないけれど、庭に落ちている豆の数は少なかったな。
雌鳩:ほら、新しいマンションができたじゃない。もう住民が引っ越しを終えて入居して
いるから、前庭には豆がいっぱい落ちているはずだよって言っていたけど、行って
みたらぜんぜんダメだったわね。マンションの住人たちって豆まきをしないのかしら。
雄鳩:節分の行事は人間にとっては邪気を祓う日として、昔から大切に守ってきたものだ
と思うんだ。それに僕たちにとっても真冬のこの時期としては大切な食糧になるん
だから、もっと派手にまいてほしいよな。
雌鳩:その意見に賛成、豆まきは私たちにとっても福を与えてくれる良い行事なんだもの
ね。そこのところ、分かって欲しいわよね。来年に期待しましょう。
そういえば、我が家でも子供たちが同居していた賑やかな家族構成の時は、派手に「福は
内、鬼は外」と大声を出して、景気よく豆をまいていたけれど、今ではご近所に遠慮して、
声を落としているし、指先でつまむ程度の豆しかまかなくなりました。
キジバトさんたちゴメンね。
ここからは新聞ネタを利用した話ですが、私は豆まきでまくのは大豆だけだと思っていた
けれど、全国の調査では、落花生派が17%もいて、ジワリと増えているそうです。
私は鬼の撃退には一番霊力が強い大豆を使うのが本来の姿だと思うのです。しかし、一部
地域では落花生に交代していることをこの記事で知りました。落花生が優位な地域は、北
海道、東北、新潟県、長野県北部、九州南部で九州北部、山口県でも増えているそうです。
理由は「殻付きだから食べて清潔」「大きくて片付けやすい」「いり大豆よりおいしくて
軟らかい」という三つが多いそうだ。大豆の霊力の力も衰えたものです。
そういえば、千葉県成田山新勝寺での豆まきで集めた小さな袋には、大豆と落花生が入っ
ていたことを思い出しました。関東圏にも落花生がジワリと浸透してきているようです。
キジバトさんたちにとってはますます楽しみが減る環境にあるようです。
尚、豆まきの豆をキジバトがついばんでいるところは見たことがありますが、本当に食べ
たかどうかは確認したことがありません。もし、食べないとしたら、このお話はゴメン
なさい。
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