ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

「折り紙」って難しいな~!

2020-11-02 07:36:02 | 日記

地元の某福祉NPO法人が元気な高齢者を対象とした居場所作りのサロンを週1回、午前

中に開設している。参加者は10名前後で70歳代から80歳代前半の男性が中心です。今年

で開設3年目に入りました。このサロンでは健康体操やカラオケ(コロナ禍の為現在は中止)

そして脳トレなどで和気あいあいとした時間を過ごしています。脳トレの時間ではぬり絵、

あやとり、クイズなど多岐な題材に挑戦していますが、最も脳トレになっているのは「折り紙」

だと思います。

 

「折り紙」は易しそうに見えますが高齢者にとって難易度は高いです。折り紙の展開図とそ

れを指図する文章を理解して、最終的に「折る」という作業に変換させるところまでの工程が

難しいのです。まさに折り紙は最強の脳トレ教材であるとはよく言ったものだと実際にやって

いる人間の感想です。紙を折るという工程にも難易度の高いものがありますが、繰り返しの習

得で克服できるものがあります。でも、展開図の読解力は課題が違えば全てゼロベースからの

スタートで、なかなか貯脳してくれないのがつらいところです。

 

通っているサロンの折り紙の難易度レベルはまだまだ初級クラス(鶴を折るレベル)から脱出

できていません。サロンでは進行係が折り紙の本やネットから探してきた題材を教材にして取

り組んでいます。初級クラスの教材ですからA4用紙1枚~2枚に20個~40個の展開図と簡潔な

指図文章が添えられています。教材を作成した方は、自分の展開図を見ていただければ、どな

たでも理解できて折り紙を完成させることができると、自信を持って発表しているはずです。

 

ところが高齢者にとってはあにはからんやです。当日に配布されてからすぐに見て、読んで、折

り始めて時間内に完成させることができる展開図はほとんどありません。その証拠に、これまで

のところ、仲間の知恵を借りずに、一人で折り紙を完成させることができた例は少ないです。

全員が少なくとも1回は「ここのところ教えて!」「この意味がわからない!」と声を出して仲間

の助けを借りています。仲間の知恵の助けを得なければ折り紙は前に進まず、時間内に折り紙を完

成させられないのが実態です。

 

熟練の指導者がいれば、その方が指示された折り方の手順に従って後追いで折ることで完成できます。

しかし、それではネットの動画を見ながら折るのと一緒ですから、紙を折るだけの手作業で満足して

しまい、脳トレにならないところが面はゆいところです。参加者はそこを理解していますから、何と

か作者の展開図と指図文章の内容を理解して完成させたいと、一人一人に配布された展開図を見なが

ら、脳ミソを精いっぱい活性化させて懸命にチャレンジしています。

 

高齢者が自分のプライドをかけて折り紙の展開図に取っ組み、毎回「ここが分らない!」と自分とし

ては出したくない言葉を発して助言を仰ぐという、本人にとっては屈辱感にさいなまれながら挑戦し

ているのが「折り紙」です。それなら止めればいいのですが、これぐらいの折り紙ごときでと思う

プライドがやめることを許しません。「次回こそは!一人で!」と挑戦を続けている姿は何とも悲壮

感が漂うものがあります。それだけに折り上がった作品を見ると達成感が得られます。折り紙をして

いると、脳トレをしているなと実感できますが、やはり「折り紙って難しいな~!」を毎回実感して

います。

 

今日は折り紙の日です。これだけ続けていても抜けられない初級レベルからの脱出を目指して、今日

もサロンに行ってきます。

 

          折り紙の歴史を少しだけ・・・!

 

7世紀初めころに紙の製法が日本に伝えられ、日本人の工夫によって薄くて丈夫な「和紙」が誕生

しました。当時の和紙は高級品だったので、記録用の他に、神様への供物を包むために使用されて

いました。この「包む」という行為が折り紙のはじまりという説があります。折り紙には用途によ

り2つの種類があります。1つ目は「儀礼折り紙」という折り紙です。鎌倉時代以降、武家の間で

贈答文化が盛んになり、その贈答品を和紙で包んだり添えたりするものが「儀礼折り紙」です。

現代でも残っている風習では、お歳暮やお中元、お祝いの「熨斗(のし)」になります。

2つ目は「遊戯折り紙」です。文字通り遊ぶことを目的とした折り紙のことを指します。室町時代

には、既に現代と同じような「鶴」や「やっこさん」の折り方があったそうです。

娯楽としての折り紙が広まったのは和紙の大量生産が可能になった江戸時代で、明治時代になると、

「折り紙」は子供の教育の一環として取り入れられるようになって、盛んになっていきました。

折り紙の普及に関していえば、何万通りもの折り紙作品を作ったとされる吉澤章さんの尽力が大き

いです。1938年頃から折り紙の本格的な研究を始めた吉澤さんは、1954年、「折り紙芸術」なる本

を出版。その後外務省の要請により海外に派遣され「ORIGAMI」の世界的普及に貢献しました。

 

皆さんは「折り紙」と「千代紙」の違い……わかりますか?

簡潔に言いますと、和紙で作られた正方形の紙を「千代紙」、洋紙で作られた正方形の紙を

「折り紙(色紙)」と呼びます。

 

NHK大河ドラマ「麒麟か来る」の舞台となった斎藤道三の稲葉山城(現岐阜城)のある美

濃は美濃和紙の生産地で和紙により財を成しています。「美濃を制する者は天下を制する」

という言葉が遺されていますが、これは美濃が東西交通の要所であったこと。そして和紙を

制していたことを指していると言われています。・・・これは脱線でしたね。

 

 

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