2013年3月14日、欧州原子核研究機構(CERN)が、前年7月に発見した「ヒッグス
らしき」粒子は、ヒッグス粒子であるとの確信を深めたと発表した。ヒッグス粒子は
宇宙の物質が質量を持つ理由を解明するカギとなる粒子で、この時の発表はワイド
ショーやニュースのトップで報じられたのでご存知の方が多いと思います。
今回のニュースを見て、改めて人が地球の表面にとどまっていられる理由を整理してみ
ました。
1.地球の引力の強さで人は地表にくっついている。
ニュートンは「すべての物に引力があり、その力は質量が大きいほど大きい」という
万有引力の法則を見出しました。この法則では地上の物体は、地球との間で引っ張り
合う引力が働いています。同じ物体同士なら引き合う力は同じですが、地球は人より
質量が極端に大きいので引く力が強い。このため、人は地球に引っ張られて地表にく
っつけられているのです。ですから、地球に引っ張られる引力より強い力が働かない
と、持ち上げられたり、空を飛べるようにはなれないのです。ところで、引力がなぜ
あるのかということになるとまだ分かっていません。
2.人に質量があるから地球の引力の影響を受ける。
人には質量(重さ)があるから引力があります。人の質量がゼロであれば引力がな
いので、地上にとどまらず宇宙空間を飛び続けます。どうして物質には質量があるの
か?この理由がヒッグス粒子の存在なのです。
同粒子は宇宙誕生の100億分の1秒後に、全ての真空を満たすように宇宙全体に広が
って「ヒッグスの海」を作りました。これが抵抗となって、宇宙誕生の時に生まれた
各種素粒子は動きが鈍くなり質量が生まれました。質量を与えられた素粒子はお互い
に引き合って結びつき、原子や分子となり、私たち人間も含めて、全てのものを形作
っているのです。ちなみに、光は質量が無くヒッグス粒子の抵抗を受けないので、と
どまらずに光速で飛んでいます。
3.地球は自転しているので外向きの遠心力が働いているけど大丈夫。
地球の自転速度を考えてみます。地球一周の長さは約4万kmです。24時間で一周し
ますから、4万km÷24時間=1,667km(km/h)です。音速が1,200km/hだから音
速を超えるスピードで自転しています。遠心力で振り落とされないのは、引力の力
で地表にくっついて、地球と同じスピードで回っているからです。このため、自転に
よる外向きの遠心力は私たちに影響を与えません。
<まとめ>
人はヒッグス粒子により質量(重さ)を与えられました。質量があるものは地球との
間で引き合う引力という力が働きます。質量が大きいほど引力が強いので、人は地球に
引かれて張り付いています。これが地表にいられる理由です。