「都市探究会」
推理ADV・幽霊よりも怖いもの
制作者:裏束様(暁ーDAY BREAK)
=================
先だって紹介した「ヒトミサキ」の作者様の前作です。
村雨ほどのサバイバル色はありませんが、こちらも良品の推理アドベンチャーなのでご紹介。
他作品もそうですが、この作者様のゲームは、主人公の性格や考え方、行動、環境がやたらリアルなんですよね。
こちらは舞台が大学であり、主人公はその学生ということで、身近に感じる方々も多いのではないでしょーか?
というわけで、主人公は、大学に入ったばかりの人見知りな青年・九条くん。
「自分から声をかけなきゃ誰とも親しくなれない」のが大学生…ということで、いまだに親しい人がいない現状に、ちょっぴり焦り気味です。
ぼっち克服のために部活かサークルかに入ろうと思ったものの…運動部や音楽系は、初心者がついていける気がしないので、無難で少人数の文科系を狙ってみることにしました。
(ほらね、すでにこの辺りの思考がリアルでしょ?)
そんな九条くんの目に留まったのが、部員が3人しかいない「都市研究会」
まずは見学してから、というつもりで部室に行ったはずなのに、部長の濃いキャラとその場の雰囲気に流されて、いつの間にやら入部することになってしまいます。
「都市研究会」…それは半ば「オカルト研究会」に近い活動内容のサークルであり、入部にあたっては「試験」があるとのこと。
九条くんは、部長に言われるがまま、他の二人の新入部員とともにさっそく、とある、いわくつきの廃屋への肝試しへと向かいました。
しかし、そこでは思いがけない出来事が…??
一応、幽霊(らしきもの)は出てくるんですけど。そっちはぜんぜん怖くない。
…まー、実際…ちょっとそこらへんにお化けがいたからって、やつら、肉体的に直で危害を加えてくるわけではないので。
(精神的に怖がらせて追い詰めるとか、一瞬の判断力を鈍らせることはあるにせよ)
むしろ本当に怖いのは、物理的に干渉できる肉体を持つ、生きた人間のほうなのですよね。
最初の「肝試し」をきっかけにして、ドミノ倒しみたいに波及・連鎖していく殺意がなんとも面白い構成の物語でした。
最後までリアリティを追及して終わるのかと思ったら、ちょっぴりファンタジックな要素が「救い」として用意されていたのも良い。
そして、それこそがラストへの伏線になっているのが、なんともせつないお話でした。
途中、最初の結末を迎えたあとの「IF」の話がリアルすぎて泣けた…
そう、一つの悲劇を防いだからって、結果がいいものになるとは限らないっていう…
しかも「一番マシな結果」に伴う犠牲が…自分自身って;
物語においては「主人公」は中心であり不可侵ですが、リアルにおいては特別な個人は存在しない…「自分の視点」では主人公である自分自身も、他人から見ればただのモブにすぎないのだと。
そう思い知らされるような展開に、ヒヤっと背筋が寒くなりました。
ほかにも、登場人物たちの性格設定、話し方、感情の表し方などなど。
あー、こういう人いるよね、とか。こういうことあるよね、とか思える部分が多く、プレイしていて遊びごたえがありましたよん。
推理を楽しみつつ…「人間観察」も楽しめる、良ゲームだと思います。
興味のある方はぜひどうぞー^^
推理ADV・幽霊よりも怖いもの
制作者:裏束様(暁ーDAY BREAK)
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先だって紹介した「ヒトミサキ」の作者様の前作です。
村雨ほどのサバイバル色はありませんが、こちらも良品の推理アドベンチャーなのでご紹介。
他作品もそうですが、この作者様のゲームは、主人公の性格や考え方、行動、環境がやたらリアルなんですよね。
こちらは舞台が大学であり、主人公はその学生ということで、身近に感じる方々も多いのではないでしょーか?
というわけで、主人公は、大学に入ったばかりの人見知りな青年・九条くん。
「自分から声をかけなきゃ誰とも親しくなれない」のが大学生…ということで、いまだに親しい人がいない現状に、ちょっぴり焦り気味です。
ぼっち克服のために部活かサークルかに入ろうと思ったものの…運動部や音楽系は、初心者がついていける気がしないので、無難で少人数の文科系を狙ってみることにしました。
(ほらね、すでにこの辺りの思考がリアルでしょ?)
そんな九条くんの目に留まったのが、部員が3人しかいない「都市研究会」
まずは見学してから、というつもりで部室に行ったはずなのに、部長の濃いキャラとその場の雰囲気に流されて、いつの間にやら入部することになってしまいます。
「都市研究会」…それは半ば「オカルト研究会」に近い活動内容のサークルであり、入部にあたっては「試験」があるとのこと。
九条くんは、部長に言われるがまま、他の二人の新入部員とともにさっそく、とある、いわくつきの廃屋への肝試しへと向かいました。
しかし、そこでは思いがけない出来事が…??
一応、幽霊(らしきもの)は出てくるんですけど。そっちはぜんぜん怖くない。
…まー、実際…ちょっとそこらへんにお化けがいたからって、やつら、肉体的に直で危害を加えてくるわけではないので。
(精神的に怖がらせて追い詰めるとか、一瞬の判断力を鈍らせることはあるにせよ)
むしろ本当に怖いのは、物理的に干渉できる肉体を持つ、生きた人間のほうなのですよね。
最初の「肝試し」をきっかけにして、ドミノ倒しみたいに波及・連鎖していく殺意がなんとも面白い構成の物語でした。
最後までリアリティを追及して終わるのかと思ったら、ちょっぴりファンタジックな要素が「救い」として用意されていたのも良い。
そして、それこそがラストへの伏線になっているのが、なんともせつないお話でした。
途中、最初の結末を迎えたあとの「IF」の話がリアルすぎて泣けた…
そう、一つの悲劇を防いだからって、結果がいいものになるとは限らないっていう…
しかも「一番マシな結果」に伴う犠牲が…自分自身って;
物語においては「主人公」は中心であり不可侵ですが、リアルにおいては特別な個人は存在しない…「自分の視点」では主人公である自分自身も、他人から見ればただのモブにすぎないのだと。
そう思い知らされるような展開に、ヒヤっと背筋が寒くなりました。
ほかにも、登場人物たちの性格設定、話し方、感情の表し方などなど。
あー、こういう人いるよね、とか。こういうことあるよね、とか思える部分が多く、プレイしていて遊びごたえがありましたよん。
推理を楽しみつつ…「人間観察」も楽しめる、良ゲームだと思います。
興味のある方はぜひどうぞー^^