「Dance in the "mort" 」
アツマール・ホラゲトリビュート作品・善悪はプレイヤー次第
制作者:mkbt様
==============
聖書がベースになった物語ですね~
うーむ…聖書は旧約の…しかも洪水あたりまでと、あとは黙示録くらいしかまともに読んでなかったり…
何十年も前にちょっと齧ったことはありますが(こう言うと信者の方にはすごく怒られそうだけど)…当時の版?だと、根本的に日本語としてはどうなの?って訳で、文章が読みにくく内容が掴みにくく…読むのがとてもツラかったのだ…
まあ「楽しむための読み物ではない」と言われちゃえばその通りではあるんですが。
もしかしたら、今はずいぶん読みやすくなってるんですかねぇ…
ロザリオの祈りも、昔はすっごい固い文語体だったのが、今はずいぶんと砕けたって話ですし?
さて、話をゲームに戻しまして。
謎の洋館にいつの間にか迷い込んでいた少女アンナ(仮名)は、そこで出会った謎の男に教えられ、館の出口…「地下通路」の鍵を探して館を探索することになりました。
言われるがまま、寄り道せずに館を出ても良し…好奇心の赴くまま、そこにいる人々に関わっていってもよし。
すべてはアンナの…プレイするあなたの心のままに…
大抵のゲームは、選択肢が出ても「こっちが選ぶべき道」という予想がつくものが多く、それほど迷わない印象なのですが…これはちょっと違います。
イイコにしてると何もわからない。
けれど、何か行動を起こそうと思うと、誰かに逆らったり、言いつけを守らなかったり、自らの手を汚すことになるっていう…
また、「アンナ」の行動の選択肢が…けっこうスゴイのですよ。
普通のゲームだと「やれること全部やれば大体OK」なのですが、このゲームでそれをやったら、アンナちゃんは悪の道一直線でございます。
ある意味、自分に正直というか…悪気なく奔放というか…無邪気?というか。
清楚な見た目なのに、なかなか人間的な主人公でありました。
自分の欲望に忠実で罪の意識がなく、「蛇」(原罪の象徴?)への恐れもない。
…もしかしたら、最初の女性、イヴもこんな感じの人だったのかもしれません。
ヒロインとしてはぶっとんだ印象ですが、私的には、こういうキャラは嫌いじゃないっす。
むしろ、あんまり見ないタイプで新鮮だ…。
エンディングはバッド(即死)と何もせず帰るエンドを除いて二つ。
たぶん、アンナが行動を慎んだ場合と、思うまま行動しまくった場合、の変化かな?
一度クリアすると、最後のほうで「ルートを変えられる」箇所が出てきますので、周回が辛い場合はそちらをどうぞ!
基本シナリオは、地下牢で見つけた神父様の過去を「見ていく」感じで進んでいきます。
中世の、ペストが流行り始めた時代。平和そのものだった小さな村に、一体何が起きたのか、神父さんと「赤毛の少女」の間に何かあったのか…
普通に考えれば、感動ものに纏まりそうな、このゲーム。
前述のアンナのキャラクターがああいう感じなので、プレイヤーは何が正しくて何が間違っているのか、最初ちょっと混乱させられると思います。
大抵のゲームでは、主人公の価値観はそのまま、プレイヤーにとって、その世界の善悪の基準点になりますからねぇ…
たとえば「ネコを殺して腹から鍵を取り出す」なんて行動は、普通は、しない。
けれど、それはあくまで「したくないから、しない」のであって「できない」ではないということ…
倫理やモラルをとっぱらったところに初めて見えてくる、非情な選択肢の数々が、とても印象に残ります。
(ちなみに、ネコは殺さなくてもちゃんと鍵は手に入ります。念のため)
ゲーム内ではすごく性格が破綻しているように見えるアンナちゃんですが…
ここまでオープンかどうかは別として、似た感じの人ってけっこう…いるよね?
神父さんは、一緒に行動する時間が長いぶん、情がうつるキャラクターでした。
シナリオ上は若干ヘタレではありますが…いや、普通に善良な人は、大体こんなもんでしょう。
こんな集団ヒステリーど真ん中で反対意見なんて述べたら、もろともに殺されそうだし。
アビーは天使(きっぱり)
あんな死に方なら、怨霊化したっておかしくないのに…最後まで周りを気遣ういい子でした。
ところどころ入る「しんぷさん…」ってボイスがなんとも可愛い。
個人的に、薄い印象だったのがアダム。
人間としてはアンナよりずっと「できた」人のはずなのに胡散臭いっす…
正しいことを言っているのに、台詞がいちいち軽く感じてしまうのはなぜだろう。
アンナも本気で相手にしないし…扱いはずっとストーカーのままだし…
主人公格というより、コミカルな脇役のような立ち位置に感じました。
そして、浅黒い肌の青年…彼の正体は、作中のあちこちでチラチラ情報を貰えます。
このキャラの表情付けと話し方、とても存在感があって好きでした。ラスボス臭!
彼はアンナに似てる、とのことですが…作中では終始落ち着いてるせいか、衝動的に行動するアンナとは似てるようには思えないですね。
共通点があるとすれば…涼しい顔でいろいろやっちゃう、罪悪感の無さくらい?
てか、彼もアンナも何かやらかすのに感情が伴わないように見えるので、普通の罪人というより、ちょっとサイコパスっぽくも感じる…
ともかく、力作でした!
宗教っぽい世界観に興味のある方におすすめですー
堕天使なあの人の服の趣味と立ちポーズが気になってたまらない;
アツマール・ホラゲトリビュート作品・善悪はプレイヤー次第
制作者:mkbt様
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聖書がベースになった物語ですね~
うーむ…聖書は旧約の…しかも洪水あたりまでと、あとは黙示録くらいしかまともに読んでなかったり…
何十年も前にちょっと齧ったことはありますが(こう言うと信者の方にはすごく怒られそうだけど)…当時の版?だと、根本的に日本語としてはどうなの?って訳で、文章が読みにくく内容が掴みにくく…読むのがとてもツラかったのだ…
まあ「楽しむための読み物ではない」と言われちゃえばその通りではあるんですが。
もしかしたら、今はずいぶん読みやすくなってるんですかねぇ…
ロザリオの祈りも、昔はすっごい固い文語体だったのが、今はずいぶんと砕けたって話ですし?
さて、話をゲームに戻しまして。
謎の洋館にいつの間にか迷い込んでいた少女アンナ(仮名)は、そこで出会った謎の男に教えられ、館の出口…「地下通路」の鍵を探して館を探索することになりました。
言われるがまま、寄り道せずに館を出ても良し…好奇心の赴くまま、そこにいる人々に関わっていってもよし。
すべてはアンナの…プレイするあなたの心のままに…
大抵のゲームは、選択肢が出ても「こっちが選ぶべき道」という予想がつくものが多く、それほど迷わない印象なのですが…これはちょっと違います。
イイコにしてると何もわからない。
けれど、何か行動を起こそうと思うと、誰かに逆らったり、言いつけを守らなかったり、自らの手を汚すことになるっていう…
また、「アンナ」の行動の選択肢が…けっこうスゴイのですよ。
普通のゲームだと「やれること全部やれば大体OK」なのですが、このゲームでそれをやったら、アンナちゃんは悪の道一直線でございます。
ある意味、自分に正直というか…悪気なく奔放というか…無邪気?というか。
清楚な見た目なのに、なかなか人間的な主人公でありました。
自分の欲望に忠実で罪の意識がなく、「蛇」(原罪の象徴?)への恐れもない。
…もしかしたら、最初の女性、イヴもこんな感じの人だったのかもしれません。
ヒロインとしてはぶっとんだ印象ですが、私的には、こういうキャラは嫌いじゃないっす。
むしろ、あんまり見ないタイプで新鮮だ…。
エンディングはバッド(即死)と何もせず帰るエンドを除いて二つ。
たぶん、アンナが行動を慎んだ場合と、思うまま行動しまくった場合、の変化かな?
一度クリアすると、最後のほうで「ルートを変えられる」箇所が出てきますので、周回が辛い場合はそちらをどうぞ!
基本シナリオは、地下牢で見つけた神父様の過去を「見ていく」感じで進んでいきます。
中世の、ペストが流行り始めた時代。平和そのものだった小さな村に、一体何が起きたのか、神父さんと「赤毛の少女」の間に何かあったのか…
普通に考えれば、感動ものに纏まりそうな、このゲーム。
前述のアンナのキャラクターがああいう感じなので、プレイヤーは何が正しくて何が間違っているのか、最初ちょっと混乱させられると思います。
大抵のゲームでは、主人公の価値観はそのまま、プレイヤーにとって、その世界の善悪の基準点になりますからねぇ…
たとえば「ネコを殺して腹から鍵を取り出す」なんて行動は、普通は、しない。
けれど、それはあくまで「したくないから、しない」のであって「できない」ではないということ…
倫理やモラルをとっぱらったところに初めて見えてくる、非情な選択肢の数々が、とても印象に残ります。
(ちなみに、ネコは殺さなくてもちゃんと鍵は手に入ります。念のため)
ゲーム内ではすごく性格が破綻しているように見えるアンナちゃんですが…
ここまでオープンかどうかは別として、似た感じの人ってけっこう…いるよね?
神父さんは、一緒に行動する時間が長いぶん、情がうつるキャラクターでした。
シナリオ上は若干ヘタレではありますが…いや、普通に善良な人は、大体こんなもんでしょう。
こんな集団ヒステリーど真ん中で反対意見なんて述べたら、もろともに殺されそうだし。
アビーは天使(きっぱり)
あんな死に方なら、怨霊化したっておかしくないのに…最後まで周りを気遣ういい子でした。
ところどころ入る「しんぷさん…」ってボイスがなんとも可愛い。
個人的に、薄い印象だったのがアダム。
人間としてはアンナよりずっと「できた」人のはずなのに胡散臭いっす…
正しいことを言っているのに、台詞がいちいち軽く感じてしまうのはなぜだろう。
アンナも本気で相手にしないし…扱いはずっとストーカーのままだし…
主人公格というより、コミカルな脇役のような立ち位置に感じました。
そして、浅黒い肌の青年…彼の正体は、作中のあちこちでチラチラ情報を貰えます。
このキャラの表情付けと話し方、とても存在感があって好きでした。ラスボス臭!
彼はアンナに似てる、とのことですが…作中では終始落ち着いてるせいか、衝動的に行動するアンナとは似てるようには思えないですね。
共通点があるとすれば…涼しい顔でいろいろやっちゃう、罪悪感の無さくらい?
てか、彼もアンナも何かやらかすのに感情が伴わないように見えるので、普通の罪人というより、ちょっとサイコパスっぽくも感じる…
ともかく、力作でした!
宗教っぽい世界観に興味のある方におすすめですー
堕天使なあの人の服の趣味と立ちポーズが気になってたまらない;