鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

SAW

2005-06-24 00:23:02 | 映画(ホラー)

「SAW」 2004年
監督:ジェームズ・ワン
出演:ケアリー・エルウェズ ダニー・グローヴァー 

***

ひとまず、最後まで見た感想。
「えええーーー?! マジかい?!」


最後が意外。これ、皆さんがことごとくレビューで言う言葉なのですが、
…確かに意表をつかれました!

…というか、あまりにも皆が意外意外言うものだから(笑)この結末も、一応は予測範囲内ではあったのです。こういう展開もあるかも、と。
でも…話が進むにつれて、そりゃあまりにも不可能だろ?という設定だったので、アタマの中で一番に消去してしまっていたのですよぅ。
だってさ、8時間っすよ8時間! 無理でしょうよ?


ストーリーは、いきなり闇の中、古びて寂れきったバスルームから始まります。
何がなんだかわからぬまま拉致され連れて来られ、対面の壁面に鎖で繋がれた二人の男、アダムとローレンス。
その二人の間に転がるのは、見知らぬ男の自殺死体。
二人のポケットに入っていたカセットテープに残されていたメッセージは…「時間内に、ローレンスがアダムを殺さなければ、ローレンスの家族は死ぬ」

二人は互いを完全には信じられぬ緊張に包まれながらも、部屋に散りばめられた無数のメッセージやアイテムを駆使し、脱出を試みる。
果たして、この残酷なゲームを仕掛けた殺人鬼「ジグソゥ」は一体誰なのか。
そして、二人にこの先待ち受ける運命は?


見始めて、最初の印象は、よくアドベンチャーゲームでありがちな「部屋から脱出する」ヤツ。
たとえばここのような。

工夫を凝らし、取れるアイテムを探し、少しづつ謎を解くところがちょっと似てる。
なんと言っても、いろいろと「ギリギリ一杯」な道具立てが緊張感を煽ります。
もう少しのところで手の届かないところにある道具や、事前に二人に互いへの不信感を煽っておいて、片一方にだけ二人分手に入るアイテム。
計算されつくした「制限」と「誘導」が凄い。
なんでも出来るように見せかけて、二人が取れる行動は一本道になるように仕向けられているのですよね。
そして、これと同じように張り巡らされた「罠」は幾重にも重なり、本当の真犯人を覆い隠してしまう…
見ていて、少し、京極夏彦の「絡新婦の理」を連想しました。
もちろん、SAWはアメリカの映画ですから、だいぶ印象は違うのですが。

それにしても、ジグソゥの起こす犯罪は、どれも本当に怖いです。
一応、それに対する理由(のようなもの)も作中説明されていますが…それだけじゃここまでしないでしょ。絶対殺人快楽症だって~(汗)
生きるか死ぬかの究極の選択を迫っているように見えて、その選択肢は「生と死」ではなく「死と死」だったりするところが嫌だぁぁぁ(汗)
こんな殺人鬼、世に出て欲しくない…いや、ホントに。本気で。

話変わって、非人間的な犯罪方法とは裏腹に、画面でのホラー効果はおとなしめ。
血が苦手な私には「うえぇ」というシーンも一部ありましたが、全体にそれほどスプラッタじゃないし、クリーチャーも出てきません。
なんていうのか、場面や登場人物が狭く限定されるぶん、物語や伏線はとても考え抜かれている、と感じました。
見た後、このタイトルがすごーく納得がいく、というのも洒落てていい感じ。
アメリカ映画で、こういうダブルミーニング的な題名つけるの珍しいような気がする。

最後の最後で、「ゲームオーバー!」と台詞が入るシーンでは本気でぞくぞくしました。
全ては俺のために!と主張しているようなあのシーン。
まさしく、最初から最後まで、本当の主役は彼だったのですから。

うー、ネタバレにならないように書いてたつもりだけど…
聡い人なら、色々もうわかってしまうかもしれませんね。

でも、仕掛けが最初からわかっていたとしても、これは楽しめる映画です。
ことに、謎解き系が好きな人なら、おすすめです。

SAW 公式ページ


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