鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

「叫」

2007-09-08 21:55:17 | 映画(ホラー)
「叫」
監督:黒沢清
出演:役所広司、小西真奈美、葉月里緒奈 ほか

公式ページ  
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感想:「ん! クロサワだ!」

良くも悪くも黒沢清でございました。
画面に映る背景は、どんな時も常に『廃墟』。
人が住んでいようと、現役使用中の職場であろうと、精神科医の診察室であろうと、
そこに動く煤けた印象の人々をひっくるめて、全てがくすんだ『廃墟』の印象。
この独特の感じは、誰も真似できませんよねぇ。
LOFTでも、主人公役の中谷美紀が引っ越した先は、どう見ても10年くらいは
人が住んでなかったんじゃ? と思えるほどの荒み具合だったしなー。
どこか白々とトーンを落とした画面に、幽霊の真っ赤なワンピースが妙に目につくー。

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バブル期に無計画に埋め立てられ、地震が起こるたびに液状化現象が起こる、
港湾沿いの工事現場で、一人の女性が殺された。
彼女の事件の捜査にあたった吉岡刑事は、不思議な既視感を覚える。
しかも、現場で見つかる証拠は、彼自身を暗示するかのようなものばかり。
それと同時に、吉岡の周囲には、死んだ女と同じ赤いワンピースの幽霊の影が見え始める。

被害者も、犯人も動機も全く違うにもかかわらず、同じ手口で続く一連の殺人事件。
そして、吉岡に付きまとう赤いワンピースの女。
恋人の春江に救いを求めるも、記憶は依然としてはっきりとせず、
精神科の医者からも、何の助けも得られない。

やがて、最初の事件…赤いワンピースの女の身元がわかり、その真犯人が捕まるが…
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とりあえず幽霊は…凄い出来ですよ。 …いや、いろんな意味でね(笑)
ドア開けて部屋を出て行く幽霊なんて初めて見ましたわ…
赤い服の幽霊役の葉月里緒奈も、別に恐メイクもせず、普通の顔で出てくるし。
画面はかなり荒んでますが、怖くはないっす。ビックリ系でもないし。
夜中に見ても全然ゾクリともしないタイプのホラーでありました。
ただ『叫』というタイトル通り、時折悲鳴(?)が響くシーンがあるので、
ホントに夜中見る場合は、ヘッドホンが必要かもねー。

で、見た感じ、一番に思ったのは…役所さんのヒゲ面、ロン毛、中途半端にたるんだ頬は、
どうもビジュアル的にキツいなぁ、と(汗)
そういう役なんだからしょーがないけど…なんちゅーか…(ごめんよ)穢い、印象。
そんな彼の恋人役に小西真奈美っていうのも…ええ? と思ったし。
また、相変わらず彼女が楚々として小奇麗なんだよねぇ。
…隣にいる役所さんが余計にむさくるし…ああ、いやいや、コホン。
んー、演技でここまで感じさせたことに、俳優としてのスゴさを感じるべきですか?

いつものことだけど、とりあえず、物語を追ってはいけない。
追えば追うほどワケがわからなくなるのが落ちだから。
目の焦点をぼやかして見る3D画像みたいに、こころもち気持ちを離して見ると良いのかも?


個人的には、最後の春江さんが一番怖いと思います。

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