鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

「LOFT ロフト」

2007-05-19 11:25:30 | 映画(ホラー)

「LOFT ロフト」
監督:黒沢清
出演:中谷美紀、豊川悦司 、西島秀俊 、安達祐実ほか
公式ページはもう無いので、gooの映画情報ページから
***

「回路」と同じ監督と聞き、ちょっと期待して見たんですけど…
うーん、なんか、見終わった後、ポカーンて感じかもしれない。

あと、気になったことは、この映画のDVD、音声レベルがすごく低いです。
我が家のテレビでは、普通の番組は音量8くらいで充分聞こえますし、
映画であっても、13から14あればボソボソした会話も聞き取れるのですが、
この作品、20くらいまで上げても、普通の会話が聞き取れません!
ホラーは下手に音量を上げると、突然、ご近所に不穏な悲鳴が響き渡ることがあるので(汗)
終始、ヘッドホンが手放せませんでした。不便。

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芥川賞作家の春名礼子は、今までとイメージの違う恋愛作品を執筆することになったが、
思うように書けず、体調を崩してしまっていた。
引越しをして環境を変えれば書けるかも。 そんな礼子の言葉から、編集者の木島は、
湖畔の森の中にある一軒屋を礼子に紹介する。
間取りは広く、天井が高く、自然が多くて空気が美味しい…そこは礼子にとって、
理想的な環境に思えた。
ただ一つ、家の向かいに建っている、人気の無い建物の存在を除いては…

ある夜、礼子はそこに出入りする人影を目撃する。
それは大きな荷物…ちょうど、ひと一人分くらいの…をかかえた男だった。

礼子が調べてみると、その建物は大学の研究室のもので、近くの湖から引き上げられた
女性のミイラを研究するための場所であったらしい。
やがて、ミイラの研究者である吉岡と礼子は、少しづつ惹かれあっていく。
そして、その頃から礼子の周囲には、黒いワンピースを着た女の影が…

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中谷美紀は相変わらず演技派だし、西島秀俊のあの平坦な喋り方も伏線として効果的。
幽霊役の安達祐実はとっても怖くてスバラシイ。
難があるような気がするのは豊川悦司で…いつも思うんだけど、この人は舞台向きじゃないだろか。
もともと芝居がかった人だけど、さらにそこに、脚本のとんでもない芝居セリフが拍車をかける。

ていうか、あのセリフの感じは、実生活で使う言葉じゃないです。
ネットでちょっとレビューを見ると、吉岡と礼子の恋愛描写が、唐突で不自然、というのが多くて、
確かにそこはそうなんですが…(エッ!? あんたたちそうなの?!って気分になる)
あれは絶対、セリフ回しにも原因があると思うよ…
幽霊の出てくるシーンが凄く不気味で良かっただけに、なんか残念だな…

「回路」は好きな作品だったのですけどねー…、
あれは、はっきり言って、ストーリー自体は何がなんだかわかんないんですよね(笑)
でもね、凄く怖くて良かった。なんでそうなるのか、何がどうなってるのかわからないけど、
とにかく何かが起こってる、これは怖いぞ! って感じの映画だったのよ。
でも、これは中途半端だな… 主人公に感情移入できないし。
どうしてこうなったのかって説明も、わかるようなわからないような。
ミイラがいったいどこの位置にいるのかも、把握できない。
強いて言うなら、ミイラは吉岡の「妄執」なのだろうか。

しかし、担当編集者は殺人(未遂)犯、好きな男は殺人犯(推定)ということで、
とりあえず、主人公の礼子には男運が無いらしい。


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