鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

リトル・プラント

2017-07-26 23:47:28 | フリーゲーム(ファンタジー)
「リトル・プラント」
調合・育成ゲーム・アルラウネ少女
制作者:まっふら様(くまのこ道

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カーザとリュユは、逞しく生きるホームレス少年。
ある日、墓荒らしに出かけた先で、二人は頭にアルラウネをはやした能天気な少女と出会う。
彼女は「博士」と呼ばれる人間の実験で、人間からアルラウネになったのだと話し、同じくアルラウネになったはずの博士が目覚めるまで、手助けしてほしいという。
…アルラウネは葉や花が高く売れる、貴重な植物。
その日暮らしの生活よりもずっと良いと判断した二人は、彼女を連れ帰って世話をすることに。
果たして、無事にアルラウネを成長させてお金儲けできるのか…?


アルラウネのパミラが、とっても「天然」で可愛い!

「人口アルラウネを作る実験で人間からアルラウネになって500年土の中で眠ってました」
って、まるっきりマッドサイエンティストの人体実験ですがな。
けれど、パミラは博士のことを慕っており、実験自体にも進んで参加したようで…
そのあたりの事情は、話を進めていくと明らかになりますのでこうご期待。

さらに、カーザやリュユの生い立ちも、いくらでも暗くできそうな設定なんですよね。
ちょこちょこ会話に出てくる生活っぷりはまさしく「最下層」だし。
でも、カーザもリュユも、そしてパミラも、全然自分を不幸だなんて微塵も感じていない。
明るく楽しい会話と、間の抜けた掛け合いで進んでいく物語には影や濁りがなく、全体に穏やかな印象のゲームに仕上がっています。
グラフィックも可愛らしい^^

基本システムは、探索・調合・育成です。
5つあるポイントを毎日探索し、材料を集めて調合し、パミラに与える。
与えた栄養によって、パミラのパラメータが変わり、それによってエンディングが分岐したりしなかったり。

エンディングが複数あることもあって周回前提なつくり。
2周目以降しか開かないお店や、2周目以降でしかクリアできないイベントなども用意されていたり…


…ということ、なんですが。(ここからちょっぴりブルー)
正直、周回が非常に辛いゲームでした。

面白いですよ? すごく面白いし可愛い。
しかしプレイヤーには試練が多いゲームなのです。

大変申し訳ないんですが、もし全エンドコンプを考えるならば、よほどの調合好きさんでない限り、先に攻略を見てしまったほうが良いと思います。
でないと途中で飽きてイヤになってしまうかもしれない。

何が試練か、というと。
まずは、エンディング分岐のパラメータ値が、予測しにくいこと。
Aの値が満タンでBは50%以下、とか、微妙な抱き合わせの条件なのです。
ヒントはもちろんあるんですけど、何も知らないでエンドコンプはちょっと難しいんじゃないかな…

もう一つの試練は、周回であっても、毎回探索して調合して…って作業が、ほぼ端折れないこと。
そして、調合が1個づつしかできないこと。

さらに、調合の逆引き(材料から作れるものを知る)ことができないので、どの材料でどれが作れてなんのパラメータが上がるのか、プレイヤーが把握しておく必要があること。
そもそもメニューの階層が深めなので、レシピを確かめながら調合する際…
一度度調合閉じて、本棚開いて小分類開いて目的の調合物を調べて、本棚閉じてまた調合開いて……
って…手間が多いんですよねぇ

そして最後は、クリックのタイミングや場所でフリーズ・誤作動がけっこうあること。
何十個も(一個づつ)調合したあと、未セーブでフリーズされるとすごく徒労感が…!
落ち着いてゆっくり操作すれば防げるようですが…
くれぐれも、セーブはこまめに、こまめに取りましょう。

一つ一つはなんてことない「不自由さ」なのですが、これが同時にあることによってなにかこう、凶悪な相互作用が…;
ううう…も、勿体ないな…;


しかし、それらの試練があってなお、面白いことは間違いありません。
作者様は自サイトに、PDFで立派な攻略本を作ってくれていますので、プリントアウトして手元に置いておくと、俄然!いろいろ楽になります!周回時のプレイ時間も短縮されるはず!

調合が苦にならない方・育成系ゲームが好きな方には、特におすすめしますよ~