鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

共依存論

2017-07-24 00:00:02 | フリーゲーム(その他)
「共依存論」
カウンセリングADV・優しい容認の物語
制作者:一限はやめ様(いちげんはやめ

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主人公は、ネット依存で引きこもりの生活をしているクル子ちゃん。
自分一人を受け入れ、認めて、支え合う相手がほしい。
男でも女でもいい、たった1人でいいから、気の合う誰かと出会いたい。
そう思って共依存の相手をネットで募集してみました。
反応してくれた人たちと語らいながら、「いま」を過ごしていきましょう。
もしかしたら、その先には、今までとは違う道が見えてくるかもしれません。


基本内容は…まあ、欝ゲーなんですけどね!
物凄くデリケートで、繊細な物語でした。
正直、私のようなガハハ系の人がきちんと理解できているか、すごく自信ない…
変なレビュー書いたら、ゲームそのものがカシャーンッ☆て壊れちゃうんじゃないかしら?とか思うくらい、fragileな印象。
でも、その脆さ壊れやすさが、とても傍目には美しく見える作品でもありました。
…まあ、自分にないものは余計にキレイに見えてしまうものさw

主人公、クル子ちゃんは、とても冷静で考え深くて真面目な子。
こういう子だからこそ、自分の中でアタリマエにある穢さ醜さを許すことも、誰かへ転嫁して恨むこともできずに、内へ内へと、自分を攻撃する方向に病んでしまいました。

頭のいい彼女は、自分の状況をわかってる。
なぜそうなってしまうのか、原因の分析もできる。
人から言われるようなことは、もう自分でとっくのとうに考えつくしてしまっているから、外から何か言われてもどうしようもなく。
結局は何もできない自分が悪いのだ、と、世界を閉じるしかなくなってしまう。

部屋で1人でいるのは、穏やかで平和な日々。
それでもやはり、寂しい気持ちもどこかにあって。

3人の登場人物たちとクル子ちゃんの会話は、そのまま、互いを癒すセラピーのように思えました。
同じような想いを持つ人が、ただ互いを否定せずに、話し、聞く。
それだけのことが、ずいぶんと癒しになるのだなぁと再確認。
話の内容って、たぶん、それほど重要じゃなくて、一番のお薬は「容認」?かな?
「否定」はもちろん「肯定」ですら、ココロの負担になってしまうから、ただただ、「そうなんだ」と聞いていること…

…精神系のカウンセラーさんって、もしかして、こういう感じでやりとりしていくんですかねぇ…
なるほど、繊細な人にはこんな感じで行けばいいのか、とちょっと勉強になりました。

これなぁ…難しいなぁ…
考えすぎて自家中毒起こしてるように見えるけど、それを指摘したところで治るわけじゃないし。
私もそのケはあるので、なんとなくわかりますが「思考」って一番やめにくい依存症よね。
生きてる限り脳は動いてるし。絶え間なくつらつら沸いてくる思考…雑念?を止めるのは難しい。
座禅でも組んで無になればいいのか?


途中に、何回か選択肢が出てきまして~、その答え次第で多分、エンディング分岐…するのかな?
私は初回でエンド1。
内容的にも良いエンドだったと思います。

物語が進むにつれて、クル子ちゃんがなぜこうなったのかが明らかになっていきますが…
…まあ、それへのコメントは控えましょう。


気になった方は、どうぞプレイしてみてください。
繊細で壊れやすくて、けれどその分、見たこともない輝きを魅せてくれる物語。
欝な話に耐性のある方におすすめです。