鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

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2016-04-25 14:33:52 | フリーゲーム(ホラー)
after…」 ホラー・逃げ避け・パズル
制作者:誰得・らくだ様(誰得・らくだのブログ


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なんかどっかで見た感じだな…と思ったら、
「怪封の廃墟」と「Pain」の作者様でした。
短編ながら、さすがの出来です。面白かった~

ざっくり粗筋はこんな感じ。

川に飛び込もうとしていた女性を助けようと手を伸ばした上野広は、
気が付けば見知らぬ世界にいた。
隣には、助けようとした女性…尾長明子が呆然としており、
二人は、おそらくここは死後の世界であると結論づける。
巻き込んでしまったと謝る明子を、それは仕方ないことだと広は許し、
とりあえず、ここから先へ進んでみようと提案する。
しかし、広の選んだ扉へ、なぜか明子は入れず、
二人は、別々なルートで合流地を求めて進むことになった。

見知らぬ誰かの記憶をたどりながら、先へ急ぐ二人を導く光り輝く人影と、
二人を阻み、襲う黒い人影。
果たして、二人の行く先は……? ちゃんちゃん♪

印象に残ったのは…顔グラがね…
最初っから最後まで、無表情、もしくは悲しげな顔で、すっごく暗いの。
これがライトノベルかジュブナイルだったら、
最後は「やや笑顔」で〆るとこだと思うんだよね。
けれど、この物語の内容を考えると、まだ笑えないことこそが、
起きた物事の重みや傷の深さを表してるようで、良い効果だなと思いましたです。

ストーリーも、基本設定に意外性があっていい感じでした。
「死後の世界」だけでも十分すぎるほど非日常感いっぱいなのに、
現実世界にまで、あんな非日常展開があろうとは…二段構えで驚かされた~

そのくせ、登場人物の名前とかは、徹底的に没個性なのもイイ。
実は今、プレイ終わってレビュー書こうとしたら、主人公達の名前が思いだせなかったり。
かえってその無個性さが、二人はどこにでもいる、ごくごく普通の男女で、
その身に起きた境遇は、他の誰の身にでも起こり得たこと…って感じがしました。

二人のたどる記憶が誰のものか、という種明かしとともに、
「輝く人影」について、プレイヤーが自然と察することができる組立てもウマかった。
最後に彼らの顔が見えた時、嬉しかったなぁ。

全体に、キャラ萌えとか、爽快アクションみたいな華やかさはないんですが、
喜怒哀楽が抑え目の演出と、淡々と語られる内容の重さは、映画っぽくて好きですね~

そうそう、ホラー好きなら、おまけページのピクチャー一覧は必見。
ゲーム中で一瞬だけ出てきてドキっとさせられた、
あの人とかあの人が、じっくり見られます。
リアルでめちゃ怖い! 素敵!w


マップはほぼ一本道で迷うことなく、エンディング分岐もなし。
ストーリーに集中して、すごく気楽にプレイできました。
クリアまでは、長くても二時間ってとこでしょうか?

「怪封の廃墟」はマップの広さで迷子になるし、
「Pain」は逃げイベの頻度が高くて、再プレイは悩んじゃうんですが~
これは、すごくプレイしやすかったですね!

ま、難しいゲームは達成感もひとしおなんですけど…
(迷いまくって怪封をクリアした時は感無量でした)
私もともと、ゲーム性よりシナリオ重視の人なので!

面白かったです。サックリ遊べてオススメですよー