たまたま買った週刊文春の表紙は
和田誠画伯の真黒な原爆ドームのイラストだった。
数えて74回目の原爆の日。
被爆者の平均年齢はすでに82歳である。
風化するにはあまりに鮮烈すぎる記憶ではあるが
否応なく風化していくのである。
ラジオで平和年式典の様子を聴いていた。
安倍首相の挨拶は例によって通り一遍の文言で
言葉に誠の欠片もなかったが
続いて登壇した清水広島市長の挨拶は短歌だった。
おかっぱの 頭から流るる 血しぶきに
妹抱きて 母は阿修羅に
五歳の時に被爆した東京在住の女性の和歌だった。
阿修羅の形相だった母の慟哭を
彼女は今でも忘れることが出来ないと言う。
30万人以上もの無辜の民が犠牲になった原爆の惨禍。
それでもなお核兵器は地上の現実である。
いや、核兵器廃絶への願いはむしろ後退している。
この日も北朝鮮の飛翔体が日本海に着弾。
松井市長は「核兵器禁止条約」への署名・批准を求めたが
安倍首相はそれには触れぬままだった。
核保有国と非保有国の橋渡し役に徹すると言うが
本当にその努力をしているのか?
私には単なる「詭弁」だと思えてならない。
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