まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

桜守・佐野藤右衛門

2018年03月28日 | 日記

桜前線が日本列島を北上中である。
煙草のパッケージにも桜が描かれる季節である。
猫も杓子も桜一色である。

このご時世にまだ煙草を吸っているなんて
非国民のそしりを免れない。
情けないとは思うが生来の意志薄弱者だから
どうしようもない。
キレイな桜を見るとついてい一服したいと思ってしまう。
冷たい缶ビールでもあれば最高だと思う。

この桜の下でも何度となく酒盛りをした。
ベロベロに酔っぱらってビールを頭からかぶったこともある。
京都は円山公園の枝垂れ桜だある。
学生時代を京都で過ごした私には忘れがたい「青春の桜」である。
この夜桜を見ながらデートをしたこともあった。
もう全ては茫々たる時の彼方であある。

  清水へ 祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢ふ人 みな美しき哉  (与謝野晶子)

あの晶子さんもこの枝垂れ桜に魅了された一人だった。

新聞で懐かしい顔を見た。
京都で代々園業を営む桜守・佐野藤右衛門氏である。
おお、ジイサンまだ生きていたのか!と思わず叫んでしまった。
もう何年前になるか思い出せないが
一日、仕事ぶりを密着取材し、インタビューを重ね、晩飯までご馳走になった。
女性スタッフにシモネタ連発の下品なジイサンだったが
桜によせる「執念」は並外れたものがあって
円山公園の枝垂れ桜を体を張って守り抜いているのもこのジイサンである。

この人の桜に対する見識と哲学はズバ抜けている。
日本の桜で自分で種から生える「実生」で育つ桜は
ヤマザクラとヒガンザクラ、オオシマザクラの三種類だけで
それを地域の人たちが大切に守って来たのが日本の「文化」だと言う。
樹齢300年、500年の桜はザラで
中には樹齢1000年の桜もあって一つとしておなじ花、同じ顔はないと言う。
それに対して人間がつくったのが「ソメイヨシノ」で
どれも同じ顔をして「面白い桜ではおまへんな」などと平気で言う。
全国各地にあるソメイヨシノの桜並木は
ほとんどが戦勝記念、国威発揚のために植えられた桜だそうで
軍国主義のイメージと重なるのはそのせいとか。
桜がとれだけキレイでも
戦争だけは二度とやらかしちゃあきませんな・・と桜守の気骨が覗く。
この桜の季節に90歳になるというジイサン。
まだまだ長生きして欲しいものである。

 


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