ハナミズキ

ハナミズキがもう満開です。
五月の花というイメージが強いのに
今年は季節が一気に前倒しといった感じですねえ。

大好きな花です。
この花を見ると気持ちがウキウキして来ます。
五月の薫風にそよいでいいる様子は
まさしく「涼やか」という言葉がピッタリです。
ただ、誰でもそうかもしれませんが
花にはいい思い出だけでなくせつない思い出もあるんですねえ。

まだ大阪で事務所をやっていた頃です。
ビルのすぐ横がちょうどハナミズキの並木道になっていて
毎日、それを見上げながら通勤したものです。
ハナミズキという名前を覚えたのもその頃だったと思います。
その後、さまざまな紆余曲折があって
結局、事務所は予期せぬ借金を抱えて倒産。
それがきっかけで自己破産、離婚と
まるでどんでん返しのように人生の苦境に立たされました。
まあ、ひとえに自らの不徳が原因ですが
この花を見ていると当時の「悔恨」がオーバーラップして
やりきれない気持ちになって来るんです。
ハイ、花に罪はありませんが・・・

私は白いハナミズキが好きですが
最近はピンクもいいなあと思うようになって来ました。
その後、私は「石を持て追われる」ごとく
大阪を捨てて東京に新天地を求めて来たのですが
東京にこれだけハナミズキの並木が多いとは知りませんでした。
いろいろ苦節があっても
後悔だらけの人生でも好きな花は好きなんですねえ。

　　　行き暮れて　六十路の惑い　花水木　　〈杉作〉