まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

O・ヘンリーを思う

2022年12月12日 | 日記

公園の紅葉もあらかた散ってしまって
寒々とした梢を冷たい風がヒューヒューと吹き抜けていく。
心の中も寒々と震え上がるようである。
そんな冬景色の中、奇跡のように残った葉っぱが一枚。
このオレンジは桜の紅葉だろうか。

最後の一葉か・・・まるでO・ヘンリーの世界だなあ。
独りごちながら、さて、どんな話だったなと懸命に記憶を引き寄せる。
確か中学校の教科書にも載っていたような・・・
重い病ですっかり生きる気力を失った主人公の女性は
古いアパートの窓から枯れかけた蔦(つた)の葉っぱを眺めながら
「この葉の最後の一枚が散る時が私の命が尽きる時」と
勝手に思い込んですでに死を覚悟た絶望の中にいる。
この話を聞いた同じアパートに住む老画家は
いつものように飲んだくれながら「バカバカしい」と軽蔑している。
ところがある夜、一晩中激しい風雨が吹き荒れ、ツタの葉はついに最後の一枚に。
これを見た老画家は俄然、老体にムチ打ってアパートの壁に登り
永遠に散らないツタの葉っぱを一晩で克明に描き上げてしまったのである。
これを見て感動した女性は再び生きる気力を取り戻し
逆に一晩中、風雨に打たれて絵を描き続けた老画家は肺炎で亡くなる・・・
と言うような話ではなかったかと思う。
多分これは「自己犠牲」の精神の尊さを描いたものだが
老画家のすさまじいまでの執念に感動した私は
まだ十代になったばかりの「ハナタレ小僧」であった。(笑)



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