まろの陽だまりブログ

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『勝手にしやがれ』

2022年09月14日 | 日記

ゴダール監督が亡くなった。
失礼ながらまだご存命だったのかと驚いた。
もちろん「ヌーベルバーグの巨匠」の名声は聞こえていたが
どちらかと言えば難解なムズカシ作品が多くて
映画本来のカタルシスが希薄で私には縁遠い監督だった。

ゴダールと言えはやはり『勝手にしやがれ』である。
街角で突然フィルムを回し始めたり、唐突なショットを重ねたり
主人公がなぜか意味不明の死を遂げたりと
とにかく理解不能なシーンばかりで大いに戸惑った。
同じヌーベルバーグでもトリュフォーの方が親しみがあった。
映画には「トーキー」と「カラー」という二大革命があったけれど
技術ではなく映画の文法そのものを変えてしまう衝撃があった。
学生時代の私はいっぱしの映画青年気取りで
大島渚や吉田喜重などヌーベルバーグ世代の監督のファンだったが
肝心のヌーベルバーグにはどうしてもついて行けず
正直「勝手にしやがれ!」という感じだった。
齢91歳とという長寿ではあったが
合法的な自殺ほう助という覚悟の死だったと言う。
商業映画を否定した人であはあったが
世界的な映画産業の衰退を見るに忍びなかったかも知れない。
もう「勝手にしやがれ」の心境だったのか。


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