【保田】夢のカレー

　房総半島の西側、木更津から館山へ向かう国道127号を走ると、保田駅の近くに、なんとも派手な看板を掲げたカレー屋さんがある。曰く「日本一うまい」「忘れられない味」という大胆なコピー。なんとも怪しげなお店だが、これが実際に美味いと評判を呼んでいるのが、この「夢のカレー」。チキンカレー、820円を。辛さは選択可能。
　店内は昭和の香り漂うレトロな食堂といった雰囲気で、時計や石油ストーブといった調度品は年季も入っているようだ。店に入ると、看板の大胆不敵な文句とは裏腹に、とても腰の低い老夫婦があたたかく迎えてくれる。

　カウンターに据えてあるテレビを観るともなしに眺めながらぼんやり待っていると、しばらくしてカレーはやってきた。ライスに添えられているのはサラダとしば漬け。
　カレーは、玉ねぎの甘味が効いた、若干サラサラとしつつもとろみのある欧風カレー。しかし、こういうカレーにありがちな、もたれるような感じがまったく無い。なんとも透明感のある味、それでいて、薄いというワケではなく、ちゃんと鶏肉の旨味もある。そこに載るはチリ系の突き刺さるような辛さ。
　添えられている玉ねぎのスライスを載せると、そのシャキシャキした歯ごたえと適度な辛味が、カレーにまた奥行きを与えてくれる。

　伺ったところによると、ご主人は今年で御歳80歳。それでも現役で、こんなカレーを作ってくれるなんて嬉しい限り。最近は体調がすぐれないらしく、閉店時間が早まることもあるそうだが、いつまでもお元気で！


「夢のカレー」（保田）
千葉県安房郡鋸南町元名1030
0470-55-1335
9:00～20:00
定休日：なし
★★★