Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

JAZZふうバッハ

2006-07-29 13:58:18 | 音楽療法
最近<JAZZ>に興味がある。

いわゆるJAZZの曲はよくわからないので、クラシックをJAZZアレンジした楽譜を購入したことは 数日前 (7月25日) に書いたばかり。そのとき聴いたバッハが衝撃的だったので、翌日早速ピアノで弾いてみる。《プレリュード第1番》 (この曲はハ長調で弾きやすいので、音大時代の和声の授業で全調で弾けるように訓練された曲。おかげで♯や♭が7つついても暗譜で弾ける、これは特技?)、リズム・テンポ・ハーモニーを変えてみると、アレンジとはまだほど遠いけれどそれなりに形になる。感動 

なぜJAZZ? 
それは認知症棟に毎月1週間ショートステイするAさんとの会話がきっかけ。Aさんは大学時代ジャズ研究会に所属、卒業後はジャズをテーマにラジオのディスクジョッキーとしても活躍したステキなジェントルマン。あるとき認知症フロアの個別セッションで、音楽好きなBさんにピアノを聴かせていたらAさんが現れた。日頃の問題行動からは考えられないほど顔つきもよく、落ち着いてピアノを聴いている。覚醒状態が悪く言語を持たないBさんにかわり、Aさんが「JAZZ弾いてよ」とリクエスト。

まさに「ジャ、ジャ、ジャズゥ?」の私。結局「正統派クラシックだったらまずバッハを弾いてみてよ」ということになり、とりあえずバッハならたくさん弾けるから・・・と弾き始める。そのうち「今弾いたところをこう弾いたら?」と次々ご意見がでてきて、「エッ、こう?」と弾いているうちに、「先生、ちょっとJAZZっぽくなってきたよ。でもまだまだ足りないから次回僕が来るまでに勉強しておいてよ」と。

そしてその<次回>が昨日から1週間。早速Aさんの個別セッションに出向く。「オッ、バッハの先生。少しはわかった?」と第一声。「ウーン、また教えてください」と言いながら、得意の《プレリュード第1番》を弾いてみる。

私のアレンジ。
楽譜に忠実にまず1回→リズムを付点にし、経過音や刺繍音をすばやくいれてアレンジ。ところどころダブルテンポにする(結構大変なスピードで指がからまる)、オクターブにするという横への流れ→そしてハーモニーを重ねるという縦の構造、最後の8小節は原曲を弾いて終結、いかが?

「先生、かなり学んだね」と拍手。「そう、ありがとう」と私。「JAZZは解放されなければだめ。大事なことは、クラシックのどこから飛んでまたどこに着地するかの頃合いだよね。でも僕はバッハ見直したよ」と言われて、ちょっと(ホントはかなり)嬉しかった。「《プレリュード第1番》はたくさんCDがでているから聴いてみたら? 聴くと<クラシック-ジャズ>のよさがわかる。今日の先生はまず基本の第一歩をクリアしたところかな」  そうか、基本の第一歩か・・・。

Aさんはいい顔をしていた。30分の予定が気がつくと1時間以上。そしていつの間にか聴衆が集まっていて最後は20人のセッションに。バッハなのに手拍子が入る不思議な空間だった。


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