Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

長崎の鐘

2007-08-09 20:47:55 | 音楽療法
今日は8月9日、長崎原爆の日。



今週の音楽療法では、<長崎の鐘> を歌っている。宗教・政治・思想は音楽療法セッションに持ち込まないことにしているが、8月は違う。社会派の私が前面にでて、反戦を声高に語る。誕生日が3日の私は、3の倍数で重なっていく6日・広島原爆の日、9日・長崎原爆の日、15日・敗戦の日(私たちは学校でそう教えられた、終戦の日)に運命的なものを感じている。

入所・一般棟でのセッション。原爆の話をし、最近読んで感動した漫画 『夕凪の街・桜の国』 のこと、はじめて広島の原爆資料館を見学した高校生の頃の衝撃や、長崎の教会に残されていた首の飛ばされたマリア像のこと、とんでもない「原爆投下はしょうがない」発言のこと・・・、平和を願う気持ちを率直に語った。そして最後に <長崎の鐘>

セッションが終了しゆっくり片付けていたら、Aさんが「先生、今日はありがとうございました」と声かけてくださった。「実は長崎で被爆しているんです。こんなふうに若い世代が覚えてくださり、僕は嬉しい。やはり語り継がなければいけない、平和を伝えなければいけないと思いました。今日ほど <長崎の鐘> に感動したことはありません」。Sさんは法律が専門の大学教授だった方、音楽大好きと聴いていたが、常に後列で淡々と出席されていた。そのSさんが「悲惨な現実です。原爆投下は大変なこと。僕ら学生は工場で働かされて原爆にあった。先生、今度ゆっくり話をしたい」と熱っぽく話された。「是非お願いします!」と私は頭を下げた。

そして午後のセッションでもう一人、「先生、私は広島で被爆したの。原爆手帳を持っているのよ」。そして「私は先生よりずっと年上で先も見えているけど、私より長生きしそうな先生は <長崎の鐘> を歌い続けてネ」とBさん。「しっかり了解。歌い続けるワ」と二人で手を合わせた。

最近は私よりもっともっと若い世代が、原爆を伝えようと活動している。広島・長崎だけではなく全国的に広がっているという。日本が戦争反対であることは、今回の自民党敗北選挙でも明らかになったはず。人の命が失われる戦いの多い世の中、平和を見つめて生きたいと思う。

今年の8月9日は、今までにない経験をした日だった。