Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

音楽療法日記

2006-02-16 20:42:18 | 音楽療法
認知症で要介護度4のしづさんと一緒に<アニーローリー>を歌った。日常は不可解な行動が多く意思疎通がむずかしい方だが、歌好きでよく一緒に歌っている。歌っている顔は女学生、目がキラキラ輝いて実に若々しい。いつも歌いながらの会話が弾んで楽しいひとときである。
今日は「北海道の女学校ではコーラス部でね・・・」とお話しているうちに気分も顔もどんどん若返り、童女のような表情になっていた。美しいソプラノで「わたくしが歌います。あなた(私のこと)はピアノをお弾きになって。わたくしがリードするからご心配なくついていらっしゃい」と、背筋をピーンと伸ばしてしっかりした声で歌われた。
オープンスペースの認知症フロア・談話室で歌っていたが、いつの間にか周りはお客様(?)でいっぱい。歌い終わる頃には立ち見もでるほどで、介護スタッフや看護師も「エッ、しづさんが歌っているの?」ととんできた。大拍手に当のしづさんは頬を赤らめて「まあ、恥ずかしい」と言ったが、「ではもう1曲歌います」と<ロンドンデリーの歌>を歌った。そして「ではご一緒に歌いましょう」と皆で<あかとんぼ>の大合唱。音楽療法士の私はでる幕なし、でも心から感動したひとときだった。