GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

南西の風

2014-06-12 20:18:05 | 天気

乾期にモンドルキリを吹き抜ける北東の風には「此処では生活できない」と思わせるものがありました。土埃を被った木々の葉を見るととても洗濯物を干す気にはなれず、家の中ですら隙間から容赦なく土埃が入って来ました。乾期のこの強風を利用しての風力発電は効果的と思えるのですが。雨期には小規模水力発電、乾期には風力発電てな具合には行かないものでしょうか?

雨期の始まりと共に東北からの季節風は止み、晴れれば洗濯日和の日々です。しかし、昨日きょうと雨と曇り空が多くて温度が上がらずにいます。夕方の水浴びにも慣れてきたものの昨日水浴びの前に温度計を見ると26度。少々ビビりましたが「此処では子供でも水浴びしているんだ・・・」と自らを奮い立たせてどうにか。

雨上がりの清々しさはモンドルキリは雨期こそが一番、などと思えるものの大量の雨が降ると家の前の道は丘から流れ下る雨水で川状態になってしまいます。

    

雨上がりを待って買い物に出かけると固い赤土の上はタイヤが滑るし、柔らかい所は泥濘でタイヤに泥がこびり付いてしまいます。ベトナム同様カンボジアでもバイクは夜になると家の中に置いて盗難対策とするのが常識化しているのですが、泥まみれのタイヤでは後で掃除が大変。そんな訳で昨日はバイクを外に出したままにしました。たぶん一日なら問題なさそう。しかし連続して外に出したままとなるとやはり不安なので、きょうは夕方になってから固い土の丘を暫く走って泥を落として来ました。

見晴らしの良い場所でバイクを止めるとワカケホンセイインコのけたたましい鳴き声が聞こえました。西日に照らされるとこの鳥の飛ぶ姿も鮮やかな緑色が新鮮に映ることもあります。しかし鳴き声はどうにも情緒がありません。深呼吸などして機能がめっきり衰えた肺に酸素を送り、辺りを見渡すと低い空を灰色の雲が次々に流れて行きました。風を背に受け、カメラを構えるとファインダーのコンパスは東北を差していました。乾期の風ほどではありませんが、それでもかなり強い南西からの風でした。周達観もカンボジアを去る時はこの風を帆に受けていたのでしょう。

帆船の時代ならこの時期に中国とベトナムの船が南シナ海で衝突を繰り返すなんてこともあり得ないことかも。中国の軍高官は「2000年前から中国の領土だ」と言ったそうですが、軍人の政治的発言は何処の国でもお粗末極まりないもののようです。

灰色の低い雲は次々と流れて行き、もっと上空にある白くて薄い雲は動かないままでした。