この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

今シーズンの指導員検定の傾向と対策

2013-02-04 22:16:41 | 指導員検定・研修

先週末は指導員検定受験生のサポート役として、東京都連の第2回養成講習会(養講)の会場である菅平高原に行ってきました。1月に行われた第1回の養講に引き続いての同行です。2回目の養講になると講師たるブロック技術員の間の着眼点もぶれが少なくなり、何を表現するべきか/何をやったらいけないのかが明確になってきます。

自然で楽なスキー(ハイブリッドスキーイング)の教程も今シーズンで2年目となりました。A単位として取り入れられた「谷回りの連続」の制動要素と推進要素の表現内容もかなり明確になってきた感じです。求められる要素は昨シーズンとほとんど同じですが、今シーズンはB単位とC単位にも自然で楽な要素が求められるようになったようです。以下、僕なりの理解をまとめます。

A単位(谷回り連続・制動要素)
両脚の長さが等しいニュートラルポジション→内股関節の屈曲→内スキーのダダ漏れ(谷方向への横ずれ)→山回りで外スキーのズレ(外脚従動)→内股関節を伸展して両脚の長さを揃えて明確なニュートラルを表現、という一連の運動連鎖をプルークスタンスにて明確に表現します。昨シーズンとほぼ同じ運動を行えばよいと思います。

これに加えて、準指班ではスタートの仕方、後ろ寄り(踵)荷重、などが注意点として強調されていました。準指検定は東京都連の検定員で行われるので、これらの注意点は必ず守る必要があります。

A単位(谷回り連続・推進要素)
両脚の長さが等しいニュートラルポジション→内股関節の屈曲→ダダ漏れは不要ですぐにターンに入ってよい→滑走性の良い外スキー→内股関節を伸展して両脚の長さが等しい腰高のニュートラル、という一連の運動連鎖をプルークスタンスにて表現します。昨シーズンと異なり、内股関節の屈曲のあとは長い谷回りを表現する必要はなくなり、すぐにターンに入っても良いようです。

準指班ではスタートの仕方、ワイドスタンスをキープ、前寄り(つま先)荷重、フィニッシュを山回りで終わらせること、などが注意点として強調されていました。

B単位(整地大回り)
昨シーズンからB単位でも「自然で楽」な運動要素を見るという話でしたが、相変わらず「うまけりゃ合格」だった印象がありました。しかし今シーズンは本気で自然で楽なる運動要素を見るということになった模様です。従って求められる運動要素を明確に表現して滑る必要があると思います。イメージとしてはA単位の推進種目をパラレルスタンスで行うという感じで滑れば良いと思います。

ポイントは(1)内股関節の屈曲からターンが始まること、(2)腰高のニュートラルゾーンを通過すること、の2点だと思います。上手さを見せようとして角から角へ切り替えたり、低いポジションでの切替は行わない方が無難の様子です。

B単位(整地小回り)
大回りと同様に、自然で楽な運動要素を見せる必要があります。(1)内股関節の屈曲からターンを始動させ、(2)外スキーで斜面をしっかり削って外脚従動を表現する、の2点が求められていると思います。イメージとしてはA単位の制動種目をパラレルスタンスでリズム良く行うという感じで滑れば良いと思います。

C単位(フリー滑走)
B単位大回り種目と同じ自然で楽な運動要素を見せながら、途中でリズム変化を明確に入れれば良いと思います。

C単位(不整地小回り)
コブ斜面の場合は相変わらず「うまけりゃ受かる」です(^^;)。ズレズレではなくある程度のターン弧を描きながら一定のリズムで落ちてこないとマルが出にくいと思います。ただの荒れた斜面の場合はB単位小回り種目の要領で、内股関節の屈曲で落下を誘発→外スキー従動という運動要素でリズム良く滑ればよいと思います。

D単位(理論)
理論学習のポイントは去年の受験記にまとめてありますのでご参照ください。

自然で楽な運動要素を全ての単位で見るというのが今シーズンの検定ポイント。「BC単位はうまけりゃ受かる」と言われ、スキーヤーとして技能やポテンシャルの高さによって合否が左右しがちだったこれまでと異なり、自然で楽なる運動要素を明確に表現出来れば多少シルエットが悪くても合格点が出る可能性が高くなったと思います。やるべきことを明確に演技すればよくなった分、むしろ対策は立てやすくなったのではないでしょうか。


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