夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

那須与一 伝承館

2017年06月15日 | 博物館・資料館

  那須与一伝承館(道の駅・那須与一の郷)

 

今日、6月15日は栃木県民の日。

県民の日は公共施設で無料の所がある。

那須与一伝承館は無料。 無料だから入館。

 

最初に扇の的劇場へ。

スクリーンへ映し出されたのは琵琶法師。

琵琶を奏でながら謳う。

《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。

おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。》

 

那須与一が扇の的へ向かって弓を引き、鏑矢を放つ。

海に舞い落ちる日の丸の扇。

琵琶法師は語る。 「波間に落ちる扇は平家滅亡を暗示する」と。

波間に漂う赤い幟。 平家は哀れ。

法師は謳う。

《たけき者も遂にはほろびぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。》

ベンベンベンと琵琶を鳴らして、幕となる。

 

展示室へ移る。

国の重要文化財、与一の太刀(複製)を観る。

本物は厳重に資料室へ保管してあるとのこと。

そりの大きい太刀だ。

馬上から片手で振り回し、敵の鎧の隙間を狙い、叩き切るという。

以前、機会があって太刀を持たせてもらったことがある。

ずいぶん重いものだ。

片手で振り回すには相当な体力がいる。

 

鎧兜は文献に沿って復元したものだ。

美しい形と色合い。 美術品のような武具だ。

 

屋島合戦図を観る。

美しく着飾った平家の女性が日の丸の扇を舳先に立て、射ってみよと挑発する。

射落とさんと波間に馬を進め、弓を引く与一。

 

しばし、源平時代の思いにふける。