イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ロックダウンの自宅の庭で夏の観光地の賑わいを思う、限定風味のアイスクリームと日英デザート考

2020年04月26日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
コーンウォールのアイスクリーム会社、ケリーズ・オブ・コーンウォール Kely's of Cornwall (略してケリーズ)のアイスクリーム、ピーチ・パーフェィpeach parfeit(パフェ)風味


バニラアイスクリームにピーチソースがリボン状に練り込こまれ、アーモンドのフレークが散らしてあります。

スーパーマーケットで販売されています。
通常価格950ml入りが3ポンド99ペンスは高めです。



セールになった時をねらって買います。私が大好きなものですから。
ケリーズのアイスクリームにはすべてコッテリ、ねっとりコクのあるクロッテット・クリーム clotted cream が使われています。

クロッテットクリームは牛乳を煮詰めてできた乳脂肪分を室温でゆっくり冷やしてかためた強烈に乳脂肪分の高いクリームです。
ジャムといっしょにスコーンに塗って食べられることが多いのです。

バニラ、ハニー、ソルテッドキャラメル、チョコレート、トフィー、ストロベリーなど定番の味はすべて買ってきて試してみました。

ピーチ・パーフェィ風味は「イギリスの味」期間限定シリーズらしいのです。

他にもあった「イギリスの味」。
数週間前にセインズベリーで見つけたチェリー・ベーカウェル・タート・リップル cherry Bakewell tart ripple風味


バニラアイスとチェリー・ソース、それに香ばしく炒って砕いたアーモンドの組み合わせ。

そして、ベリー・イートン・メス berry Eton mess 風味


ストロベリーソースと、砕いたメレンゲの組み合わせ。

ところで、パーフェィ=パフェは日本では本当にポピュラーですよね。
イチゴパフェ、抹茶パフェ、フルーツパフェなど種類も多彩、喫茶店やファミリーレストランの定番だったのをおぼえています。

イギリスではサマーフルーツ(ラズベリー、ブラックベリーなどの木イチゴ類とイチゴ)と、このピーチ・バラエティしか知られていません。
しかもレトロ好みなサマー・パーティや夏の海辺の昔ながらのティールームなどで供される限定デザートらしいのです。

(多くはずん胴の)グラスにすくったアイスクリームがいくつかゴロンゴロンと入っていて、すきまにラズベリーやきざんだ缶詰のモモ、砕いたナッツ類やシリアルなどじゃりじゃりしたものが詰めてあります。生クリームがのっていることもあるようです。
発祥国、アメリカでもほぼこれと同じ食べられ方をしています。

日本の「パフェ」とはかなり趣が違います。

息子二人(スペインに住む上の息子はシェフです)が「パーフェィなんてきいたこともない」といったのはともかく、60代の夫が名前は聞いたことがあるけどどんなものか知らない、といったのには驚きました。
私もイギリスで食べたことはありません。

グーグルして調べたところ、イギリスでパーフェイといえばもともと.....
①肉のパテ(!)
②クリームを卵白でかためた、かためのババロア(英語で Vabarian cream というそうです!イギリスで知っている人がいるとはとても思われません)のようなケーキ
....の2種類を意味するのだそうです!(夫はどちらもきいたこともない、と言っています)

もちろん今ではパーフェイといえば「アメリカ式」(これに倣ってアレンジが変わったのが日本のパフェなのでしょうね)のグラスに詰めたアイスクリームの層のことだと思う人がほとんどのようです。(それにしては知名度がさっぱりですが!!

日本でいう「パフェ」に一番近い,イギリスで食べられるものは「ニッカーボッカー・グローリー knickerbocker glory 」というへんてこりんな名前の(これもやっぱりTPO限定のレトロチックな!)デザートだとずっと思っていました。
海岸のリゾート地で食べたことがあります。
アイスクリームが入った日本のパフェ用のような円錐形に近い厚いガラスのグラスにチョコレートソースかキャラメル・ソースかラズベリーソースがたっぷり流し込んであります。生クリームやフルーツ、チョコレートや砂糖菓子の粒などがトッピングにのっていることもあるようです。
私が食べたのは3種類のアイスクリームにチョコレートソースのみのシンプルなアレンジでした。

ついでなので調べました!
ニッカーボッカー・グローリーは「パフェ」ではなく、アメリカや日本で「サンデー sandae」と呼んでいるものの一種なのだそうです!!
ソースがかかっているから???
日本の「パフェ」にもかかっていますよね!?

日本の「パフェ」は、イギリスでも食べられている本来のアメリカ式のものとは全くかけ離れた独自の、サンデーでもありパーフェイでもある、何でもあり式の無国籍デザートなのだと思います。
数年前帰国した時に「あんみつパフェ」を食べたことがあります。
パーフェィはフランス語だそうです。


チェリー・ベーカウェル・タートについて、実に何回も(それぞれ違う話題で)ストックポート日報で取り上げています!

以前の記事に載せた写真2点を転載します。




しっとりした、たっぷりのバターで練ったショート・ペイストリーの中に、アーモンドの粉をカスタードで練ってかためたフランジパンが2層になってぎっしりと詰まっています。
間にはラズベリージャム、上にはアイシング、てっぺんにのっているのはつやつやした真っ赤なグラッセ・チェリーという色彩がかわいく、甘さがどぎついだれもが知っている人気のケーキです。


最後に、イートン・メス

もともと名門パブリックスクール、イートン校で夏のクリケット試合の時に食べられていたデザートだそうです。
生クリームと、サマーフルーツ(特にイチゴ)と砕いてつぶしたメレンゲをぐちゃぐちゃにまぜたこれも夏限定のデザートです。

これまたレトロですが、自宅で簡単に作れそうですし、夏のパーティなどで出されることも多いそうなのですが、生クリームが苦手な私はまだ食べたことがありません。


ケリーズのアイスクリームはプラスチック容器(タブ)のデザインがかわいらしいのです。


プラスチックごみが世界的な問題になっている今、いつまでもプラスチックを使い続けるのはかなりアナクロニズムな姿勢だと非難する人もいるのでしょうね。

私の家では、もうすでに20個以上たまったケリーズのアイスクリーム・タブを捨てたことがありません。


フードコンテイナー(タッパー)がわりに重宝しています。
お弁当箱にも使えます。
残った料理や材料を入れてフタをパチンパチンとしめれば密閉性も抜群です。
積めて、重ねられてしかも冷凍も電子レンジもオッケーの、万能コンテイナーです。

ペンやビーズ手芸の材料などを収納するのにも役立っています。


ケリーズのアイスクリームはイギリス各地の観光地で専用のアイスクリームスタンドをしつらえて売られています。
上のウシのロゴをおぼえていてくださいね。

イギリスで見つけたら日本の皆様にぜひ食べていただきたいのです。
コッテリどっしりしたコクのあるクロッテッドクリームで作られたケリーズのアイスクリームはカロリーやコレステロールが気になる健康志向の日本人には驚きの味だと思います。

早くコロナウィルス感染拡大騒動がおさまってロックダウンが解除になり、イギリスの観光地に活気が戻ることを希望してやみません。








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