ピークディストリクトの古いマーケット・タウン、ベーカウェル Bekewell について ちょっと書きます。
車を駐車させてもらって(有料)、ついでにウシの競売まで見物させてもらった農業振興センターのすぐ裏側の川を渡ると、もうタウンセンターです。
橋の手すりには、橋が重さで落ちるんじゃないかと思うほどたくさんの錠前がすき間なく下がっていました。(上の写真)
ピークディストリクトの地味な町で恋人同士のロマンチックなおまじないを見かけて、ちょっとびっくり。
町の中心で適当に選んだパブで食事をしました。
レッド・ライオン Red Lion, イギリスの古い町にはたいていこの名前のついた古いパブがあります。
ガラガラです。
内装が昔のパブのレトロな雰囲気をよく残していて合格です。
階段を上がったところにある「レストラン」パートはファミリーレストランのように明るい雰囲気に改装されていて、ちょっと興ざめ。
エール&ステーキ・パイは最高においしかったです。
エール(イギリス伝統のビール)でじっくり煮込んだ地元産の牛肉は柔らかく、ホロホロ、トロトロでした。
オープン・マーケットが開催されている日でした。
農業振興センターから町に出る時に(おなかが空いていたので)ろくに見ずに通りすぎてきました。
写真も撮りませんでした。
家畜の競売日と「市の立つ日」は田舎のマーケット・タウンではセットになっているんですね。
昔から近辺の田舎から売り物の家畜を連れて町に出てきたお百姓さんが月に一度、町でお買い物をする日だったはずです。
どこに住んでいても 車でいつでも町に出てこられる今と違って、競売があり市の立つ日のかつての町やパブは今と比較にならないほどにぎわったことでしょう。
私がウェッブサイトで見て、行ってみたいと思ったのは古い教会です。
坂だらけの町の丘の中ほどにある、オール・セインツ・チャーチ All Saint's Church 。
驚きのアングロ・サクソン時代(5世紀初めから1066年まで)の建築!!第一級保存指定建築!!!
あー、…といっても、12世紀から13世紀にかけて建て替えられています。それでも充分古い!
境内からの眺めが絶品です。
ノルマン時代(1240年ごろ)の建築がほぼ完ぺきに残っている内陣と側廊だそうですがけっこう新しく見えました。
ステンド・グラスと床のタイルはすべて19世紀に作り替えられた「新品」です。
入り口付近にアングロサクソン時代の石の建物部分が雑に展示されていました。
19世紀に部分的に立て直したときに発掘した遺物の一部だそうです。
境内に雨ざらしで立っている文化財、アングロサクソン時代(800年ごろ)の十字架の上の部分。
うずまき模様はキリスト教関係の古い装飾では おなじみの ブドウの蔓ですが、その上の得体のしれない動物はブドウを食べているリスだとか。
しっぽが違う!いや、身体も、何もかも!!ピューマかと思った....
古代の(キリスト教以前の)宗教ではリスは神と人間世界を結ぶお使いとされていたそうです。
ちょん切れている上の部分はウマにのる神だということ.....いいのかなぁ、キリスト教の神様はウマになんかのらないと思うのですが。
第一、人間の姿なんかしていてはいけないはずです。とにかくいろいろ罰当たり。
この辺り(個人の礼拝堂=チャペル)は19世紀の増築部分のようですが、古そうな(14世紀の有名な戦いで戦死した地元の英雄らしいです)騎士夫婦の石棺とか.....
(夫を挟んで妻二人!最初の奥さんが亡くなって再婚したみたいですね)
教会に多額の寄付をしたパトロン(寄進者)が一家総出でレリーフ像として善行をひけらかしている壁面がありました。
16世紀ごろの人達みたいです。
このタイプのパトロンと家族モニュメントはヨーロッパ中の教会に残っているらしいのですが実物を見たのは初めてです。
中段左端には自分では立っているのが無理そうな赤ちゃんまで台の上に立っていることにして参加しています。
この、小さい窓から教会の礼拝に参加している1376年の大理石の肖像彫刻はものすごく貴重なものだそうです。
この時代に各地でたくさん作られたものの一つらしいのですが現存しているのはヨーロッパ中でこれとほかに一つあるのみ、だとか。
以上、教会内に置いてあったパンフレットを読んで判別したにわか知識です。
さて、ベーカウェルといえば......
イギリス中に名前の知られたベーカウェル・タート Bakewell tart!
ストックポート日報 でも2回取り上げました。(リンクは一番下に貼りました)
ベーカウェルが実際に発祥地として知られているのは実はベーカウェイ・タート ではなく、この☟ベーカウェル・プディング Bakewell pudding なのです。
よそのベーカリーのウェッブサイトから勝手に借りた写真です☝
おなじみ大手ケーキ/製菓会社ミスター・キップリング社が売り出して大人気のベーカウェル・タートは全くの別物なのですが、プディングと同様 アーモンドのペーストが使われているので、ベーカウェルの名前が付いた、というのが定説らしいのです。
ベーカウェルの表通りで....「本家」をなのるベーカウェル・プディングの専門店もすでに閉まっていました(売り切れ次第 閉める店はけっこうたくさんあります)ので、タートとプディングどちらも売っている他のティールームを探しました。
最初にウシの競売なんか見ていたせいで教会から町の中心に下りてきたころは4時過ぎ、どこも閉まりかけていました。
(町中、店じまいが早いですね。まだ日は高く、マーケットの日だったこともあり、町には観光客や買い物客がまだ大勢歩いていたのですが)
ベーカウェル・タートを看板にあげるティールームが開いていたので入りました。
ところが 奥のティールームの部分は閉店準備中。掃除を始めていましたが表のベーカリー(パイ売り場)はまだ営業中でした。
ベーカウェルで売られている「本場の」ベーカウェル・タート、中型(3~4人分)が4ポンド70ペンス (651 円)はかなり高いですね。
それでも記念に買いました!
アーモンドの香りたっぷりのフランジパンにかぶせた真っ白なアイシング、その上に真っ赤なグラッセ・チェリーが載った色鮮やかなかわいいイメージがベーカウェル・タートとして現在よく知られています。
ところが実は、ベーカウェル・タートといえば昔から アーモンドの粉、あるいはフレークをたっぷり上に散らして焼き上げたパイ/タートのことなのです。
食べたことのない「プディング」ではなく「タート」を買ったのは息子の大好物だからです。
息子が好きなアイシングのかわいいバージョンではなく、アーモンドのフレーク散らしバージョンを買ったのは昔からある懐かしの本格派を息子に食べさせたいと夫が言ったから。
びっくりするほどおいしかったのです!
甘くてくどいのは予想通り....香ばしいアーモンドのサクサクした舌触りとしっとりさっくりした厚いパイ皮の組み合わせが絶妙でした。
7ポンド出して大きいのを買ってくればよかったと思ったほどです。
次に競売見物に行った時、また買ってくる約束を息子としました。
かわいい!イギリス伝統の焼き菓子、新シリーズ化決定!
人気のお菓子、ベーカウェル・タート、チェリーがあるとかわいさ倍増、限定販売入浴剤もあり
、
車を駐車させてもらって(有料)、ついでにウシの競売まで見物させてもらった農業振興センターのすぐ裏側の川を渡ると、もうタウンセンターです。
橋の手すりには、橋が重さで落ちるんじゃないかと思うほどたくさんの錠前がすき間なく下がっていました。(上の写真)
ピークディストリクトの地味な町で恋人同士のロマンチックなおまじないを見かけて、ちょっとびっくり。
町の中心で適当に選んだパブで食事をしました。
レッド・ライオン Red Lion, イギリスの古い町にはたいていこの名前のついた古いパブがあります。
ガラガラです。
内装が昔のパブのレトロな雰囲気をよく残していて合格です。
階段を上がったところにある「レストラン」パートはファミリーレストランのように明るい雰囲気に改装されていて、ちょっと興ざめ。
エール&ステーキ・パイは最高においしかったです。
エール(イギリス伝統のビール)でじっくり煮込んだ地元産の牛肉は柔らかく、ホロホロ、トロトロでした。
オープン・マーケットが開催されている日でした。
農業振興センターから町に出る時に(おなかが空いていたので)ろくに見ずに通りすぎてきました。
写真も撮りませんでした。
家畜の競売日と「市の立つ日」は田舎のマーケット・タウンではセットになっているんですね。
昔から近辺の田舎から売り物の家畜を連れて町に出てきたお百姓さんが月に一度、町でお買い物をする日だったはずです。
どこに住んでいても 車でいつでも町に出てこられる今と違って、競売があり市の立つ日のかつての町やパブは今と比較にならないほどにぎわったことでしょう。
私がウェッブサイトで見て、行ってみたいと思ったのは古い教会です。
坂だらけの町の丘の中ほどにある、オール・セインツ・チャーチ All Saint's Church 。
驚きのアングロ・サクソン時代(5世紀初めから1066年まで)の建築!!第一級保存指定建築!!!
あー、…といっても、12世紀から13世紀にかけて建て替えられています。それでも充分古い!
境内からの眺めが絶品です。
ノルマン時代(1240年ごろ)の建築がほぼ完ぺきに残っている内陣と側廊だそうですがけっこう新しく見えました。
ステンド・グラスと床のタイルはすべて19世紀に作り替えられた「新品」です。
入り口付近にアングロサクソン時代の石の建物部分が雑に展示されていました。
19世紀に部分的に立て直したときに発掘した遺物の一部だそうです。
境内に雨ざらしで立っている文化財、アングロサクソン時代(800年ごろ)の十字架の上の部分。
うずまき模様はキリスト教関係の古い装飾では おなじみの ブドウの蔓ですが、その上の得体のしれない動物はブドウを食べているリスだとか。
しっぽが違う!いや、身体も、何もかも!!ピューマかと思った....
古代の(キリスト教以前の)宗教ではリスは神と人間世界を結ぶお使いとされていたそうです。
ちょん切れている上の部分はウマにのる神だということ.....いいのかなぁ、キリスト教の神様はウマになんかのらないと思うのですが。
第一、人間の姿なんかしていてはいけないはずです。とにかくいろいろ罰当たり。
この辺り(個人の礼拝堂=チャペル)は19世紀の増築部分のようですが、古そうな(14世紀の有名な戦いで戦死した地元の英雄らしいです)騎士夫婦の石棺とか.....
(夫を挟んで妻二人!最初の奥さんが亡くなって再婚したみたいですね)
教会に多額の寄付をしたパトロン(寄進者)が一家総出でレリーフ像として善行をひけらかしている壁面がありました。
16世紀ごろの人達みたいです。
このタイプのパトロンと家族モニュメントはヨーロッパ中の教会に残っているらしいのですが実物を見たのは初めてです。
中段左端には自分では立っているのが無理そうな赤ちゃんまで台の上に立っていることにして参加しています。
この、小さい窓から教会の礼拝に参加している1376年の大理石の肖像彫刻はものすごく貴重なものだそうです。
この時代に各地でたくさん作られたものの一つらしいのですが現存しているのはヨーロッパ中でこれとほかに一つあるのみ、だとか。
以上、教会内に置いてあったパンフレットを読んで判別したにわか知識です。
さて、ベーカウェルといえば......
イギリス中に名前の知られたベーカウェル・タート Bakewell tart!
ストックポート日報 でも2回取り上げました。(リンクは一番下に貼りました)
ベーカウェルが実際に発祥地として知られているのは実はベーカウェイ・タート ではなく、この☟ベーカウェル・プディング Bakewell pudding なのです。
よそのベーカリーのウェッブサイトから勝手に借りた写真です☝
おなじみ大手ケーキ/製菓会社ミスター・キップリング社が売り出して大人気のベーカウェル・タートは全くの別物なのですが、プディングと同様 アーモンドのペーストが使われているので、ベーカウェルの名前が付いた、というのが定説らしいのです。
ベーカウェルの表通りで....「本家」をなのるベーカウェル・プディングの専門店もすでに閉まっていました(売り切れ次第 閉める店はけっこうたくさんあります)ので、タートとプディングどちらも売っている他のティールームを探しました。
最初にウシの競売なんか見ていたせいで教会から町の中心に下りてきたころは4時過ぎ、どこも閉まりかけていました。
(町中、店じまいが早いですね。まだ日は高く、マーケットの日だったこともあり、町には観光客や買い物客がまだ大勢歩いていたのですが)
ベーカウェル・タートを看板にあげるティールームが開いていたので入りました。
ところが 奥のティールームの部分は閉店準備中。掃除を始めていましたが表のベーカリー(パイ売り場)はまだ営業中でした。
ベーカウェルで売られている「本場の」ベーカウェル・タート、中型(3~4人分)が4ポンド70ペンス (651 円)はかなり高いですね。
それでも記念に買いました!
アーモンドの香りたっぷりのフランジパンにかぶせた真っ白なアイシング、その上に真っ赤なグラッセ・チェリーが載った色鮮やかなかわいいイメージがベーカウェル・タートとして現在よく知られています。
ところが実は、ベーカウェル・タートといえば昔から アーモンドの粉、あるいはフレークをたっぷり上に散らして焼き上げたパイ/タートのことなのです。
食べたことのない「プディング」ではなく「タート」を買ったのは息子の大好物だからです。
息子が好きなアイシングのかわいいバージョンではなく、アーモンドのフレーク散らしバージョンを買ったのは昔からある懐かしの本格派を息子に食べさせたいと夫が言ったから。
びっくりするほどおいしかったのです!
甘くてくどいのは予想通り....香ばしいアーモンドのサクサクした舌触りとしっとりさっくりした厚いパイ皮の組み合わせが絶妙でした。
7ポンド出して大きいのを買ってくればよかったと思ったほどです。
次に競売見物に行った時、また買ってくる約束を息子としました。
かわいい!イギリス伝統の焼き菓子、新シリーズ化決定!
人気のお菓子、ベーカウェル・タート、チェリーがあるとかわいさ倍増、限定販売入浴剤もあり
、
イギリスは全国的にここ数週間 春どころか初夏日和。
この日は気温は高くなかったものの好天で町を歩く人たちの幾人かはショーツに袖なしでした!
そんなに暑くなくても陽が照れば肌を出す!鳥肌がたっても陽に肌を晒す機会を決して逃がさない人が多いのです。
私はこの日半袖のうえにティーシャツ素材のカーディガンでした。坂を上りおりして汗をかきました。
ポテトは新ジャガです。
チップス(太めの短冊切りフライ)かマッシュかボイルが選べます。
ちなみにイギリスでは大きなポテトを切って茹でるってことをしないようです。私はしますが。
茹でるのは小さな新ジャガのみ。
食べ物は美味しそうですねー。ディッシュに添えるおいもは皮付きなんですね。茹でてあるようにみえます。
奥深いですね〜