イングランドの典型的な田園風景が楽しめるピーク・ディストリクト国立公園Peak district National Park、マンチェスター(とシェフィールド)から電車で行けるイーデル Edale の日帰り散策コースの提案、続きです。
農場の中央あたりから右に降りる緩やかな坂道の両側には、ドライストーン・ウォール drystone wall で囲われたヒツジの放牧場があります。
ドライストーン・ウォールの高低はさまざま。
基本的にはセメントもモルタルも使われず平たい石が積んであるだけのドライストーン・ウォール、高く積みすぎると崩れそうで怖いですね。その実、しっかりと組んであるらしく、めったなことでは崩れません。
見たかった、ヒツジの親子!
今回、じっくりヒツジが見られたのは道の右側のこの放牧場だけでした。頭数もあまり多くありません。
親ヒツジたちはみんな涼し気な夏の装いでした。暑苦しいウールのもこもこフリース(ヒツジの被毛)を刈り取られ、ガリガリの丸刈りです。
ヒツジを見る機会があまりない日本の皆様には見慣れない姿なのではないでしょうか。
また少し歩くと、下を電車が走る鉄道の線路の上に出ます。
ストックポート、マンチェスター方面はこの方向です。☟
シェフィールド方面に向かって☟
線路をすぎてちょっと歩くと道路につきあたります。
イーデルと、ピーク・ディストリクト有数の観光地、カースルトン Casleton の隣町のホープ Hope を結ぶ イーデル・ロードEdale Road です。この日は交通量も少なく静かでした。
道路に出てイーデルの駅と村のある右に歩くと右側にすぐ、古いコテージの廃墟がみえます。
10年ぐらい前に初めて見て以来、いつ行ってもそのまま。趣きのある景観のー部として保存されている...なんてことはないと思いますが。
古いコテージの修復などに重宝する古い建材の石はとても価値があるようです。誰も持って行かないのが不思議だと夫はいつも言っています。
5分ほど道路を歩くと右側に、また放牧場に戻る「パブリック・フットパス public footpath (農地や草地を通り抜ける歩行者の通行が許可された小道)」の入り口があります。
(参考までに...道路の左側には渓谷に下り丘陵地を登ってピークの頂上を経てカースルトンを目指すちょっとキツそうなコースへの入り口があります☟)
入り口には、道路沿いと少し奥に2つの木の扉があります。かなり厳重な、放牧動物を逃がさない工夫です。
以前来た時はたくさんのヒツジが放牧されていたのに今回はカラッポ。草ボーボーの放牧地を通り抜け、下りてきた坂道とほぼ平行のフットパスを歩き...
道路に出る前にその上を通った線路の、今度は下を通ります。
線路の下をくぐったところで、お昼のサンドウィッチを食べました。
フットパスの左側にある、イーデル近辺ではおなじみ平たい岩が2枚互い違いにならぶ「スクイーズ・スタイル squeeze stile」(加えてもう1枚!)と木の扉のセットのまたまた厳重なスタイルを通ってとなりの放牧地に出ます。
夫は必ず先に立って木の扉を開けて私を通し、また扉を閉めてくれます。ジェントルマンとしてふるまっているわけではなく、開けた人が同行の人を通してから責任をもって閉めるという、ハイカーのルールです。
農地(放牧地)の所有者が厚意でパブリック・フットパスとして開放してくれているのですからルールを守って通行しなければなりません。動物を囲い込む柵の出入り口を閉め忘れるのは重篤なマナー違反のひとつです。
まあ、たとえヒツジが短い後ろ脚で直立歩行できたとしても岩の板2枚の狭いすき間をスルッと抜けて脱出するのはぜったいに不可能でしょうけど。
決められたルートを踏み外してはいけないのも大切なルールのひとつです。
草地を横切る道なき道の「フットパス」には人が歩いて踏み固めた道ができています。
次の牧草地も草ボーボー、ヒツジは仕事をしているのか?!
牧羊農家はそれぞれいくつかの囲い込まれた牧草地を所有しています。ひとつの放牧地にー定期間ヒツジの群れを放ちその地の草があらかた食べつくされた頃、また別の放牧地に群れを移動させます。その場所の草も食べつくされたら、草がすっかり伸び戻っている元の場所にもどす...というローテーションを夏のあいだくりかえします。
続きます。
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