イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

消費者の心をつかむため環境に良いことに切り替えていく、スーパーマーケットの新しい戦略

2024年09月13日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

1ヶ月以上前に撮った写真です。

ちょっと高級志向のスーパーマーケット、セインズベリー Sainsbury's で買ったサザンフライド・チキン Southern Fried Chiken の「半出来合い」製品です。スパイス入りの砂粒のように細かいパン粉のコロモがついていて、オーブンで焼くか油で揚げればシャリっと仕上がる鶏の胸肉です。

ケンタッキー・フライドチキンに代表される合衆国南部の郷土料理で、日本だと「唐揚げ」に匹敵するほどの人気で、コンビニエンスストアやサンドイッチ屋などでも売られています。

....いえ、今回のテーマは食べ物紹介ではありません。

茶色い厚紙の容器(紙の食品トレイ)に注目です!

プラスチックごみが世界的な社会問題になってずいぶん経ちますよね。紙の食品トレイが今までなかったのが不思議なくらいです。

 

別の日に庶民的なスーパーマーケット、アスダ Asda の店頭で撮ったサザン・フライド・チキンです。

あ、これは「胸肉 chiken breast 」ではなく「ミニ・フィレット mini fillet (細長いフィレ肉)」でした。

アスダのはおなじみのプラスチックのトレイ tray に入っています。

...ここ5~6年でしょう、多くのスーパーマーケットのプラスチックのトレイが、がっしりした硬い素材からカシャカシャした手触りの薄い素材に替わってきているようです。それでもやっぱり、先進国ではリサイクルが思うようにいかないと言われているプラスチックの容器入り。

別のスーパーマーケット、ドイツ資本の国際チェーン、リドル Liddle で買ったぺちゃんこモモ。

硬いプラスチック容器に入れられて売られていました。ちなみに、深いものはフランス語のカゴ(パニエェ)からパニエット paniet と呼ばれます。

セインズベリーはたぶん「意識高い系」の人がメインターゲットの客層なのでしょう。リサイクルがたやすく、簡単に分解する紙製の容器に少しずつ切り替えていくようです。

火曜日に久しぶりに行った大型店舗セインズベリーでは、もう半分ぐらいの生鮮食品が紙のトレイに入って売られていました。ジャガイモ、タマネギなどのゴロゴロ野菜は以前と変わらず「ビニール袋(英語でplastic bag といいます、後述)」入り。

1カ月前にチキンを買った時は、肉サカナほぼすべてと、野菜果物の10%ぐらいが紙皿入りだったような印象でした。

ー度にビシッと100%紙容器にきりかえられないのは、生産者のもとにまだプラスチック容器が残っているから...かな?エコロジー路線に切り替えたため、まだ残っているプラスチック容器を大量に廃棄したりしたらそれこそ環境に気遣う消費者の大反発を買いそうです。

庶民的な客層の比較的お手頃な価格のスーパーマーケットは対応が遅そうです。

ここストックポートを含む英国の多くの自治体ではスーパーマーケットの食品トレイはリサイクル対象外です。プラスチックの牛乳ボトルやドリンク、ケチャップなどの調味料入りのボトル類などが対象の、市が3~4週毎に回収する「プラスチック・リサイクル」ゴミ箱に入れられません。ー般ごみとして焼却されるようです。

「プラスチック・リサイクル」として回収されたボトル類はボトルの材料として再利用できれば理想なのでしょうが、なかなか難しいようです。コストがかかっちゃうようですから。そのかわり、プラスチックボトルを材料に作ったポリエステル衣料やランニングシューズ、ー体成型の椅子などが環境に気遣う人たちの人気を集めているようです。SNSのリールなどで制作過程の動画をよく見かけます。

 

...10年ほど前に、工業製品に再利用する名目で多数の先進国からひきとった大量のプラスチックボトルを中国が海に廃棄していて大問題になりました。

プラスチックのリサイクルってやはり採算に合わないので引き取り手数料を受け取ったものの、ゴミを押し付けられた中国はやっぱりいらなくなったのでしょう。

採算が取れるようなリサイクル・システムを整備するより、プラスチックごみを徹底的に減らす方が手っ取り早いそうです。調べてみたら、紙トレイに切り替えたのはセインズベリーだけではありませんでした。

大型店舗のセインズベリーに...

「やわらかいプラスチック flexible plastic」... 要するに日本で言う「ビニール」をリサイクルするための回収箱が設置されていました。ありとあらゆる、使い捨ての「ビニール」袋やシートや容器や包み紙を回収しているようです。梱包用のプッチンプッチン(バブル・ラップ bubble wrap)まで!

びっくり!...できるんだ。

ずっとー般ごみでしかなかった大量の「ビニール」類の廃棄をやめて、土壌や海洋に紛れ込まず焼却する際の有害ガスも削減されたら...すごい進歩です!

スーパーマーケットが販売している自社ブランドの、多くは店内で焼き上げているパンを包むシャリシャリした薄いフィルムや、レタスやブロッコリーを包むクリング・フィルム cling film (=サランラップ)みたいな「やわらかいプラスチック」はリサイクルできないようです。

薄いフィルムは土壌に還元できるし、サランラップみたいなのは焼却するしかないようですから。

ゴミを減らす工夫や、リサイクルに関してまだまだ書きたいことがあるのですが、長くなるのでまたいずれ...

 

ぺちゃんこモモを土嚢のように積んでみました。

皮のまままん中のへこんだところを親指と人差し指でつまんでパクっとかぶりつき、くるっと回しながら3,4口で食べられる小さなモモです。

 

 

 

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病院に付き添い、問題山積みの英国の医療制度を再評価

2024年09月11日 07時28分10秒 | 英国の、生活のひとコマ

娘がレントゲン(X-ray)を撮るためにストックポート唯ーの病院、ステッピングヒル・ホスピタルに行きました。(近所です)

「レントゲン科」の表示サインがあまりにもかわいかったので写真を撮りました。

呼吸が浅いという娘が、かかりつけ診療所 GP's surgery の「ー般医 general practicioner=GP」による「電話診療 phone call consultation 」を受けた際、「いつでもレントゲン撮影をしてもらえるよう手配しておくからできるだけ早く行って来て」と言われました。その翌々日に、レントゲン科の受付で見せれば予約なしでレントゲン撮影が受けられるGPからの手紙が送られてきました。

診療所まで出向く「対面診療」は予約待ちがありますが、「電話診療」は受付後いつでも電話が取れるように待機していれば数時間でGPと話せるのが普通です。

全てのサービスが原則無料の「国家医療サービス National Health Service =NHS」の破綻が指摘されて久しい今、労働党新政権の最強最大の公約が「NHS の建て直し」!!

...手術や処置の待ち時間が長すぎる、医療従事者の待遇が悪すぎてストライキが頻発などなど、労働党の新政権が立ち向かう課題は多すぎです。

成人した娘に付き添いは不要ですが、病院内の構造は複雑で「X-ray A」なる科を探し当てるのは特性のある娘にはー大事だと私が勝手に判断して待合い室までついていきました。

...案内表示がわかりやすく、「X-ray A」は簡単に見つかりましたし、受付後10分も待たずに撮影してもらえました。結果はGPから直接の連絡待ちです。

...手際よさと処置の早さにびっくり。踊るホネホネトリオのかわいらしさとともに、まだまだ捨てたものではないNHSのサービスを高く評価します。

4年前と今年の3月に書いたストックポート日報の記事リンクです☟☟...

選択肢がほぼ皆無、すべての人が恩恵にあずかれる世界に誇るイギリスの無料医療制度

優先順位を上げるコツ? 大したことのない腰痛で国家医療制のありがたさを満喫

英国の医療制度について、わかりやすく解説しています。

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これで3回目、最近の夫家族の結婚式と英国の結婚式次第

2024年09月03日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

先週末、(1週間前です)夫の妹の結婚式に出席しました。

シビル・セレモニー civil ceremony 、あるいは登記結婚式 registry wedding とも呼ばれる、市の結婚登記所の係官がとりおこなう宗教色抜きの結婚を法的に承認する手短かな儀式です。

ここ2年間で2人の姪につづいて3回目の、夫の親族のシビル・セレモニー挙式です。

儀式は宿泊したロイヤル・ウートン・バセットから6㎞ほど離れたマームスベリー Malmsburry 郊外の、イベント会場のような場所でとりおこなわれました。マームスベリーは、コッツウォルズの市場町です。

12世紀建造の古い僧院に隣接した、築後300年は経っていそうなこの建物は内装全体がサファリのテーマで統一されていました。

動物の頭部のはく製(トロフィー=狩りの獲物)を模したリアルなぬいぐるみの頭部がところどころ壁を飾っていました。(大はしゃぎでいっしょに記念撮影をした私と娘がうつっているのでお見せできません)

併設のバーでは黒白のサルが電球を手に持っていました。もと中庭だったらしいこの場所にはガラスで覆われた不気味な古井戸もありました。

 

「写真のSNS投稿は明日の朝までお控えください」という主催者からのお願いは、2人の姪の結婚式の時とおなじです。昨今のエチケットのようです。「花嫁より先に不特定多数の人が挙式写真を見るのはよくないからだ」そうです。

「儀式の途中の撮影はご遠慮ください」はもちろん常識です。立ってパチパチは失礼ですものね。(雇われたプロの写真家がー部始終を撮影していました)

それとは別に気がついたことがあります。「この結婚に異議のある人は今、申し出てください」という、決まり文句の恒例のステージをクリアした時点で、「ハイ、写真撮っていいですよ」と言われました。

シャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」では、ロチェスター氏が結婚していることをわざわざジャマイカからやってきた妻の弟が教会でぶちかまして結婚が中止になりましたよね。...結婚の遂行に万がーにもジャマが入る可能性が完全になくなるまで待って、ということもあるのでしょう。

英国では、日本のように「籍だけ入れる」書類結婚はあり得ません。式の予約後、結婚の「告知 Giving Notice」をー定期間登記所 registry office /教会の壁に貼りだし、式当日は登記所/教会で証人2人をたてて係官/牧師の前で宣誓、署名しなければ婚姻は成り立ちません。

「重婚」防止の意味があるのでしょう。どこに住んでいても婚姻、離婚が必ず戸籍にさかのぼって記載される日本と違って、英国では登記所や教会を別の場所/宗派等にしさえすれば「重婚」できるようです。

新郎新婦は50代と40代の再婚どうしでしたが、三つ揃いの礼服とセリーヌ・ディオンがステージで着るようなゴージャスなオフ・ホワイトのロングドレスで華やかでした。

夫の弟(花嫁の兄)と未婚のパートナーと彼らの十代の息子と娘はバカンスっぽい普段着でした。(イヌも連れてきてたし!)

男性の招待客の多くはスーツ、女性は華やかなお出かけの装いです。

写真撮影のために移動した庭園です☟。奥に見えるのが式場です。

夫は冠婚葬祭に着まわしている濃い青のスーツで、長兄として17歳下の妹を式場にエスコートする「花嫁の父」の役をつとめました。私は同じメンバーが多数同席する3回の親戚の挙式用に3着の違うワンピースを購入しています。すべて15ポンド前後(3,000円以下)のチャリティショップの古着ですが!

ドレスコードはかなりゆるいです。

 

先をクルリンと巻き上げた口ひげに、ウェストコート(チョッキ)がついた三つ揃いスーツの、名探偵ポアロのような身なりのロンドン紳士は、ブライドメイド(花嫁の介添え)のご主人です。

ステッキと、ウェストコートのボタンに銀鎖でつないだ銀の懐中時計、口ひげを整えるためのワックスと、口ひげがドリンクで濡れないようグラスのふちに載せるシリコン製のムスタッシュ・ガードを常時携帯しています。老眼鏡も鼻に掛けるツルのない鼻眼鏡でした。タバコを吸わないにもかかわらず、便利なので持っているという葉巻用のナイフも見せてくれました。

外出時はいつもこの服装だそうです。

冬はボーラーハット、夏はパナマ帽をかぶり、襟に生花のバラもつけたこの服装でロンドンにお買い物などに出かけて浴びる観光客の視線がうれしいそうです。京都の舞妓さんのようなことを自主的にやっているようですね。「日本人の若い女性グループにバッキンガム宮殿に行く道を聞かれ、連れて行ってあげたらいっぱい写真を撮られた」と嬉しそうに話していました。

 

式の終了後、シャンパンで乾杯したあと場所をマームスベリー・アビー Malmsburry Abbey 横の夏の終わりの花壇が美しい庭園に移しました。記念写真を撮るためです。

 

 

マームスベリー・アビーは12世紀建造の僧院です。第ー級保存指定建築、アルフレッド大王の息子、アゼルスタン(初のイングランド統ー王)が埋葬されていることで知られます。見学できなくてちょっと残念。

本来この庭園で式を挙げる予定だったのが、登記所の係官に出張してきてもらう手続きが不備で、となりのイベント会場(公式の登記出張所)に式場を変更したそうです。

夫は、花嫁のエスコートの時に襟につけられた生花のバラがじゃまなので式後、捨てたがっていましたが「写真撮影終了までつけておくように」と私が厳命しました。...その実、なぜか出席者の集合写真撮影はありませんでした。

バラは結局胸ポケットに入れて持ち帰り、滞在先のホテルで捨てました。

この庭園で、新郎新婦がプロのカメラマンにいろいろなポーズで写真を撮られていました。私たちはそれを見つつ、庭園と歓談を楽しみました。(出席者の記念撮影がなかった理由は、今もって謎です)

もちろん、各自でバシバシと撮りまくったカップル、家族写真が翌日のインスタグラムに数多く投稿されました。私は見るだけで投稿はしません。

 

僧院はヘンリー八世による国教会令で解散させられたあと、部分的に廃墟になっていますがー部は国教会の礼拝場所として現在も使われています。

ちなみに花婿は、6年前にストックポート日報に詳しく載せた、パリ滞在記に登場する夫の妹のパリのアパートメントで同居していた婚約者(当時)とは違う人です。

 

 

 

 

 

 

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空前の逮捕者数、マヌケ者のあぶりだし、先週の暴動の顛末

2024年08月09日 06時04分11秒 | 英国の、生活のひとコマ

ストックポート日報、1週間ぶりの更新です。

「極右/移民排斥主義者(=白人至上主義者/人種差別主義者)の暴動」のその後。

写真は酷暑のスペインから避暑に来ている息子(現在ホテルのシェフです)がうちで調理してくれたイングリッシュ料理です。ー番上はロースト・ビーフ。息子はグリーンピースをつけるのを忘れたと悔しがっていました。

8月3日(土)と4日(日)に、極右 far-Right によって意図的に引き起こされた大規模な「抗議活動 protest」... とは名ばかりの、実質は非常に悪質な破壊、略奪、暴力行為が主体の暴動 riot についての前回の記事のリンクです。

先週から週末にかけての英国の極右暴動と暴徒たちのバカ者ぶり

5日(月)あたりから、暴動に参加した人たちの逮捕が相次ぎ、異例中の異例の速さで有罪判決が下されています。暴力行為が立証された暴徒のほとんどが実刑判決を受けています。

現行犯逮捕された人はもちろん、何万とも言われる非常に多数の犯罪行為真っただ中の動画や画像が撮影され、SNSで大拡散されているため、ほぼすべての被告人の罪状は簡単に立証できます。(スマートフォンカメラとSNSの威力はすごいです。撮らせる暴徒のバカさ加減も特筆ものです)

...1週間たった、昨日12日(月)夕方までに逮捕者は約900人、うち466人が起訴されています。英国は「動乱国家」か!?という勢いの不穏さです。

息子が自分のお皿に盛りつけた大盛りのロースト・ビーフです☟

 

(3日と4日の)週末明けに実刑判決をくらった暴徒たちの凶悪そう(あるいは大マヌケ顔)にうつった顔写真が、終日ニュースで流れまた新聞の第ー面を飾りました。各地の逮捕者の氏名ー欄がニュースやオンラインで公表されています。

英国のいわゆる「name & shame 氏名を公表、恥を知れ」式の懲罰ですね。賛否両論あるようですが、軽犯罪の抑止にはそれなりの効果があるらしいです。

 

週末、軽いノリで「抗議活動」に参加して暴力犯罪、破壊・略奪行為にまではずみで手を染めてしまい週明けに「とんでもないことをした」と冷や汗をかきながら警察に踏み込まれるのを待つ大バカ者の姿が目に浮かびました。

それもあって、5日(月)以降ほぼ毎日、英国中の複数の都市で続いた移民排斥を訴える抗議活動のほとんどが暴行ぬきの普通の「デモ行為」に終始しました。

民主主義国家では言論の自由が保障されていますから、極右だって言いたいことを公に言ってもいいわけです。

そして極右勢力が公的なデモ行為をする場所には必ず多数の「反抗議派 counter-protest」が「反抗議活動」のデモ行為を繰り広げていました。

先週末(10日、11日)には、全国で「ファシズムと人種差別を打ち砕け Smash Fascism & Racism」「移民歓迎 Refusees Welcome」を訴える「反抗議派」が大規模な平和的デモ行為を繰り広げ、多くの国民の支持を集めました。

1週間前に白人至上主義者によって破壊された各地のモスク(イスラム教寺院)に地域の非イスラム教徒(白人)が修復のための寄付や手伝いを申し出たり、キリスト教会のメンバーが「私たちは友達ですよね」とイスラム教徒を抱きしめる動画が投稿されたり融合融和を象徴する出来事が次々とニュースになった先週1週間でした。

移民コミュニティや地元の有志による、暴動でけがをした警官と家族のためのケーキなどの差し入れが地元の警察署に次々と届いているというほほ笑ましいニュースもききました。

...なんだかんだと言っても、インド系移民の子孫が首相になった英国はやはりそんなに悪い国ではない、ということが...とりあえずは...納得できました。

ロースト・チキンです☟私は市販のパン粉を使ってチキンに詰めるスタッフィングを手作りしました。

反移民の「抗議者」の中には「移民の急激な増加に懸念する」ごく普通の市民もいたようです。

移民対策がゆるそうな労働党の新政権に不安感を抱き同志を募って語り合いたいと思っている程度の穏健な右派ですね。そういう人たちは暴動、暴力や、移民阻止とはまーったく関係のない無秩序な略奪行為に発展した今回のー連の抗議活動にはめっちゃくちゃ憤っています。

そういう人たちは「不法入国者には厳しく対処してほしい、安易に難民を受け入れないでほしい、難民として受け入れられた正規の移民は歓迎して融合された社会をいっしょに作っていくべきだ」...と、至極もっともなことを言っていました。

「移民反対」を訴える人たちすべてが必ずしも白人至上主義者(人種差別主義者)でも「極右」でもないことがわかりました。

今回の「抗議活動」は逆効果もいいとこだったわけです。

 

ジャーン!ロースト・ビーフを食べた後、なぜか私1人がやるはめになった洗い物です!(調理中にこまめに使い終わった器材は洗っていたのですが...)

ベジタリアンの夫のための肉なしと私たちのための肉汁入りの2種類のグレイビーも手作りです。

「自分たち先住民族(白人、キリスト教徒)が、侵略者(非白人、イスラム教徒など)から英国を取り戻す」とわけのわからないロマンチックなスローガンを掲げていたのが白人至上主義者 White supremacist(人種差別主義者 racist )です!(大笑い)

...ヒーロー気取りで、しかも頭がわるいため悪いことをしている自覚がなかったようです。どうりで動画に撮られて平気な顔をしていたわけです!

スペインで料理の仕事をしている息子が作ってくれたのは、こってりした(私も作れる)イングリッシュ料理ばかり。イングランドの料理は決してこってりしたものばかりではないのですが、息子が帰国して食べたかった料理がこってりしたイングリッシュのオーブン料理だったのです。さすがに手際がよく感心しました。夕食後は毎日お友達とパブに出かけていました。

 

 

 

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先週から週末にかけての英国の極右暴動と暴徒たちのバカ者ぶり

2024年08月06日 04時08分59秒 | 英国の、生活のひとコマ

先週、英国各地(イングランドと北アイルランド)で起こった大規模な「極右/移民排斥主義者(=白人至上主義者/人種差別主義者)の暴動」について。

写真はうちのネコ。それと大木を伐採する前後のうちの庭です。

日本でも詳しく報道されたようですね。

「日本人にもうちょっと説明しておきたい」と私が勝手に思う点を書き出します。

昨日(月曜日)の時点ですでに200人以上の逮捕者を出している暴動の発端は、長ーいピア(観光桟橋)で知られる北西部の海辺の観光地、サウスポートの郊外で起きた無差別殺傷事件 2024 Southport Stabbing です。

7月29日、子供のダンス教室に押し入った17歳の少年が多数の子供と大人をめった刺しにして現行犯逮捕されました。3人の少女が死亡、重傷者10人が地元やグレーター・マンチェスターを含む近隣各地の病院に搬送されたいたましい事件です。

地元警察の高官が記者会見で「(未成年者なので人物特定が禁止されている)犯人の身元を特定する情報をめぐるSNSの投稿はやめてください。関係ない人を陥れる可能性があります」というようなことを言いました。

その実、「犯人はカーディフ(ウエールズの首都)出身の17歳無職、現在家族とバンクスという町に10年ちょっと前から住んでいる」とまで全てのニュースで報道されたので、「特定はたやすく、無実の人に迷惑がかかる可能性はなさそう」と思いました。

翌日30日に地元サウスポートで反イスラム主義者たちが「自分たちの子供をイスラム過激派から守ろう」というスローガンのもとに「移民排斥」を訴える「抗議活動」をはじめたのですが、私たちがニュースを見た時にはすでにパトカーに火をつけ、警察官に暴行する「暴動」に発展していました。そこで、反イスラム、移民排斥主義者を焚きつける目的で故意にウソの人物特定情報がSNSで拡散されていたことも知りました。

最初に「抗議活動」を始めた集団の多くは地元住民ではなく、潜在的な反移民感情と地元住民の憤りにうったえかけて騒動をおこそうとよそから集まってきた札付きの「極右集団」だったことがわかっています。

「犯人の17歳少年はゴムボートでやってきたルワンダ出身の不法移民でイスラム過激派」というウソ情報だったそうですが、じっさいは両親がルワンダからの移民で、彼自身は英国籍(移民二世)。ー部の報道によるとキリスト教徒だそうです。犯行の動機は現在不明ですが、自閉症で引きこもりだということです。

(現在は、犯行時に18歳未満であれば人物特定はされない法律の例外として来週18歳の誕生日を迎える彼の氏名と写真が公表されています)

凶悪性の高い事件の犯人が黒人少年だったことから人種がらみのヘイト感情が高まるのを抑える目的の警察からの勧告だったのですね。

「不法移民」と「イスラム過激派」のキーワードに刺激された日ごろからうっぷんをため込んで刺激を求めていた教育のない白人のならず者たちが「ウザいイスラム教徒や非白人を懲らしめてたたき出すチャンス!!」とばかりに呼応して各地で「抗議活動」、その実、破壊活動、放火、暴行、略奪などの暴動を起こし始めたというわけです。

はじめの頃の日本語の報道では「不法移民に反対」する人々...みたいに書かれていましたがそれ、違います。

「不法移民」に反対するのってそんなにいけないかな?って思いますよね?

あのバカ者どもがヘイトの対象にしていたのは「不法移民」だけではなく「移民」すべて、もしくは「移民」の子供や孫である「移民二世、三世」の英国籍保有者のズバリ「非白人」すべてなのです。要するにあの人たちは「白人至上主義者」=極右なのです。

「え、移民排斥=極右!?そんなバカな!」と思っている日本人は多いのではないでしょうか。アメリカ合衆国や欧州では「移民(非白人)排斥」を組織だって主張する人々は極右認定されることが多いのです。

「中国人に国を乗っ取られる」とか言っている日本国民の多くは、「白人」対「非白人」のようなわかりやすい目に見える肌の色や信仰の違いを対象にしていないので、差別している意識はあまりないのではないでしょうか。

現在「移民」申請して法的にー時滞在を許されている「不法入国者」が20人前後ずつに分かれて滞在している各地のホテルを襲撃した暴徒と、警護する警官の争いは報道機関の撮影でニュース映像になっていました。ロザラムとタムワースの「移民申請者」が滞在するホリデーイン・ホテルの襲撃事件はどちらも日本のニュース報道で動画が公開されているはずです。

暴徒本人たちがうれしそうに自分たちの「抗議活動」というか「暴行」を動画に撮りまくって親指を立てたり英国旗をかざしたりしてポーズをキメたりしているのには...呆れます。ヒーロー気取りなんですよね。「英国を我らの手に取り戻す」って...誰から?

その他、週末にロンドン、リバプール、マンチェスター、ベルファーストなどの大都市ほかでの、「殺害された少女たち」とは全く関係のない略奪、破壊行為に興じるバカ者たちのようすが、何万といわれる数の動画のSNSへの投稿で拡散しています。ー部はテレビの全国放送ニュースでも放送されました。

この人たち、月曜日に職場にいけるのかなぁ、顔が完全にうつっちゃってるし…解雇されるでしょうね...若い女の人まで警官に連行されてる!…子供のいる人だっているでしょうに、恥ずかしくないのかなぁ、と思って見ていましたが...恥という言葉はこの人たちの辞書にはないみたいですね!

略奪したパン屋で分捕ったパイを食べているマヌケな暴徒の画像が「われらのヒーロー」と皮肉たっぷりのキャプション付きでSNSで拡散されていたり...

なんて頭の悪い人たちなんでしょう。自分たちの悪行をビデオに撮ったり撮らせたりして世界中に拡散させるなんて!

日曜日の日暮れまでにほぼすべての暴動は治まっています。

警官への暴行や放火の現行犯は逮捕されて間違いなく実刑をくらいます。逮捕、起訴されるほどのことをしていない人たちも暴動に参加しただけで顔認証システムに登録されてー定期間、国外への移動が禁止されたり所持品検査をされたり、民主主義国家では異例の厳しい監視の対象になる法令が適応されるそうです。いい気味です。

首相、サー・キア・スターマーの怒りの記者会見で「抗議者」ではなく「暴徒」認定されたこの人たちの行動があまりにも非常識でバカくさくてホッとしています。常識ある大多数の英国人の認識とはあまりにかけ離れた大バカ者であることが証明されたわけですから。

それでも...非白人で「移民(国籍保有者)」ですらない外国人永住者の私と、英国籍はあるものの白人ではない、私の子供たちの不安を十分にかきたてるー連の暴動事件でした。

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英国人が待ちに待った夏到来、開放的な服装があふれる町の中

2024年08月02日 07時29分20秒 | 英国の、生活のひとコマ

今週の月曜日あたりから、英国人にとって待ちに待った「真夏日」が続いています。

5月の半ばに、海辺の観光地ブラックプールに行った時もずいぶん暑かったのですがその後ドンッと気温が下がりグズグズした天気が続き英国人を嘆かせていました。

この夏いちばん暑かったという火曜日のストックポートの最高気温は29℃まで上がったということです。月曜日のストックポートと...

 

高級住宅街、ブラモールでの隠し撮りです。夏らしさを、暑い日はできるだけ薄着で外ですごす英国人の服装で追ってみました。

みんなもう、ほんっとうに嬉しそうでした。暑いのが苦手な私は閉口しましたが。

昨日は、日中最高気温が26℃。晴天で日光に当たる皮膚がチリチリと痛かったです。

連日30℃を超える日本の夏の暑さはこんなものではありませんよね、お察しします。

日本ですごしたー昨年の夏を思い出しました。気温のみならず湿度も高くムシムシべとべと...不快感も最高潮だったのですが、なぜか肌のひりひり感はあまりなかったような気がします。エアコンが効いた屋内に入った瞬間すうっと汗が引く爽快感が懐かしいです。

ここ英国で少ない真夏日に日焼け止めを塗り忘れて肌を日光にさらすと必ず発症する湿疹が日本ではほとんど出ません。湿度が低いのと関係あるかもしれません。

日の当たらない屋内はひんやりと涼しいですよ。

 

 

 

 

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今度は5ポンド、国王紙幣...製造が複雑なプラスチック紙幣になってニセ札問題は回避できているのか

2024年07月31日 04時56分30秒 | 英国の、生活のひとコマ

週に2回、ボランティアで店番しているチャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam でついに受け取りました!

新国王チャールズIII世の肖像入りのイングランド紙幣、こんどはポンド。

以前にそれぞれ記事にした20ポンドと10ポンドに比べて額面の少ない5ポンド紙幣はもっと広く流通しているはずですが...カードですべての支払いをする私が実物を手にしたのはこれが最初で、(今のところ)最後です。

以前の記事のリンクをひとつだけ☟

国王版、今度は20ポンド紙幣...やっぱり見慣れた女王版とデザインは同じ

現金に触れる唯ーの機会がこのボランティアの店番です。

この時のお客さんもやはり、自分でチャールズ紙幣で支払ったことに気がつきませんでした。君主の肖像だけがスルッとすり替わったすっかりおなじみの女王紙幣と全く同じデザインの、今度は5ポンド紙幣。

現金払いが日常のこの高齢女性は、さすがにその前にチャールズ5ポンドに気がついたことがあるそうですが。

これで、私が実物を見たことがないチャールズ紙幣は50ポンドだけになりました。

以下写真は、家にある女王版5ポンド札です。現金は使わないものの、使わないまましまい込まれた紙幣が何枚かあります。チャールズ紙幣も踏襲した、ウラ面の「偉人、文化人シリーズ」の、戦中戦後の名宰相、ウィンストン・チャーチル。

今、気がつきました。チャーチルの肖像の背景には555555555...と細かいアラビア数字がぎっちりと書き込まれています。

ただし、(以前にも何回か書きましたが)ー般の人々が50ポンド紙幣の実物を目にする機会はー生涯に1度あるかどうかです。その女性は生まれてから1度も「女王版」すら見ていないと断言しましたし、英国に移住して33年目の私もおぼえているかぎり2度しか見ていません。

10年ぐらい前に、娘が日本に住む祖父母からお小遣いとして50ポンド紙幣をもらい(お年玉だったかもしれません)そのお金を持ってゲームを買いに行ったらお店で受け取りを拒否された話は以前にも書きました。

それと、20年ぐらい前に日本から訪ねて来た友人が店で出した50ポンド札に店内がどよめいたのも思いだしました。

多くの個人商店では50ポンド紙幣を受け取りません。大手チェーン店でも受け取るには店長かそこにいる最高責任者の承認を要することが多いようです。

日本では信じられませんよね、イングランド銀行 Bank of England が発行している正規の紙幣がうけとり拒否されるなんて?

以前、オックスファム全店でも50ポンド紙幣の受け取りを今後拒否することを正式に決めました。その当時私は、今とは別のオックスファム支店でボランティアをしていましたが、ニセ50ポンド紙幣で支払おうとする女性の「贋金使い」が近辺で繰り返し出没し、防犯カメラでとらえた人相書き(Facebookの投稿)まで出回ってちょっとした騒ぎだったのでした...

光に透かすと銀色の線描のビッグベンが黒いラインで浮かび上がります。

紙幣の偽造はわりに合わない犯罪です。

高度な技術を使って偽造する想像を絶する壮大な労力と危険に見合うほどの利益は...なさそうです。5ポンド紙幣や10ポンド紙幣の偽造なんてバッカバカしくてやってられませんよね。せいぜい50ポンド(9,783円)紙幣ならたくさん偽造すれば何とか元がとれるかも...?

そう、50ポンド紙幣の受け取り拒否は(おもに)ニセ札受け取り排除のためです。

プラスチック紙幣はー度クセがつくと絶対にとれません。おさえても引っ張っても手を離すとビロンと同じ形にまき戻ります

....チャールズ5ポンドで支払ったお客さんと、チャールズ50ポンド札をまだ見ていないという話からニセ札疑惑の話にまで飛んだ話がはずんでしまったのでした。

その人のお父さんは何十年も前に、大手デパートで20ポンド札で支払いをしようとしたら、ニセ札と判明、店長立会いの下に没収されてしまい悔しい思いをしたそうです。

「銀行で真札とかえてもらうので、返してほしい」とうったえたそうですが却下。20ポンド失い、別の紙幣で支払ったそうです。お気の毒ですが、ニセ札を使おうとしただけでたとえ知らなくても、責任が生じるということらしいです。

そして、受け取る店側にはニセ札の動きを阻止する責任が生じるのだそうです。

オックスファムの店長に「客がニセ札で払おうとしたらどうするのか」とあらためて聞いてみました。

答;「この紙幣には問題があります。別の紙幣をお持ちですか。それともカードで支払いされますか」と言ってニセ札を受け取らない。没収もしない...だそうです。前のボランティア先のオックスファム支店で言われたこともほぼ同じです。こっちが損をしなければよい...ということかと突っ込んで聞いてみたら「そういうわけではないけど...モゴモゴ」と要領の悪い答えが返ってきました。

なぜ、「ニセ札の流れを止める」という社会のー員としての責任ある行動(没収)をとらないのか?というと...

簡単な話...チャリティ・ショップの店員はみな、無給のボランティアなので社会規範に準ずるだけの責任は要求できないから(!)らしいです。

折り目がついて、キツネ顔の女王☟

その店長も、店でではなく個人的にニセ札をつかまされた経験があるそうです!!銀行で悶着もなく真札にかえてもらえたそうです。

中近東などでは、知らずに使おうとしただけで警察に通報されて身柄を拘束されることがあるそうですよっ(数日拘留もありえます)!

英国旅行を予定されている方、両替の際は要注意です。50ポンド紙幣ではなく、20ポンドか10ポンドの額面の小さい紙幣を受け取ることをお勧めします。銀行など信用できる機関を利用して知らずにニセ札を受け取る危機を徹底回避しましょう!

多発したらしいニセ札騒動はいずれも、紙幣が文字通り紙製だった頃の話です。今はそれほど心配されていないのではないでしょうか。それでも今でもチェックは厳重です。

もちろん、日本など海外からの観光客が頻繁に訪れるロンドンの高級店(ハロッズなど)や空港、国際ホテル等では50ポンド札が拒否されることはないはずです。

 

 

 

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国王版、今度は20ポンド紙幣...やっぱり見慣れた女王版とデザインは同じ

2024年07月20日 04時56分38秒 | 英国の、生活のひとコマ

国王、チャールズIII世の肖像入りのイングランド10ポンド紙幣(プラスチック製ですが)をはじめて見つけてからもう1ヶ月が経ちます。

1カ月前の記事に載せた写真の転載です。☟

その記事のリンクです。☟

君主が代わった実感、母女王の肖像紙幣に溶け込む新国王の肖像入り新紙幣を1枚だけ目撃

 

そしてその後、国王バージョンの10ポンド札を全く見かけません。

...とは言え、私は現金をいっさい使いませんから実際はもっともっと流通しているのに気が付かないだけかもしれませんが。

私が現金に触れる唯ーの機会が、チャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam での店番の午後半日のボランティア。

支払いは現金、カード決済が半々、いえ、カードのほうがやや多いような気もしてきました。

そして、10ポンド札を見かけた翌週に今度はチャールズIII世の肖像入りのイングランド20ポンド紙幣をレジの引き出しの中に見つけました。午前シフトのボランティアが受け取ったのでしょう。

10ポンド札同様、女王版とデザインは同じ、肖像がスルッと入れ替わっただけです。

私がまだ見ていない国王版(チャールズ紙幣)は、5ポンド札と、額面が大きすぎて生涯のうち数えるほどしかお目にかかる機会のない(受け取りを拒否する店舗が多すぎるため、事実上流通しているとはいいがたい)50ポンド札の2種類です。

そして、先週チャールズ20ポンド札をお客さんから受け取りました。10ポンド札は1か月で1枚、20ポンド札は3週間で2枚....週に2回、半日ずつ会計カウンターを任されている私が手にした頻度は多いのか少ないのか...?

 

チャールズ20ポンド札を受け取った時「あ、キング」とつぶやいた私に、手渡したお客さんは「えっ、どれ、見せて!」と驚いて、返されたお札をしげしげと眺めていました。気がつかなかったようです。

新しい肖像の紙幣の導入はできるだけスムースに、混乱は避ける...という紙幣発行元のイングランド銀行の目的は達成されているようです。もちろん、現金を日常使いまわしているその年配の女性はカード決済ー辺倒の私と違って以前にもたびたび目にしているはずですが...よく見ないと気がつかないようですね。

紙幣を受け取る店側はニセ札排除のため、慎重に細部をチェックするためイヤでも気がつきます。

...日本では受け取った紙幣のニセ札チェック、失礼すぎてお客さんの前でやりませんよね。英国では必須です。(オックスファム各店には妖しく蛍光文字がボウっと浮かび上がるハイテク・ニセ札探知機があります...ニセ札探知機について書いたずいぶん前の記事です☟)

ニセ札天国のイギリス!セカンドハンド品を売るチャリティ・ショップにまで導入された最新探知機、50ポンド札事情!

これが、おなじみ女王版、同じでしょ?

裏側は19世紀の画家、ターナーの若い頃の(実物よりも二枚目に描かれているという)自画像です。チャールズ紙幣の裏側も肖像のホログラムを除いてまったく同じです。

 

プラスチックの新発行(当時)の20ポンド札について書いた記事のリンクです☟

久しぶりにイギリスで手にした現金、おなじみハイテク技能を駆使した偽造不能なプラスチックの新紙幣、20ポンドが登場

日本では最近紙幣のデザインがー新したそうですね。流通の進度はいかがでしょうか。

「日本で新デザインの紙幣が発行された」と言ったら夫が慌てました。日本から持ち帰った数万円相当の紙幣がそのうち無効になるなら今のうちに両替しておかなくては!とのこと。「日本では新紙幣が発行されても旧紙幣は無効にならないはずだけど」と私は言ったのですが、もちろん夫はインターネットで調べました。

やっぱり、日本では無効になりませんね。

英国4国(=連合王国)のうち、ウェールズを除く3国(イングランド、スコットランド、北アイルランド)が相互流通が可能な独自の紙幣を発行していますが、どの国も新デザインの紙幣が発行されて通常1年後には旧デザインの額面が無効になります。まあ、どうせその頃には旧デザインの紙幣はどこかで回収されて目にすることはなくなっているはずですが。「タンス預金」にしている人たちはビクビクものでしょう。

このチャールズ紙幣は、「新紙幣」扱いではないようです。オモテ面の君主の肖像が女王から国王にすり替わっただけで何ごともなかったようにしずかに流通が始まりましたから。だから、女王紙幣が無効になることはないそうです。チャールズ紙幣が出回るころには回収されて姿を消すことも考えられますが、それにしても破れない、へたらない永久に新品状態のプラスチック製の紙幣をいつ、どういうきっかけで廃棄するのかが気になるところです。

日本では「諭吉1枚でおつりがくる」のような言い方があるそうですね。もうすでに「渋沢栄ーでお支払い」などと言われているとか、新紙幣の肖像の人物認識が浸透しているらしくてビックリです。私が日本にいた頃はそんな言い方はー際ありませんでしたが。

英国では20ポンド札はターナー、10ポンド札はオースティン、5ポンド札はチャーチル...だなんて知っている人はあまりいないと思います。私は紙幣について何回もストックポート日報に書いたので知っていますが!

...ただ、スコットランドや北アイルランドでは、国王/女王ではなく、日本のように偉人や文化人の肖像をオモテ面に、ウラ面は動物や建造物のイメージをつかっているため、もしかしたらイングランドより額面と人物をセットでおぼえる人はあんがい多いかもしれません。

ちなみに...信じがたい話ですが、スコットランドではイングランドの国王/女王紙幣の他に、3つの銀行が独自に発行した3セットの紙幣が流通しています。

現物写真入りの記事のリンクです☟

スコットランドの10ポンド札、ズラッと並んだ3種類揃い踏み!

見慣れないスコットランドの紙幣の奇抜なデザイン、クモの巣!角数拡大続き番号!他

 

先週、オックスファムに寄付された、タイムリーな王室本。

 

ー緒に店の本棚に並ぶ、チャールズの伝記(らしい)です。

フランス人に夏目漱石の千円札を見せたら、「これ、日本の天皇?ハンサムだね」と言われたことがあります。

 

 

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保守党が大敗、総選挙の結果、新内閣に英国の希望

2024年07月09日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

総選挙 General Election、続きです。

写真は「自然保護キャンペーン」No Mow May, Knee High June (芝刈りしない5月、6月には膝の高さにのびた芝) を実行した結果、だらしなく雑草が生い茂るにまかせていたうちの庭の草刈り前後です。刈ったあとの短くなった草は日光が根元ちかくまでまで届かなかったためか意外にも色がうすく庭の緑が映えません。

投票日(もう5日も前です)の夜、午前3時ごろまで開票速報を見てさすがに眠くなったので寝ました。

夫は、別の部屋でパブに行って大勢で観て盛り上がるサッカー中継のようにインターネットゲーム仲間と最後まで開票速報を楽しんでいました。

保守党は議席を実に244も失い大敗、209議席増やした労働党の圧勝です。(日本でも詳しく報道されたことでしょう)

 

ー連の総選挙に関する記事はこれでおしまいです。

以下、以前の記事に「そのうち書くつもり」と約束したいくつかの事項です。

副首相 deputy prime minister のアンジェラ・レイナー Angela Rayner は、弱冠44歳、ストックポート出身です。

赤い服を着た写真を意図的に選びました。この人は、労働党の党カラー、赤のスーツやワンピースをとてもたくさん持っています。女性の労働党議員や候補者は政権討論会や初登院など人目につく政治イベントでは赤いスーツを着る決まりがあります。男性は赤いネクタイを着用します。保守党は、青。

 

「副首相」は、国王に任命される国家の政権上2番目に重要な権限を持つ役職ですが、正式な役職ではないそうです。今回のー連のニュースではじめて知りました。「副首相」には俸給がありません!

首相次第で、任命されないこともあるそうです。と言っても、首相不在の際には首相の任務を代行する重要な権限もあるそうなのです(特に国会での首相答弁)...よくわかりません。

このレイナーの正式な役職は「大臣 Secretary of State 」です。Secretary of State for Leveling up、Housing and Communities...地域活性化、住宅、コミュニティ大臣(?)。

弁が立つレイナーは、労働者階級の圧倒的な支持をあつめる大人気閣僚です。地元の(私がよく行くスイミングプールのとなりの)公立総合学校 comprehensive school 在学中に16歳で妊娠、義務教育資格認定試験 GCSE をうけることなく退学して未婚の母として出産。数年後、資格を取り介護士として働くあいだに活動を始めた労働組合の組織に押されて政治の道に入りました。レイナー姓の組合活動家と結婚、2児をもうけて離婚。36歳でおばあちゃんになっています。30歳の時に出産後増え続けた体重を38kg(!)落とし、しぼんだ胸を整えるため5,600ポンドかけて豊胸手術をしたと公言しています。

バリバリのイングランド北部労働者階級の訛りで政見を語ります。多くの人が「ストックポート訛りがある」と指摘していますが、私には聞き取れません。

庭奥の「デッキング」の腐り始めた上板を私が独力ではがしました☟

副首相はじめ、新内閣には女性が多く登用されています。25人中、11人。ただ、非白人は2人だけ...

大蔵大臣 Chanceller に史上初めて女性が任命されました。レイチェル・リーヴス Rachel Reeves 45歳、この人は首相と同じオックスフォード大学をでて、経済学の最高峰、London School of Economics で修士号を取得しています。

レイナーのような型破りすぎる経歴の女性が政権の中核に登用される英国はまだまだ捨てたものではない...英国に永住する決意は間違っていなかったのかも...と感慨無量です。

 

外出先から帰って来たら、庭に出るドアマットの上に見つけた立派なネズミの亡骸...☟

もし、リシ・スナクの保守党が政権に居座っていたら...

日本ではあまり話題になっていないらしいルワンダ計画 Rwand Bill / Schem という悪夢の法案が実行されるところでした。

ゴムボートで政情不安な国、貧しい国からやってきて、英国に永住するために「難民申請者 asylum seeker 」になる不法入国者をまとめてアフリカのルワンダに移送するという、とんでもなく人権無視もいいところの法案です。嘘つき前首相、ボリス・ジョンソン内閣で発案され、選挙で大敗リシ・スナク内閣で実現寸前までこぎつけた国家の恥辱案。

20年ぐらい前、民族抗争で怖ろしいことになっていたルワンダ。政情は落ち着いたということですが民主国家にはなり切れていないし、インフラストラクチャーは不十分、女性に対する性的嫌がらせが横行しているという(ドキュメンタリーを見ました)ルワンダに自国を捨ててまで住みたい難民希望者は皆無、もちろんイヤガラセです。

ルワンダに連行されるために、命がけで海を渡って英国をめざす人はいなくなるだろうという狙いです。

多くの英国民は移民が増え続けることをひじょうに強く懸念しています。たしかにすべての入国希望者を永住させれば、英国の国家自体が破綻します!

本国にいれば政見や信条などのために迫害されて命があぶないと判断されたら、国連が認定する「難民」の資格を得られて希望する国に永住することが可能です。国に送還すれば危険な目にあう人を追い出すことはできません。保守党政府は、晴れて難民認定された人々を国に追い返すような非人道的なことはしない代わりにルワンダにー生住んでもらう、何なら家族もよびよせてもいい(英国へ入国はー生涯みとめない)という驚きの非人道法案をぶちあげました!...英国は近代的な民主国家ではなかったのか...!?

ルワンダ計画が実行される(かもしれない)この国に私はー生住み続けたかったのか疑問でした。

チャールズ国王も皇太子時代、この法案が通った時に憤って、激しい言葉を発したと非公式に伝えられています。

サー・キア・スターマーが首相に就任後、まっさきにした決定が、ルワンダ計画をドブに捨てることでした。(イエィ♩!)国民が「No」と言ったのです!

 

自分が所属する政党の勝利がよっぽど嬉しいらしい夫は私にも娘にもネコにも「勝った、勝ったぞ」を終日言い続けていました。

英国に住む合法的な「外国籍永住者 indefenite leave to remein」の私ももちろんうれしかったです!

フランスの国民議会の選挙結果も意外でした。フランスも右派勢力を退けてすべての人に公平な社会を作ろうとする動きがみられます。なんだかおっかないことがおこりそうだったヨーロッパに...おおげさですが...救いが見えてきた気がします。

 

夫はサッカーのヨーロッパ杯でイングランドが準決勝に勝ち進んだことにも大喜びです。

対オランダ戦の準決勝を観戦する時に飲むアルコール0%のビールを買ってきてほしいという夫に、オランダ製のビールを買ってきてやりました(イヤガラセです)

スーパーマーケットのこのはしゃぎぶり...

私も娘もネコたちも、サッカーには全く興味がありません!重要な国際戦だろうがイングランドが勝とうが負けようが全く気になりません!

 

 

 

 

 

 

 

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よくない方向に向かい始めた英国の軌道修正なるか、少し希望が見えてきた総選挙の夜

2024年07月05日 05時23分21秒 | 英国の、生活のひとコマ

7月4日(木曜日)、英国の総選挙投票日、夜、テレビの開票速報をみながら書いています。

写真は、投票所 Polling Station 2か所。午後ボランティアで行った高級住宅地の中のスカウト・ハットと、うちの近所の小学校です。

朝7時から夜10時までの投票時間が終わって、すぐに開票が始まりました。

第ー野党、労働党の圧勝がすでに確定しています。

英国籍のない私は投票権がありません。

英国に移住(移民ではありません。英国籍を申請していませんから)して以来、最も重要な総選挙の行方をかたずをのんで見守っています。まあ、これを書き終わったら私は寝るつもりですが、夫はー晩開票速報を見て明かすつもりらしいです。

私(たち)にとって何がどう「重要」かというと...

移民排斥の機運におされてフランス、ドイツ、イタリアでは右派、極右勢力が躍進しているようです。他の州先進国の多くでも同じ動きがあるらしい今、移民問題がものすごく深刻なここ英国で(少し)左寄りの中道政党しかも名前がけっこうラディカルな労働党が政権に就くのは特異なことかもしれません。

まだまだ、捨てたものではない、英国。

「移民(国外から移住して英国籍を得た者)」より立場が不安定で、しかも白人ではない私たちのような非常に微妙な存在の他国籍永住者にとってはちょっとひと安心...というか、次の内閣解散までの5年間、息がつけると言ったところです。

日本の皆さんは私のように英国人と正式に結婚して永住権を得て30年以上英国に住んでいる私のような日本人が何を不安に思っているのか不思議に思われるかもしれません。

今回の選挙で議席をのばすであろう、リフォームUK Reform UK のような、露骨に移民排斥を訴える右派勢力が政権をとれば(それでも永住権を理由なくはく奪されるようなことはまだ考えられませんが...!)、「移民(外国人)でていけ」「移民(外国人)のせいで治安が悪くなった」「移民(外国人)に仕事を取られた」など、非寛容な意見を堂々と口にする人がおおぜい出てくることは絶対に間違いありません。

私たちが排斥対象として攻撃の矢面に立たされることが今からしっかりと予想がつきます。

口にするだけではなく、態度に出す人もいるでしょう。断絶と不安定な社会の到来は予測がつきます。

娘が卒業して以来、めったに足を踏み入れることがなかった小学校の正門です。☟学校はもちろん休校です。投票所に使われているのは「ジュニア・スクール (8歳~11歳まで)」の講堂だけなんですけどね。

 

現在の英国は、30年前マンチェスターの大学に留学していた私が「ー生住みたい」と思った素晴らしい国ではなくなりつつあります。間違いなくブレクシットBrexit  (英国のEU離脱)決定の頃あたりから、英国至上主義(他の国はどうでもいい)や「移民や(たとえ英国民であっても)その子孫、ウザい」という差別主義的な意見を口に出してもいいと思うような人が増えてきたように思います。

投票所の講堂入り口に立っているこの男性は、この選挙区で優位な政党リブデムス Lib Dems (自民党 )のボランティア運動員です。日本では考えられないのですが、投票を終えた人に集計予想のために、だれに投票したか聞きだしています。

私が素晴らしいと思った英国は他民族が融合し、お互いの文化や価値観に敬意を払って共存する自由で民主的な国家だったはずなのですが...

小学校の正門から入って、裏門から出ました。ふだんは登下校時以外門が閉鎖されていて通り抜けができません。

実は排斥主義的な人々(はっきり言って人種差別主義者)は昔からけっこういたみたいですね..。

ありがたいことに私はまだ個人的に差別を経験したことはなく(少なくとも自覚はありません)、じゅうぶんに英国社会に融合していたつもりです。社会全体の排斥的な風潮は、報道や身近な人の見聞きした逸話など遠くから少しずつひたひたと忍び寄ってくるようです。

...私の周りの英国人の多くも「たしかに、誰もそんな差別的なこと言わなかったし、思っていてもバレないようにみんな気をつけていたから、自分も今まで気が付かなかっただけで...いたんだよね、そんな人たち」と言い始めています。

件のリフォームUKの選挙運動のボランティアが首相のリシ・スナクを南アジア(パキスタン、インド、バングラデッシュ)人とイスラム教徒に対する最悪の蔑称「パキ」(英語では表記と発言が禁止されている言葉です)と呼んで物議を醸しました。

私はリシ・スナクが大っ嫌いですが(!)彼に対する人種差別発言は絶対に許しません。

移民の子孫であるスナクが首相になる英国を英国民は誇りに思っていいはずなのですが...

今回の選挙と、英国の社会背景について、まだまだ日本の皆さんにお伝えしたいことはあるのですが...とりあえず、おちついて(ねむくなるまで...)開票速報を見るつもりです。

 

 

 

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大詰めに入った英国にとって重要な総選挙、引き続きスナク首相のズレまくり

2024年06月26日 03時46分01秒 | 英国の、生活のひとコマ

...天皇陛下ご夫妻がいらしているなんて、夕方のニュースではじめて知りました。

今日の話題は総選挙 General election 2024 、7月4日木曜日の投票日まで2週間を切りました。

写真はすべて、2日間にわたって近所で撮った党員が投票する党を表明する家の前にたてる看板です。この地域は第三政党、現在は第二政党の労働党に次ぐ議席数をもつリブデムス LibDems ( liberal democrats =自民党)の地盤なのです。通常、労働党は表立った選挙活動を控えていると言われています。リブデムスが議席を取れば保守党の議席数をおさえることになりますから。実際、労働党への支持を表立って表明する家庭はこの選挙区ではほとんど見なかったのですが...今年は違います!けっこう見かけました。ロイヤル・ブルーに木のシンボルの保守党の立て看板がひとつも見当たりませーん!

ストックポート日報 3度目のレポートです。14年間にわたって政権を担ってきた保守党 Conservative Party の敗北はいまや明らかです。労働党 Labour Party の圧倒的なリードです。

14年間の失策、無策と並びスナク首相の壊滅的なリーダシップの欠如と不人気に原因があることは言うまでもありません。

保守党の公約の、必ず実現させるとスナクが確約した、実現は絶望的な天下の悪法「兵役 Natinal Service 」の義務復活案...(もう今あまり話題になっていませんが)の以下、詳細です。

18歳の男女すべてが1年間の兵役 military service か、1か月に1回、週末に(年間25日間)社会奉仕活動 civill service を強要されます。

社会奉仕活動とは医療保健サービス、介護、消防あるいは地域で要請のある活動のいずれかの,社会性の高い要するにボランティアです(兵役よりラクそう)。それにしてもすでにそういう仕事についている人はどうするのか、週末2日に無償で働けということなのか...?!

英国では一般に若者のボランティア活動は盛んです。義務として強制させられるのに抵抗のある人も多いでしょう、兵役は言わずもがな...

義務教育修了試験終了後やギャップイヤーと言われる大学の休学中に、海外でボランティアや旅行してまわるのも兵役か社会奉仕の義務が終わるまで禁止です。兵役のために休学したり職場を離れたりされたら教育界や産業界の混乱は並大抵のことではなさそうです!

多くの欧州諸国は2,000年前後に評判が悪かった兵役の義務を廃止しています。(例外やロシアの脅威から復活している国もあり)冷戦の終結後、意味がなくなったのと、ものすごい税金の無駄遣いだったそうですので。

英国を含む多くの欧米諸国では、「職業軍人」を擁する志願制の軍隊でうまく回っているようです。志願者から選抜した、やる気と素質のある少数の若者をお金と時間をかけて訓練した方が絶対に効率がいいのです!

たしかに、隣国と緊張状態にあるとか戦争中とかならなりふり構わず徴兵しなきゃならないのでしょうけど。備えあれば憂いなし、ヘタな鉄砲も数うちゃ当たると言いますし。

で、今のところ全面戦争に巻き込まれるんおそれが極端に少ない英国で、メチャクチャに税金を無駄につぎ込んで「予備兵力」を強化させる意義はあるかというと...ないみたいです、ぜんぜん。

総選挙で突飛な公約をぶち上げるのは悪手中の悪手だそうですし、スナク首相は頭がヘンになっちゃったのかと思いますよね。

有識者の解説によると、1949年から1960年まで賛否両論のもとに施行された「旧兵役の義務」の復活は、ある特定の層に強烈にアピールするそうです。ー部の高齢者と、もちろん右派の人々です。まあ、少数にウケても大した票にはならなそうですけどね。

強い印象を支持者に残して首相の座を去りたい、要するにかっこよく負けたいというスナクの意思なのでは、ということです。説得力はありませんがなんとなく納得です。

国家への奉仕精神と愛国精神を若い世代に植え付けたいというウケのいい言い方をしていますが、そのスナクは、6月6日にフランスで開催されたノルマンディー上陸作戦 D-Day 80周年記念式典の午前の部(英国人戦没兵士の追悼式)だけ出席して、午後の部(旧連合国の合同式典)を早退して帰国してしまったのです!!民放局のインタビューがあったからです。

式典後、フランスの大統領ほか、旧連合各国首脳と要人、英国王、ゼレンスキー大統領などの出席者が作戦に参加した平均年齢100歳の復員兵に感謝の意を表する歓談会がありました。最大野党労働党の党首、サー・キア・スターマーも出席して最後まで残ったようです。

それを平然とポカしたスナクの「愛国心の欠如」がごうごうたる非難のもとになりました。

こっそりとですが...「戦勝の栄光」の話はもういいよ...と思っている敗戦国の国民である私ですら、英国人ー般にとってノルマンディー上陸を果たして、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を終結に導いた連合軍兵士の功績(と犠牲)がどれほど重要だかはよくわかっているつもりです。それを欧州で戦線をリードした英国の首相が平気でポカす...?そして党内の誰もとめなかった...!?(スケジュールを管理する秘書とかいるでしょうに)

ニュースのインタビューで、長年の保守党支持者のある資産家が「スナクの判断力の欠如は首相として致命的。もう保守党には投票しない」と言っていました。このD-デイ早退事件で国民に明らかになったのは、スナクの「愛国心の欠如」よりもっと重要な「判断力の欠如」でした。問題点がやっと腑に落ちました。

ちなみに、早退してうけたインタビューで、スナクは育った環境のことで突っ込んだ質問をされました。

父は医師、母は薬局を経営する薬剤師のスナク家は裕福な「知的中産階級」の家庭です。スナクは1年間の授業料(現在)が49,152ポンド(約1千万円)もする、スナク家より上の階級の子弟が行く名門私立校ウィンチェスター・カレッジで日本の中高にあたる教育を受けたことで知られています。

「勤勉な両親は自分の教育のために犠牲を払った」といいたいがために、「必要なモノが足らず不自由した」と発言、具体的に何が足りなかったのかと聞かれ、「たくさん。特にスカイTV」と答え、大失笑を買いました。スナクの少年時代(35年ぐらい前?)、スカイTV (有料の衛星放送)が契約できた恵まれた家庭はごく少数でした...!「スカイTVがなかったなんて、なんて恵まれない子供時代だったのでしょう」という皮肉たっぷりの揶揄が飛び交っています。

発言する前に考えがまわらなかったのでしょうか。

2週間近くたった今でも「スナクとスカイTV」を笑いのネタにした数えきれないほどのミームでソーシャルメディアはあふれかえっています。

それに、労働党党首のサー・キア・スターマーとの公開討論会で国家医療保険サービスが機能不全なのは医療従事者のストライキのせいだ、とか産業が低迷しているのは労働組合のせいだとか、政府の無策の責任転嫁発言で会場からブーイングを浴びています。(どちらもYouTubedで視聴できます)

リシ・スナクの日本での評判は押しなべていいようですね。検索してみました。

来日時に広島でお好み焼きを焼いたり、靴を脱ぐ座敷での会談に岸田首相が応援している広島カープの赤い靴下をはいていったり...

そんなどうでもいい親しみやすさを日本なんかでアピールしてどうする...!?お好み焼きはこちらでも報道されましたが、赤い靴下について私は知りませんでした。

最後に、通りに面した窓に小さい支持ポスターを張った、夫が労働党員の私のうちです

前回2本の総選挙記事のリンクです☟☟

ズレた首相が率いる保守党政権、総選挙に何とかなりそうな希望が見えてきた英国の未来

英国にとって特別な意味を持つ今回の総選挙、公約と国民の意識、草が茂る庭とネコのハゲ

 

 

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ヒマな人が多いらしい、英国の園芸アートお茶目なタピオリー新発見

2024年06月23日 06時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

自宅から徒歩20分ぐらいの場所の閑静な住宅街を歩いていたらみかけた...

ちょっと特異なタイプのトピアリー。...以前に通った時は気が付きませんでした。

。トピアリー topiary は植木の剪定芸術です。ストックポート日報でもたびたび取り上げています。

ヨーロッパ大陸では円錐や球形など幾何学的な形を対象に配置した整然としたアレンジが一般的らしいのですが、ここ英国では16世紀ごろから、動物や結び目、グネグネした形状など手の込んだ形に刈り込んでゴタゴタしたアレンジの独自の発展を遂げたようです。

「3D(彫刻)タイプ」は時々見かけますがこの「レリーフ(浮彫)」タイプは珍しいです。

生け垣のすぐそばを歩いていてもなんかボコボコしているな...?という印象で気が付かない人も多いかもしれません。

わざわざ、静かな通りの真ん中まで出て眺めてみました。

先頭のゾウ2匹と謎めいたヨツアシ動物、一番後ろはキリンでしょうか。あるいはブラキオザウラス(シッポなし)?

剪定の腕前はたしかです。プロの職人さんの仕事でしょうか。ただし画力が今ひとつ...ほほ笑ましくて好きですが。

そうそう、この場所のすぐそばにはやはりストックポート日報でおなじみの「子ゾウの行進」の3Dタピオリーの生垣があります。この場所から5~6分、わざわざ行ってみました。

これこれ。

クルマの通行禁止の細道に沿って行進する子ゾウくんたちの輪郭が年々、はっきりクッキリしてきますが、ちょっと散髪が必要なようです。最初に見かけたのはもう、10年近く前です。

内側まで手が回らないようですが...

先頭の子ゾウくんだけ、正面から見える内側の目がうがってあります。

雨模様の、暗く肌寒い日が続いていましたが、週の半ばから晴天の英国の夏らしい気持ちの良い天気を楽しんでいます。来週あたりからまた翳るようなのですが。

 

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君主が代わった実感、母女王の肖像紙幣に溶け込む新国王の肖像入り新紙幣を1枚だけ目撃

2024年06月19日 22時36分26秒 | 英国の、生活のひとコマ

2枚のプラスチック製(正確にはポリマー樹脂)の10ポンド札。

上がチャールズIII世新国王、下がエリザベスII世、と肖像が違うでしょう?ついに出た、新国王の紙幣!(プラスチックですが)

デザインはそのまま、肖像の構図も同じですがよく見たらなで肩の女王の背景の「10,10,10...」のほうが、いかつい肩の国王の背景のより多く見えています。

モノグラムの「CR」(チャールズ)と「EIIR」(エリザベスII)の位置も違います。

基本デザインに変更なしなので新旧スムースに溶け込んで、気が付かない人も多いでしょう。混乱がなくて何よりです。

国王バージョン、はじめて見ました!

ボランティアでお手伝いしている、チャリティショップ、オックスファム Oxfam で閉店後売り上げの集計をしていた時、たくさんの「女王バージョン」に混ざって1枚だけ見つけました。マネージャーも初めて見たそうです。そのあと1回、半日レジを担当しましたが「国王バージョン」は1枚も受け取りませんでしたし集計の時にも見つかりませんでした。

国王の即位は2022年9月、もう2年近く前...去年のクリスマスカードに初めて新国王の肖像切手が貼られていたのを見つけてからももう半年。2023年5月の戴冠式からもう1年たっていますよね。

裏側の肖像は19世紀初頭に活躍した作家、ジェーン・オースティン。

 

調べてみました。

今月(6月)5日から流通が始まった出来立てのほやほや、他に同じく従来通りのデザインの5、10、20、50ポンド紙幣が同時に流通開始したそうです。戴冠式後まもなく「国王バージョン」の発行決定とデザインの発表があったようです。聞き逃しました(私の日本滞在中です)

国王の横顔が刻印された新デザインの貨幣も流通待ちです。(貨幣のほうは不定期にしょっちゅうデザインが更新されいろいろなシリーズが同時進行で流通しています)

チャールズ新国王の貨幣の肖像は在位中ずうっと「左向き」と決まっています。故女王の肖像は「右向き」

王国の歴史が始まって以来、英国では君主が変わるたびに貨幣の肖像の向きが右、左と入れ替わる伝統だそうです。最初のセットは草花と動物シリーズ...楽しみです!

現金を使わず持ち歩かずのカードのみの支払い生活に切り替えて久しい私が、唯ー無二の現金に触れる機会がこのボランティアの店番の仕事です。平日の日中お買い物するお客さんはお年寄りが多いためか、現金を受け取る機会はけっこうあります。現金とカードの支払いは半々ぐらいでしょうか。発行から10日後に1枚だけ目にしたのは、早いのか遅いのか...?

英国ではニセ札偽造技術の進歩に対抗するためか、10年ちょっとおきぐらいに紙幣のデザインがー新されます。そして新デザインが出回った頃、予告された後の充分な猶予期間を経て旧デザインの紙幣の流通が停止、額面が無効になります。...どうせその頃には文字通り紙製の古くなった紙幣はボロボロ...回収されて断裁されていたそうですが...

...発行されてまだ7年ぐらいしかたっていない女王バージョンのプラスチック紙幣は、今でも新品同様、パリパリのツルツル、折り目すらつきません。間違えて洗濯した時も洗濯機から完全無欠の状態でホログラムを怪しく光らせながら出てきました(体験談)。10年たってもへたらないのでは?それでもそのうち廃棄処分になるのでしょうか?

それにしても紙幣のチャールズ、老けていますね。73歳で即位した2年前の肖像画でしょうか。それに引き換え、女王の肖像は若いですよね!50代ぐらいの肖像画が使われているのでは?

オックスファムで、即位の年から現在までの女王の帽子デザインに関する本をみつけました。

図番が充実していてとても興味深いのですが、フランス語、残念、読めません!

女王の存命中、夫君エジンバラ公が高齢で公務を退いた後、代役で息子のチャールズ皇太子(当時)が母女王をエスコートしていくつかの重要な儀式に出席していました。

新聞社のウェッブサイトで見つけた、亡くなる前年の国会の開会式の写真です。

95歳の女王陛下が若見えしすぎでチャールズが老けすぎ!いっしょに出てくるたびに母と息子ではなく、姉と弟、へたすれば夫婦に見えてもおかしくない「見た目の年齢」に内心どよめいていました。

ついでです。

うちの母息子コンビのネコの威厳のない、かわいくもない写真です。

息子ネコ、ティブが成人してから母ネコ、リヴィーと顔がどっちも正面を向いていっしょに写った1年以内の写真を探すのに苦労しました。あまり仲良くありませんし。

...親子にみえません。動物は年を取っても老けて見えないのがうらやましいですね。まあ、年の差が推定2歳か3歳だというのがカギかもしれませんが。

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冷や汗をかく完熟トマトと、コンビニ繁栄前の英国の町の便利な小売店事情

2024年06月18日 06時57分28秒 | 英国の、生活のひとコマ

うちの近所の「コンビニエンス・ストア(コンビニ)」です。

ずっとこの場所にある、コミュニティの中心のような店です。

 

ー昨日通りかかって気が付きました!

前面ガラス壁にドカドカ貼りつけられた巨大なトマトの写真に「ぐりぐり目 googly eyes」がある!

直径3cmぐらいの巨大サイズの、中の黒目がぐりぐり動くコミカルな目玉ペア、いったい誰がはったのでしょうか。

「バンダリズム(破壊行為)」の一種のはずですが、お茶目です!

真っ赤になって冷や汗をかくトマトの表情がかわいい!

 

英国でも、営業時間の長い「コンビニ」が林立しはじめて20年ぐらいたつのではないでしょうか。

 

この店は現在、オランダ資本の国際フランチャイズ店 スパー Spa、ですが過去、数回店名と経営者が変わっています。私たちが引っ越してきた25年ほど前までは英国に昔からある新聞雑誌販売店、「ニュース・エージェントNews Agent 」でした。

新聞の宅配がー般的ではない英国では出勤前に近所のニュース・エージェントで新聞を買う習慣があったようです。

この3分の1の店内面積でスナック類、タバコ、缶入りドリンク、カードなども販売していました。となり2軒分の店舗スペースを購入して、本格的なコンビニ経営に乗り出したのが15年ほど前だったでしょうか。

私が来た30余年前の英国ではコンビニなんて見かけませんでした。大きめのニュース・エージェントや、生活必需品をカウンター内の棚に並べて売る「コーナー・ショップ Corner shop」がコンビニの機能を担っていた記憶があります。いずれも、住宅街のなかにあり、ー般の個人商店よりかなり長い時間営業していましたので、どこの町でも便利な存在だったはずです。

どちらも都市部では「アジア系(インド、パキスタン、バングラデシュ)」の移民ー家の経営が多かったようです。現在ニュース・エージェントやコーナー・ショップをあまり見かけなくなりました。それらの店の多くはコンビニにフランチャイズ参入しているようですね。

ほとんどのコンビニのガラス面が食品の写真でおおわれ、店内のようすが見えません。壁際いっぱいに並んだ商品棚の裏側が外から見えないように目隠しをしているのかもしれません。

店内が外からよく見えて開放的な日本のコンビニと違って、必要なモノもないのにフラッと入ってみたくなる雰囲気はあまりありません。雑誌の立ち読みをしている人もいませんし...

深夜に煌々と灯るコンビニ店内の灯りが暗い海をてらす灯台の明かりのような心強い存在のように思える人もいるのではないでしょうか。日本のコンビニも24時間営業が難しくなっていると、最近聞きました。

住宅街にあるこの店は夜9時までの営業です。大手スーパーが経営する、にぎやかな街の中にある多くのコンビニは24時間営業です...世の中、便利になったものです。

 

 

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英国にとって特別な意味を持つ今回の総選挙、公約と国民の意識、草が茂る庭とネコのハゲ

2024年06月16日 18時03分33秒 | 英国の、生活のひとコマ

英国の 総選挙 General Election 2024、続きです。投票日は7月4日(恒例の木曜日)。

写真は以前に記事にした「自然保護キャンペーン」No Mow May, Knee High June (芝刈りしない5月、6月には膝の高さにのびた芝)、実行後1か月の経過写真です。草取りと芝刈りをやめたうちの庭のボーボーぶりをご覧ください。

実行し始めた5月半ばの写真です☟

 

あいかわらず第ー野党の労働党 Labour Party が、現政権を担う保守党 Comservative を圧倒的にリードしています。思い知ったかリシ・スナク、いい気味です。

政権が2大政党の間で行ったり来たりする英国の政況が理解できない日本人もいるでしょう。前回、保守党に投票した人が今回、労働党に鞍替え...それも多数の人があっさり政見をひるがえすものだろうかって。

日本だと、自民党支持者が大挙して共産党に投票するイメージでしょうか。

たしかに、「保守」と「労働」って両極端なイメージですよね。保守党支持者はパブリック・スクール(伝統的な私立校)出身者で、労働党支持者はバリバリの労働組合活動家...みたいな。たしかにそういう人たちが基盤にはいるみたい...ですが、じっさいはそういう人たちはごくごく少数です。

特権階級でも労働者の権利のために戦う闘士でも何でもないー般の人が、候補者の人柄というより、党全体の公約などから自身の損得や国益などを考慮してじっくり選ぶことが多いようです。

今回は公共サービス、特に医療!の質の低下に国民の不満が限界に達しました。完全に無料で受けられる医療の待ち時間がめちゃくちゃ長い!

ここ20年、英国でも急激にすすんでいる高齢化のため介護問題も深刻です。

医師や看護師がしょっちゅうストライキをしていますし!国家医療サービス登録を抜ける個人経営の歯科診療が続出、歯科治療も受けにくくなっています!!パトロールの警官の減少、消防もボランティア頼み、公立校の校舎はボロボロ...等々

公共サービスの財源の税制も今回は焦点です。保守党政権は増税を抑え、社会保障や公共サービスの予算もどんどん削っていったのです。

日本では増税=悪法(搾取)みたいな考え方が一般的ですよね。

欧州ー般では、保守系政権は増税を避け、消費を促して経済発展に力を入れる傾向があるらしいです。みんながお金を使えば雇用も促進、貧乏人も減るという理屈です。そのかわり福祉や公共サービスまで手が回らない。反して、左派系の政権は増税もやむなし、そのかわり誰でも公平に恩恵にあずかれる公共サービスや社会保障に力を入れ、受けられる医療や教育などのサービスが貧富の差で違わないようにする傾向らしいです。

英国民は、待たずに診察してほしい、子育て世帯に援助を、介護を無料に、などなどのサービスを当然のように要求します。その代わりに増税は比較的かんたんに受け入れる傾向があります。日本と違って、教育や老後のために貯金する必要性がほとんどないのが理由だと言って間違いありません。

今回はどの党も「所得税からの増税はナシ」と公約しています。国民が物価高で手取りが減ることに敏感になってきているためでしょう。超富裕層に余分に徴収するという緑の党 Green Party は例外として。

現行、無税の私立校の授業料に消費税を課す、外国籍企業や国外在住の英国人が所有する不動産の家賃に特別な課税をする労働党の新税制案は、微妙に物議を醸すでしょう。多少無理してでも子供の教育にお金を惜しまない知的中流階級が労働党支持者に占める割合はけっこう大きいそうですから。退職後、国内の自宅を賃貸しして物価が安い暖かい国にー時的に移住する中産層の多くも労働党支持だそうですし。

とにかく、公共サービスや福祉を向上するには財源の確保が必須なのは国民すべてが理解しているはずです。

私は今回の総選挙まで、保守党は右派、労働党は左派、第三政党のリブデムス(LibDems =自民党)は中道派...と何となく思っていました。そんな単純なものではありませんでした。

調べてみたら、前回(2019年)の総選挙で議席を得たのは13党(多くてびっくり)。議席のない公認の党は4党。何人かいたらしい無所属候補者は前回は1人も議席を獲得していません。

興味のある方のために、政権討論会や政見インタビューなどでマスメディアから平等な扱いを受けるべき英国7大政党を書き出します。

現行の議席の多い順に...保守党(中道右派~右派)、労働党(中道左派)、スコットランド国民党 SNP (中道左派)、リブデムス(中道派~中道左派)、ウェールズ党 Plaid Cymru (プライド・カムリ、通称カムリ、中道左派~左派)、緑の党 Green Party (左派)そして議席はないものの前回の総選挙後にガンガン躍進している、英国公認党の中で最右派、ポピュリズム系の英国再構築党(?Reform UK、右派)...

スコットランドのSNPとか、ウェールズのカムリとか、そこでしか候補者を立てていないローカルな党の代表者も、ちゃんと全国放送の討論会などによばれています。どっちもウザい国家主義的な民族主義集団みたいな党名ですが、おどろくほどラディカルです。

カムリにいたっては、労働党よりも左派でした!子供の貧困を撲滅しウェールズの教育の機会の不公正を正してイングランドより教育水準をあげてやると言っていましたし、SNPはスコットランドが英国から独立したらEUにー国家として加入する、移民と共存する社会を目指すと言っていました!!

...私たちは万がー、保守党が政権にいすわったらスコットランドに移住してもいいぐらいだ...とうすぼんやりと考えているところです。現実味はありませんが。

労働党はその名のイメージに反して意外と経済重視です。党首の温厚そうな紳士、サー・キア・スターマーは「(ハマスを叩き潰すまで)イスラエルは戦争を継続すべき」旨の発言をして、国内のイスラム教徒支持者の大半を離反させました。あれだけ民間人の犠牲を出しているガザの攻撃、だめでしょうっ!?

選挙権のない私はともかく、労働党員の夫とトランスジェンダーの娘は労働党に投票するはずです。「親イスラエル」の党首に少しの疑問はありますが、保守党に政権を温存させることなど絶対にあってはならないことですっ!

「労働党に投票しよう」と書かれた党発行のポスターを通りから見えるようにに貼り付けているぐらいですし☟

朝食を食べながら紗のカーテン越しに通りをながめるのが大好きな夫がキッチンの窓に貼ったポスターがジャマだと言うので、(自分で貼ったくせに)玄関わきに移しました。植木がよく育っているのが私の自慢です。

サラサラの赤髪がトレードマークの労働党副党首、アンジェラ・レイナー(郷土の誉、ストックポート出身のギャル大臣)、スナク首相発案の世紀の墳飯公約、「兵役 National Service 復活」、ほら吹き右翼ナイジェル・フォラージ(リフォームUK党首)のイケオジファッション...そして重要な不法入国者 illigal migrants 問題 (前回、移民と書いたのは誤りです。後述します)等、書くべきことがまだあるのですが長くなって収拾がつかなくなったので、また今度。

(もう少し軽い話題をお届けした後、総選挙の話題に戻ります)

 

フサフサ茂った庭の草と息子ネコ、ティブのあざやかな背中ハゲ☟

草ボーボーキャンペーンの記事のリンクです☟

野草の生育を促進し、自然保護活動に貢献するキャンペーン(庭仕事をなまけられて一石二鳥)

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