1ヶ月以上前に撮った写真です。
ちょっと高級志向のスーパーマーケット、セインズベリー Sainsbury's で買ったサザンフライド・チキン Southern Fried Chiken の「半出来合い」製品です。スパイス入りの砂粒のように細かいパン粉のコロモがついていて、オーブンで焼くか油で揚げればシャリっと仕上がる鶏の胸肉です。
ケンタッキー・フライドチキンに代表される合衆国南部の郷土料理で、日本だと「唐揚げ」に匹敵するほどの人気で、コンビニエンスストアやサンドイッチ屋などでも売られています。
....いえ、今回のテーマは食べ物紹介ではありません。
茶色い厚紙の容器(紙の食品トレイ)に注目です!
プラスチックごみが世界的な社会問題になってずいぶん経ちますよね。紙の食品トレイが今までなかったのが不思議なくらいです。
別の日に庶民的なスーパーマーケット、アスダ Asda の店頭で撮ったサザン・フライド・チキンです。
あ、これは「胸肉 chiken breast 」ではなく「ミニ・フィレット mini fillet (細長いフィレ肉)」でした。
アスダのはおなじみのプラスチックのトレイ tray に入っています。
...ここ5~6年でしょう、多くのスーパーマーケットのプラスチックのトレイが、がっしりした硬い素材からカシャカシャした手触りの薄い素材に替わってきているようです。それでもやっぱり、先進国ではリサイクルが思うようにいかないと言われているプラスチックの容器入り。
別のスーパーマーケット、ドイツ資本の国際チェーン、リドル Liddle で買ったぺちゃんこモモ。
硬いプラスチック容器に入れられて売られていました。ちなみに、深いものはフランス語のカゴ(パニエェ)からパニエット paniet と呼ばれます。
セインズベリーはたぶん「意識高い系」の人がメインターゲットの客層なのでしょう。リサイクルがたやすく、簡単に分解する紙製の容器に少しずつ切り替えていくようです。
火曜日に久しぶりに行った大型店舗セインズベリーでは、もう半分ぐらいの生鮮食品が紙のトレイに入って売られていました。ジャガイモ、タマネギなどのゴロゴロ野菜は以前と変わらず「ビニール袋(英語でplastic bag といいます、後述)」入り。
1カ月前にチキンを買った時は、肉サカナほぼすべてと、野菜果物の10%ぐらいが紙皿入りだったような印象でした。
ー度にビシッと100%紙容器にきりかえられないのは、生産者のもとにまだプラスチック容器が残っているから...かな?エコロジー路線に切り替えたため、まだ残っているプラスチック容器を大量に廃棄したりしたらそれこそ環境に気遣う消費者の大反発を買いそうです。
庶民的な客層の比較的お手頃な価格のスーパーマーケットは対応が遅そうです。
ここストックポートを含む英国の多くの自治体ではスーパーマーケットの食品トレイはリサイクル対象外です。プラスチックの牛乳ボトルやドリンク、ケチャップなどの調味料入りのボトル類などが対象の、市が3~4週毎に回収する「プラスチック・リサイクル」ゴミ箱に入れられません。ー般ごみとして焼却されるようです。
「プラスチック・リサイクル」として回収されたボトル類はボトルの材料として再利用できれば理想なのでしょうが、なかなか難しいようです。コストがかかっちゃうようですから。そのかわり、プラスチックボトルを材料に作ったポリエステル衣料やランニングシューズ、ー体成型の椅子などが環境に気遣う人たちの人気を集めているようです。SNSのリールなどで制作過程の動画をよく見かけます。
...10年ほど前に、工業製品に再利用する名目で多数の先進国からひきとった大量のプラスチックボトルを中国が海に廃棄していて大問題になりました。
プラスチックのリサイクルってやはり採算に合わないので引き取り手数料を受け取ったものの、ゴミを押し付けられた中国はやっぱりいらなくなったのでしょう。
採算が取れるようなリサイクル・システムを整備するより、プラスチックごみを徹底的に減らす方が手っ取り早いそうです。調べてみたら、紙トレイに切り替えたのはセインズベリーだけではありませんでした。
大型店舗のセインズベリーに...
「やわらかいプラスチック flexible plastic」... 要するに日本で言う「ビニール」をリサイクルするための回収箱が設置されていました。ありとあらゆる、使い捨ての「ビニール」袋やシートや容器や包み紙を回収しているようです。梱包用のプッチンプッチン(バブル・ラップ bubble wrap)まで!
びっくり!...できるんだ。
ずっとー般ごみでしかなかった大量の「ビニール」類の廃棄をやめて、土壌や海洋に紛れ込まず焼却する際の有害ガスも削減されたら...すごい進歩です!
スーパーマーケットが販売している自社ブランドの、多くは店内で焼き上げているパンを包むシャリシャリした薄いフィルムや、レタスやブロッコリーを包むクリング・フィルム cling film (=サランラップ)みたいな「やわらかいプラスチック」はリサイクルできないようです。
薄いフィルムは土壌に還元できるし、サランラップみたいなのは焼却するしかないようですから。
ゴミを減らす工夫や、リサイクルに関してまだまだ書きたいことがあるのですが、長くなるのでまたいずれ...
ぺちゃんこモモを土嚢のように積んでみました。
皮のまままん中のへこんだところを親指と人差し指でつまんでパクっとかぶりつき、くるっと回しながら3,4口で食べられる小さなモモです。