イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

先祖が住んだ熱帯の森を知らずにストックポートで生涯を終える南国のトリ、壁画の殿堂入り

2024年10月11日 21時18分16秒 | 英国の、生活のひとコマ

ストックポートのショッピングセンター、マージーウェイ Merseyway の外壁の...

最近、完成したモザイク画のミューラル(壁画)です。

そばによってみるとビックリ、すべてビンのプラスチックのフタを使った廃材利用です。

ー般からプラスチックのフタの寄付を募っていたアーテイストが、このそばの空き店舗のショーウィンドーいっぱいに、集まったフタを色ごとに透明な箱に詰めディスプレイしていましたっけ。てっきり、溶かして立体造形にでも再成するんだと思っていました。

フタそのままのモザイク画とはエコロジーを意識した斬新なアイデアです。

モチーフはストックポートの野生動物(動物のリアルな描写と比較してマンガっぽいキノコの装飾性が疑問ですが!)。

アカギツネ、アナグマ、サギ、ハリネズミ、カエル、カワセミ、ハト、アカゲラ、ケストレル(タカ)、レッド・アドミラル(チョウ)、マンチェスターのシンボルのハチ...すべて私もストックポートで見かけたことがあるイングランド固有の野生動物です。それと...

この、絶対にイングランド固有の野生動物ではない南国のトリ!

私の家でも私が子供の頃に飼っていた「ダルマインコ」に見える、だるまさんのヒゲの模様を持つこのエキゾチックな野鳥が1990年代ごろからロンドンを中心にしたイングランド南部に定住して数を急速に増やしているらしいことは聞いていました。ニュース映像などでもたびたび見ています。その野鳥の英語名までは憶えていませんでした。

「ここストックポートにもいるの?」

ダルマインコの英名が red-breasted parakeet だとウィッキピィーディアで突き止め、検索してみたのですが、ストックポートとの関連性は全く見つかりませんでした。

次に「Stockport」 と 「parakeet (インコ)」で検索してみたらたくさんの項目にヒットしました。

このトリは、ハツミミ!ワカケホンセイインコ ring-necked parakeet (以下;ワカケ)で、ダルマインコではありませんでした。だるまさんのヒゲが、ダルマインコより細く、輪になって首の後ろでうっすらとつながっているので「ワカケ」なんですね。

今回の話題は前回に続いて、英国の美しい外来種のトリ...です。

野鳥観察サイトから勝手に借りた写真です☟

頭部がグレーで、お腹がピンクのダルマインコと違って、ワカケは(ほぼ)エメラルドグリーン1色です。

ストックポートを含むマンチェスター南部は、少なくとも2万羽の生息が確認されている大棲息地だそうです。知りませんでした!見たことがありません。見たいです!公園や民家の庭、線路沿いなどで多数目撃されています。

イングランドで野生化した理由は諸説あるようです。

1951年公開の英米合作映画、「アフリカの女王 the African Queen 」の、ロンドンの撮影スタジオから大量に放された撮影用のワカケ。伝説のギタリスト、ジミー・ヘンドリックスが1960年代に、Wham! のジョージ・マイケルが1980年代にそれぞれロンドンで放したつがいのワカケ...が繁殖したという「都市伝説」めいた説が知られているそうです。

「ビンの蓋モザイクアート」の隣の、ジミー・ヘンドリックスの肖像ミューラルです☟以前のストックポート日報からの転載です。

1987年の英国南部の突風で破壊された、元貴族の邸宅だったロンドン西部の Syon Park の巨大な鳥舎から大量に逃げた、という説がいちばん信ぴょう性が高いそうです。

1930年代と50年代には世界的なオウムのブームがありました。言葉をよく憶え、手乗りにもなる知能の高いワカケは1980年頃まで人気のペットだったそうです。逃げたり世話がしきれなくなって放されたりした個体もかなりいそうです。

適応力があるようですね。

「インドやスリランカなど熱帯地方のインコが寒いイングランドで生存できるのか」と疑問に思った人もいるでしょう。北海道より緯度が高いイングランドはめちゃくちゃ寒いと思っている日本人は多いようですが、その実、冬の寒さは東京より穏やかです。

「ワカケ」は、日本でも広範囲にわたって野生化しているようですね。

で、このミューラルですが...

環境問題を考えて時間がたてば分解されるプラスチックも開発されてきていますし、けっこう色も褪せるはずです。耐久性はだいじょうぶなのかなぁ。もちろんフタのモザイク作家はプロでしょうし、ちゃんと知ったうえでの制作でしょうけど。

 

 

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公園の池で見かけた派手な夫と地味な妻のオシドリ夫婦、生態の現実にいささかガッカリ

2024年10月08日 08時03分37秒 | 英国の、生活のひとコマ

近所の広大な公園、ブラモル・パーク Bramhall Park に行きました。

コンピューターシステムの不具合で無効になった処方箋の再手続きに診療所に行った夫に、散歩がてら付き合いで出てきました。ついでに回り道して、パークまで足を延ばすことにしました。

坂下のパーク正門わきの林道から入って...

小川の水が流れ込む人口の池に出ました。

今日の話題は、ブラモル・パーク名物(だった)オシドリ Mandarin duck です。

10年以上前には地元の新聞に写真が載り、きわだつ美しさがちょっとした評判になりました。行くたびに誰かが写真を撮っていましたっけ。

その時は2羽ぐらいしか見なかったはずです。...数年後にはかなり数が増えていて、注目を浴びることもなくなりました。

現在は、見かける時もあれば見かけない時もあり、ー時より数は減ったかもしれません。

東欧系のー家が気前よく食べ物をやっていました。

水鳥たちのガツガツぶりは見ものでした。

ふたつある池と小川から全員集合。よっぽどお腹が空いていたのでしょう。天気がいいのに平日のためか、あまり人はいませんでした。

子供たちが小さかったころ、天気の良い週末にパンの耳を持って行っても、1日中エサをもらい続けてお腹いっぱいだった水鳥たちは見向きもしませんでしたよ。「パンくず?いらん」と言われました。

こうしてみると、やっぱり目立つオシドリ...けっこうたくさんいるようです。

「え、あれとあれ、もしかしてペア?」と夫が指さしました。おなじみの華やかなオシドリのとなりに、細身でジミ~な色彩の、それでも目つきがよく似た水鳥がいます。

忘れていました。オシドリって、雄雌の見た目が全く違うんですよね。カラフルなオスにばかり気を取られてそばにいるモノトーンのメスの存在にはあまり目が行きませんでした。見た目の落差が極端です。

「奥さんジミだね、失礼だけど」と言う夫に、「オシドリ夫婦」の由縁である「オシドリはー生涯、1羽の相手と添い遂げる、パートナーが死ねばもう1羽も食べるのをやめて死ぬ」という日本ではおなじみの美しい話を教えました。

ウィッキピィーディアの日本語版には「(その話はウソ)冬ごとに毎年パートナーを替えることが判明している」と書かれています!えーっ、ガッカリ。

英語版には、「中国、韓国、日本では、伝統的に生涯パートナーを替えない習性をもつと言われているオシドリが夫婦愛や貞操のシンボルとして認識されている」という内容の説明がありましたが、生涯パートナーを替えないというのがほんとうなのかどうなのか、が書かれていません!

英国の野生生物観察ウェッブサイトによると、「毎年、替える」そうです!しかも、交配がすんだら多くのオスは全く子育てに関与しないでどこかに行っちゃうそうです。えーっ、知りたくなかった。托卵するメスもいるそうです。家族愛のイメージも崩壊...

パートナーがー生涯きまっているのなら、あんなにハデハデな羽毛でおしゃれしてメスの気を引く必要もないですよね。

私が撮った写真は遠すぎて画質が悪いので、英国の野生動物観察ウェッブサイトから勝手に借りたプロの写真を載せます☟(キレイ!)

もともとの棲息地である極東からペット、観賞用として輸入されたオシドリは、逃げ出したり放されたりして英国とドイツで定住、野生化して急激に数を増やしているそうです。(もちろん、このまま増え続けた場合の生態系への影響も心配されています)

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秋を彩る紅葉と、交通事情にマッチしたおかしな形状の木々

2024年10月08日 06時55分22秒 | 英国の、生活のひとコマ

この季節になると毎年のせている、通りの紅葉の写真です。

天気がいいので、近所の商店街の郵便局まで歩きました。

暖かい日でした。半そでのティ―シャツの上に手編みのセーターを着て20分も歩くと汗をかきました。

ジョギングする人、イヌを散歩させる人がいっぱいの土曜日の朝です。

この、エスプレッソ・コーヒーを売るヴァンはいつもこの場所で営業しています。

犬の散歩中の人など常連客がいて、すごく繁盛しているようです。food van とか catering van とか呼ばれるこのタイプの移動式の食べ物やさんは、オフィス街や工場の近くあるいは大きな公園や海岸の近くでよく見かけます。バーガーや、フィッシュ&チップスなどを売ることが多いのですが、「住宅街でコーヒー」は意外な需要な気がします。

すぐそばに家があって、帰ればタダでインスタントコーヒーが飲めるのにお金を払って、本格的なエスプレッソ・マシンでいれたコーヒーを持って帰って飲む...贅沢です。

ー休みしたかったので(幸い天気がよくてベンチもある!)紙コップに入ったアメリカーノを買って飲みました。

順不同、木々の写真です。

 

 

気がつかれたでしょうか。歩道の端や、住宅の前庭に植えられた種類や樹齢がバラバラな、車道に枝を伸ばした木の多くがおかしな形をしているのを...(実は以前に何回か、この話題で記事を書いています)

ひんぱんにバスが行き来するバス通りです。上の写真はあまり良い例ではないのですが道路沿いの大木がダブル・デッカー double decker(二階建てバス)の車体に沿って庇のように刈り込まれているのです。

バスの2階の左側の席に座ると、木に接近していくスリルが楽しいですよ。刈り残した小枝がジャリンジャリンと窓にあたります。

うちの通りを出たすぐの道も、1時間に1本ですがバスが通ります。ラッシュアワーには2階建てバスを通すため、やはりダブルデッカー形の刈り込みです。

1930年代に造成された住宅街ですので、樹齢90年前後のやはり種類がバラバラの木がずらあっと並びます。

右側にちょっと写っているのが、例の「キノコ密集帯」です。

 

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食べてもだいじょうぶそうな、おいしそうな見かけの野生のキノコ、住宅街のただなか

2024年10月04日 20時23分35秒 | 英国の、生活のひとコマ

4日前に通りかかった、近所の通りの...なんと言うのか、歩道と車道を分ける芝地の分離エリアのような場所に

..キノコがにょきにょき生えていました。種類はいろいろ。

庭の飾りの木彫りのキノコのようなどっしりした風格です。

以前キノコに関する記事にしたのと同じスポットです!キノコの種類は違います。不思議です。誰かがキノコの菌の詰め合わせでもこの場所にばらまいているのでしょうか。(まさかね)

記事のリンクです☟

とり放題?身近なキノコ...死の危険と隣り合わせのキノコ狩り

 

そばの別の「分離帯エリア」には浅く縦横に切り込みを入れたような模様の丸っこいキノコがちょんちょんと点在。

 

やはり気になるのは、食べられるか否か。

英国内で「毒キノコ」認定されているのは10種類以下、多くは希少種で、キノコに当たって死ぬ危険度はかなり低いそうです、が!やはり怖いのは毒キノコの王者、デス・キャップ death cap 。名前からして怖い怖い「死のカサ」!

見るのが楽しいだけの、「キノコ識別カード」は全く参考にしていません。

英国各地で発見が報告されています。

ヨーロッパ原産で大航海時代以後に材木や植樹用の樹木といっしょに世界中に広まってしまったという猛毒キノコ!食べたらたいてい死にます!成長した1本の半分が成人1人分の致死量だそうです(怖い怖い)

アメリカ合衆国西海岸には、デス・キャップばかり群生している森林があるそうです。(怖い怖い)いえ、いっそのこと群生してくれたほうが、食用キノコと間違えて食べて死ぬ事件は防ぎやすいかもしれませんね。

各国に、何種類かデス・キャップによく似た食用キノコが自生しているということなので注意が必要です。

北海道でも見つけられたという、デス・キャップ、和名はのどかな「タマゴテングタケ」...「~タケ」ってついているとおいしそうな名前に聞こえますよね。

色のバリエーションはさまざまだそうです。

参考までに、ウィッキピィーディアで見つけたデスキャップのわかりやすい写真です☟

タマゴの殻のようなツボを破って成長するので、タマゴテングタケ。

 

去年の夏(前回の記事の投稿後)、娘のインターネットゲーム仲間がとまりに来ました。デンマーク人の20代半ばの青年ですが、子供の頃から家族とともに地元の森でキノコ狩りをしてきた「キノコ名人」でした!

英国ではー般的ではないキノコ狩りですが、欧州(特に東欧)ではけっこう人気の、実用を兼ねたアウトドア・アクティビティみたいですね。

その青年いわく、彼の地元の森のキノコのほとんどは食べても害がないそうですが、おいしくもなく誰も見向きもしないとか。キノコ狩りの対象として狙われるのはいくつかの特定の種類の風味の良いキノコに限られる、のだそうです。日本のマツタケや南欧のトリュフ...みたいなかんじでしょうか。それほど高級感はなさそうですが。...けっこう貴重な情報でした。キノコ狩り文化の進んだ国では毒がないからと言って何でも食べるわけではないということです。

たぶん、食べても大丈夫なような気が...(なんとなく)します。でも「おいしい」と地元で認識されているようなキノコでもないかぎり、たとえ間違いなく無害だとわかっていても、今では食べる気はしません。他に食べるものがないわけではありませんし。

おいしい高級珍味キノコがこんな場所にニョキニョキ生えているなんて考えにくいです。

 

昨日、同じ場所を通りかかったら、たぶん誰かに蹴り散らかされたかイヌがほじくったか、壊滅状態になっていました。

私の指を添えて大きさの比較写真も撮っておきました。

「切り込みキノコ」は成長していました。

 

 

 

 

 

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かやぶきコテージ裏の静かな雑木林の小道、ちょっとした郷土史のー部

2024年09月28日 04時17分53秒 | 英国の、生活のひとコマ

紅葉がすすむ閑静な住宅街です。

駅、診療所、図書館そして商店街のあるバス通りと(ほぼ)平行に走る通りです。

.

バス通りに抜ける近道のひとつが、このベンジャ・フォールドと言う...

...3本に分かれた小道です。

 

左端は...

行き止まりに高級老人ホームがある、ー車線の車道です。(対向車をやり過ごすための退避スペースがあります)

モデルルームへの案内に熱心です。

 

右の道は選挙の投票所にも使われる「スカウト・ハット」で行き止まり。

そしてまんなかが、バス通りに出る古い古い小道です。紅葉はまだ、今ひとつ...(残念)

 住宅街と繁華なバス通りのあいだに、こんなに静かな雑木林があることが驚きです。全長は徒歩5分ちょっとぐらい。

小川がジョロジョロ流れています。

 

鳥のさえずりとともに、左側の線路を電車が通過するゴーッという音が聞こえました。

橋を渡って坂を上がれば...

17世紀のかやぶきコテージがかたまって残る開けた場所に出ます。

ボロボロのクロッカス・コテージと...

かやぶき屋根が見事に残るベンジャ・コテージです。

コテージについて書いた前回の記事のリンクです☟

ちょっとした郷土史を今に伝えるにぎやかな商店街のはずれのかやぶき密集地(無残)

ベンジャ・フォールドはおそらくこのかやぶき屋根のコテージ群以前からのフォールド(囲いこみ地)なのでしょう。

ベンジャ・コテージの前を通ってバス通りに出れば2020年代の現実社会です。

ベンジャ・コテージの右に樹齢数百年の樫の木がそびえる空き地があります。

 

老人ホームの敷地だそうですが、「ベンジャおばさん(前回の記事参照)」によれば、この場所には何も建ててはいけないという条例があるそうです。17世紀の集落の名残と囲い込み地に雑木林の小道が始まるこの場所の景観を昔ながらに維持するためでしょうか。

老人ホームの入居者が夏にピクニックでもするといいかもしれないスペースです...が、もったいないですね。

バス通りをはさんだななめ向かいに駅、すぐ向かいに図書館と診療所があり5分歩けばオシャレなカフェやレストランで人気の商店街があり、マンチェスター国際空港に直通のバイパスもすぐ近く...日本だったら高層マンションや多層駐車場が建設されるべきー等地です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちょっとした郷土史を今に伝えるにぎやかな商店街のはずれのかやぶき密集地(無残)

2024年09月25日 05時32分28秒 | 英国の、生活のひとコマ

商店街がある賑やかなバス通り沿いに、かやぶき屋根のコテージ  thatched cottage があります。

バス通りをはさんで向かいには駅、図書館、診療所があります。

 

3年前に記事にしました。☟

商店街の始まりにかたまって残るかやぶき屋根のかわいらしいコテージ、イギリスの原風景?

じつはもう3週間も前の話ですが...(3週間前に撮った写真と、火曜日に撮った写真が混在しています)

図書館から出た時に、このコテージの奥にある、同じくかやぶき屋根のー棟の長屋の屋根にターポーリン tarpauli(防水シート)がかかっているのが目につきました。

「何事だろう」と道を渡って行ってみました。

かやぶき屋根、いつの間にか取り下ろされているようですね。荒み方もすごいです。

ちょうど表通りに面した目立つコテージ、「ベンジャ・コテージ Benja Cottage」...

...に住む高齢女性(以下、ベンジャおばさん)が家の前の落ち葉を掃除していたので事情を聴きました。

ちなみに、この1棟の長屋には「クロッカス・コテージ Crocus Cottage 」という登録名があります。

 

「ベンジャ・コテージ」とともに、第二級保存指定建築 Grade II listed Building, National Heritage List For England です!建造は17世紀。書類等はなく考古学研究に基づく推定だそうですが。帰宅後、郷土建築史のウェッブサイトで調べました。

☟細長い箱のようなのは、「井戸」のポンプです。

ベンジャおばさんが「もう10年近くこの状態」と言っていたのはかん違いです。3年前のストックポート日報に完璧な状態のかやぶき屋根の写真を載せています。上のリンクをあけて写真を見てください!

ベンジャおばさんと親しくしていた「クロッカス・コテージ」の(現在ボロボロの右端部分の)持ち主は高齢で古い家の維持が難しくなったので10年ぐらい前に現在の持ち主の男性に家を売り、息子の家のそばに引っ越したそうです。10年前に引っ越したのは事実かもしれませんが、たったの3年前までは立派なかやぶき屋根は健在でした。

...3年前に私が写真を撮った後に、おそらく現在の持ち主が引っ剥がしてしまったのではないでしょうか。その後葺き替える予算が底をついたとか...?保存指定建築ですので、お手頃ななタイル瓦などを載せるわけにはいきません。

ベンジャおばさんと今は亡き旦那さんがベンジャ・コテージを買ったのは20年ほど前、歴史遺産の現状維持に心を砕いてきたそうです。

保存指定建築を好き勝手に補修、改装することはできません。...と言ってもベンジャ・コテージは、17世紀の建造物でありながら19世紀にかなりの部分が、17世紀のスタイルで(ほぼ)忠実に補修改装されているようです。(ウェッブサイト調べ)

5~60年ごとのかやぶき屋根の葺き替え時期はまだ先、10年ちょっと前にいたんできた藁を抜いて部分的に取り換える作業をしたそうです。

ギルド資格を持つ、通いで作業できる地元の職人にたのんだら仕上がりが気に入らず、イングランド中部を拠点に国中を旅してまわる評判の良いかやぶき職人ー家(お父さんと息子3人)に依頼しなおしたそうです。

数日、裏庭にテントを張って泊りがけの作業で、食事は依頼主が提供。満足のいく仕上がりで数年後にまた依頼する予定だとか。

カギ型のクロッカス・コテージの奥の部分は以前からスレート瓦葺きです。ボロボロ部分に住んでいた、ベンジャおばさんの知り合いとは別のご家族が住んでいるようです。不動産ウェッブサイトによるとー時売りに出ていたので、比較的最近に越してきたのではないでしょうか。

外から観察したところ、ボロボロ部分の並びのもう1軒分までそのご家族が住んでいるらしいことが察させられました。(上の写真の、電灯がついているドアが入口だと思います)

ベンジャおばさんも、ターポーリンに覆われた見苦しい隣家の歴史資産のようすに心を痛めていました。かやぶき屋根の葺き替えが待たれます。

ドアの数から察するに...3軒長屋の様相です。

となりの、戦没者慰霊塔も第二級保存指定建築だということをウェッブサイトで調べて知りました。

この「戦没者慰霊広場」から、ベンジャ・コテージの裏側がー望できます。

かなり長いこと、戦没者慰霊広場に面した板塀が倒れていて、修繕する気配もありません。

ベンジャ・コテージとクロッカス・コテージのあるバス通りから引っ込んだ小道には、ベンジャ・フォールド Benja Fold と言う古風な名前がついています。fold とは「囲い込まれた土地」と言う古語だそうです(今調べました)

ベンジャ・フォールドは、バス通りと平行に走る高級住宅街に通じています。小川の流れるうっそうとした雑木林を抜けるタイムスリップしたような小道です。クロッカス・コテージの脇を走っています。この話はまた今度。

 

 

 

 

 

 

 
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のどかな秋の風物詩、かかしの祭典に人体実験の参加作、白衣を着たうさちゃんの死の天使

2024年09月21日 05時14分50秒 | 英国の、生活のひとコマ

商店街で、8月の中ごろから「かかし祭り Scarecrow festival 2025」が開催され(...すでに終了し...)ました。

地元のロータリー・クラブが主催する、かかし造りの腕と言うかセンスを競い合う地元振興の慈善イベントです。参加費用は20ポンド、全額、慈善事業に寄付されます。

9月14日(土曜日)にストックポート市長(!)による審査の結果、5部門の優勝作品が発表されイベント終了。

 

審査結果の発表後、ほとんどの参加者は参加作品をかたづけています。が...

イベント終了後、5日もたつ木曜日になっても敷地内で存在感を主張し続ける、かなりクセのある参加作品(上の写真)が気になりました。

「バイオハザード(生体への危険)警告マーク」付きの「うさちゃんの実験室/人体実験のみ」札がつけられた檻(鳥かご)に収監されたバービー2体...手前のー体には「実験材料#8925」と書かれた札がつけられています。不穏です...!

ウサギの耳のついた帽子をかぶり白衣を着た、「バニー(うさちゃん)の科学者」の...かかしです。

The Humane Research Trust (人道的な研究財団)というチャリティ団体らしい、機関の活動内容が気になりました

帰宅してから調べてみると...(看板の下にも簡単な事業内容の説明があります)

住宅を拠点にしたこのオフィスが全国規模で活動している「動物の生体実験廃止」を目標に活動するチャリティ団体の総本部らしいです。

人間の病気や人間が使う製品の安全性などに関する研究、実験に動物を使う必然はない、①「細胞学」技術の応用で...(私には理解不能の科学用語満載の説明でした...)生体実験と同じ正確さで検証できる、②コンピューターのアルゴリズムで解明できる、③最後の段階には人間で臨床実験できる... 以上の3手段を生体実験の代替として提案、研究機関にアドバイスや手助けをしているようです。運営者は生物学者や医学者です。

私にはわかりませんが本当なのでしょう。応援したいです。

 

ヒューメイン・リサーチの道路をはさんで向かいの歯科診療所の...

手の込んだ歯科医師と患者の2体コンビのかかしです。(イベント開催中の、2週間前に撮りました。私の一番のお気に入り)

 

他にも、50体は見かけました。いちばん上の写真は私がボランティアでお手伝いをしているチャリティショップ、オックスファムの斜め向かいの弁護士事務所の参加作品です。「バニーの科学者」と同様に木曜日になってもまだ展示されていました。弁護士事務所の作品は絵本などに登場する牧歌的で伝統的なかかしをていねいに再現しています。イベント終了後も、秋らしいオフィスの飾りとして10月の終わりごろまで客寄せに展示し続けるつもりかもしれません。

 

英国では夏の終わりから秋にかけて「創作かかし造り」がなぜかものすごーく人気です。病院などにも地元の小学校の子供たちが作ったかかしが飾られていて見る人をギョッとさせることがあります。

うちの供たちが小さかったころ、立ち寄ったカントリー・パークのカフェで「参加者が少なくて盛り上がらないので飛び入りで参加してほしい」と声掛けされて了承、麦わらがいっぱいの倉庫に案内され家族で1体作ったことがあります。用意されていた材料(大量の古着やぼろ布)を使ったので大して創意工夫は発揮できませんでしたが...優勝しました!

賞品はオープンしたばかりの歴史遺産アトラクション、Staircase House の家族入場券でした。(Staircase House はストックポート日報で取り上げるにふさわしい、ストックポートの重要な観光資源なのですがまだ投稿が実現していません)

クリーニング屋のペンギンは「野生部門」の優勝作品です。制作した店員さんが顔見知りなので写真を撮りました。

かかしと言えば、藁を詰めた布(あるいは枕カバー)をテルテル坊主のようにしばった頭部をモップの柄に取り付けて、十文字に渡した横木に袖を通して着付けをするのが定番ですが...ペンギンとは意表をついていますね。

市の指定ゴミ箱に半身を隠した探検家のかかしは「オリジナル」部門の優勝作です。美容院の参加作品です。

これらの優勝作品はイベント終了後も火曜日あたりまで、優勝の証の黄色いロゼットを得意そうにつけて展示され続けていました。(木曜日に行った時は、どちらも片付けられていました)

人体実験実施者のバニーの科学者は、いつまで居座るつもりなのでしょうね。(がんばれ)

 

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消費者の心をつかむため環境に良いことに切り替えていく、スーパーマーケットの新しい戦略

2024年09月13日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

1ヶ月以上前に撮った写真です。

ちょっと高級志向のスーパーマーケット、セインズベリー Sainsbury's で買ったサザンフライド・チキン Southern Fried Chiken の「半出来合い」製品です。スパイス入りの砂粒のように細かいパン粉のコロモがついていて、オーブンで焼くか油で揚げればシャリっと仕上がる鶏の胸肉です。

ケンタッキー・フライドチキンに代表される合衆国南部の郷土料理で、日本だと「唐揚げ」に匹敵するほどの人気で、コンビニエンスストアやサンドイッチ屋などでも売られています。

....いえ、今回のテーマは食べ物紹介ではありません。

茶色い厚紙の容器(紙の食品トレイ)に注目です!

プラスチックごみが世界的な社会問題になってずいぶん経ちますよね。紙の食品トレイが今までなかったのが不思議なくらいです。

 

別の日に庶民的なスーパーマーケット、アスダ Asda の店頭で撮ったサザン・フライド・チキンです。

あ、これは「胸肉 chiken breast 」ではなく「ミニ・フィレット mini fillet (細長いフィレ肉)」でした。

アスダのはおなじみのプラスチックのトレイ tray に入っています。

...ここ5~6年でしょう、多くのスーパーマーケットのプラスチックのトレイが、がっしりした硬い素材からカシャカシャした手触りの薄い素材に替わってきているようです。それでもやっぱり、先進国ではリサイクルが思うようにいかないと言われているプラスチックの容器入り。

別のスーパーマーケット、ドイツ資本の国際チェーン、リドル Liddle で買ったぺちゃんこモモ。

硬いプラスチック容器に入れられて売られていました。ちなみに、深いものはフランス語のカゴ(パニエェ)からパニエット paniet と呼ばれます。

セインズベリーはたぶん「意識高い系」の人がメインターゲットの客層なのでしょう。リサイクルがたやすく、簡単に分解する紙製の容器に少しずつ切り替えていくようです。

火曜日に久しぶりに行った大型店舗セインズベリーでは、もう半分ぐらいの生鮮食品が紙のトレイに入って売られていました。ジャガイモ、タマネギなどのゴロゴロ野菜は以前と変わらず「ビニール袋(英語でplastic bag といいます、後述)」入り。

1カ月前にチキンを買った時は、肉サカナほぼすべてと、野菜果物の10%ぐらいが紙皿入りだったような印象でした。

ー度にビシッと100%紙容器にきりかえられないのは、生産者のもとにまだプラスチック容器が残っているから...かな?エコロジー路線に切り替えたため、まだ残っているプラスチック容器を大量に廃棄したりしたらそれこそ環境に気遣う消費者の大反発を買いそうです。

庶民的な客層の比較的お手頃な価格のスーパーマーケットは対応が遅そうです。

ここストックポートを含む英国の多くの自治体ではスーパーマーケットの食品トレイはリサイクル対象外です。プラスチックの牛乳ボトルやドリンク、ケチャップなどの調味料入りのボトル類などが対象の、市が3~4週毎に回収する「プラスチック・リサイクル」ゴミ箱に入れられません。ー般ごみとして焼却されるようです。

「プラスチック・リサイクル」として回収されたボトル類はボトルの材料として再利用できれば理想なのでしょうが、なかなか難しいようです。コストがかかっちゃうようですから。そのかわり、プラスチックボトルを材料に作ったポリエステル衣料やランニングシューズ、ー体成型の椅子などが環境に気遣う人たちの人気を集めているようです。SNSのリールなどで制作過程の動画をよく見かけます。

 

...10年ほど前に、工業製品に再利用する名目で多数の先進国からひきとった大量のプラスチックボトルを中国が海に廃棄していて大問題になりました。

プラスチックのリサイクルってやはり採算に合わないので引き取り手数料を受け取ったものの、ゴミを押し付けられた中国はやっぱりいらなくなったのでしょう。

採算が取れるようなリサイクル・システムを整備するより、プラスチックごみを徹底的に減らす方が手っ取り早いそうです。調べてみたら、紙トレイに切り替えたのはセインズベリーだけではありませんでした。

大型店舗のセインズベリーに...

「やわらかいプラスチック flexible plastic」... 要するに日本で言う「ビニール」をリサイクルするための回収箱が設置されていました。ありとあらゆる、使い捨ての「ビニール」袋やシートや容器や包み紙を回収しているようです。梱包用のプッチンプッチン(バブル・ラップ bubble wrap)まで!

びっくり!...できるんだ。

ずっとー般ごみでしかなかった大量の「ビニール」類の廃棄をやめて、土壌や海洋に紛れ込まず焼却する際の有害ガスも削減されたら...すごい進歩です!

スーパーマーケットが販売している自社ブランドの、多くは店内で焼き上げているパンを包むシャリシャリした薄いフィルムや、レタスやブロッコリーを包むクリング・フィルム cling film (=サランラップ)みたいな「やわらかいプラスチック」はリサイクルできないようです。

薄いフィルムは土壌に還元できるし、サランラップみたいなのは焼却するしかないようですから。

ゴミを減らす工夫や、リサイクルに関してまだまだ書きたいことがあるのですが、長くなるのでまたいずれ...

 

ぺちゃんこモモを土嚢のように積んでみました。

皮のまままん中のへこんだところを親指と人差し指でつまんでパクっとかぶりつき、くるっと回しながら3,4口で食べられる小さなモモです。

 

 

 

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病院に付き添い、問題山積みの英国の医療制度を再評価

2024年09月11日 07時28分10秒 | 英国の、生活のひとコマ

娘がレントゲン(X-ray)を撮るためにストックポート唯ーの病院、ステッピングヒル・ホスピタルに行きました。(近所です)

「レントゲン科」の表示サインがあまりにもかわいかったので写真を撮りました。

呼吸が浅いという娘が、かかりつけ診療所 GP's surgery の「ー般医 general practicioner=GP」による「電話診療 phone call consultation 」を受けた際、「いつでもレントゲン撮影をしてもらえるよう手配しておくからできるだけ早く行って来て」と言われました。その翌々日に、レントゲン科の受付で見せれば予約なしでレントゲン撮影が受けられるGPからの手紙が送られてきました。

診療所まで出向く「対面診療」は予約待ちがありますが、「電話診療」は受付後いつでも電話が取れるように待機していれば数時間でGPと話せるのが普通です。

全てのサービスが原則無料の「国家医療サービス National Health Service =NHS」の破綻が指摘されて久しい今、労働党新政権の最強最大の公約が「NHS の建て直し」!!

...手術や処置の待ち時間が長すぎる、医療従事者の待遇が悪すぎてストライキが頻発などなど、労働党の新政権が立ち向かう課題は多すぎです。

成人した娘に付き添いは不要ですが、病院内の構造は複雑で「X-ray A」なる科を探し当てるのは特性のある娘にはー大事だと私が勝手に判断して待合い室までついていきました。

...案内表示がわかりやすく、「X-ray A」は簡単に見つかりましたし、受付後10分も待たずに撮影してもらえました。結果はGPから直接の連絡待ちです。

...手際よさと処置の早さにびっくり。踊るホネホネトリオのかわいらしさとともに、まだまだ捨てたものではないNHSのサービスを高く評価します。

4年前と今年の3月に書いたストックポート日報の記事リンクです☟☟...

選択肢がほぼ皆無、すべての人が恩恵にあずかれる世界に誇るイギリスの無料医療制度

優先順位を上げるコツ? 大したことのない腰痛で国家医療制のありがたさを満喫

英国の医療制度について、わかりやすく解説しています。

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これで3回目、最近の夫家族の結婚式と英国の結婚式次第

2024年09月03日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

先週末、(1週間前です)夫の妹の結婚式に出席しました。

シビル・セレモニー civil ceremony 、あるいは登記結婚式 registry wedding とも呼ばれる、市の結婚登記所の係官がとりおこなう宗教色抜きの結婚を法的に承認する手短かな儀式です。

ここ2年間で2人の姪につづいて3回目の、夫の親族のシビル・セレモニー挙式です。

儀式は宿泊したロイヤル・ウートン・バセットから6㎞ほど離れたマームスベリー Malmsburry 郊外の、イベント会場のような場所でとりおこなわれました。マームスベリーは、コッツウォルズの市場町です。

12世紀建造の古い僧院に隣接した、築後300年は経っていそうなこの建物は内装全体がサファリのテーマで統一されていました。

動物の頭部のはく製(トロフィー=狩りの獲物)を模したリアルなぬいぐるみの頭部がところどころ壁を飾っていました。(大はしゃぎでいっしょに記念撮影をした私と娘がうつっているのでお見せできません)

併設のバーでは黒白のサルが電球を手に持っていました。もと中庭だったらしいこの場所にはガラスで覆われた不気味な古井戸もありました。

 

「写真のSNS投稿は明日の朝までお控えください」という主催者からのお願いは、2人の姪の結婚式の時とおなじです。昨今のエチケットのようです。「花嫁より先に不特定多数の人が挙式写真を見るのはよくないからだ」そうです。

「儀式の途中の撮影はご遠慮ください」はもちろん常識です。立ってパチパチは失礼ですものね。(雇われたプロの写真家がー部始終を撮影していました)

それとは別に気がついたことがあります。「この結婚に異議のある人は今、申し出てください」という、決まり文句の恒例のステージをクリアした時点で、「ハイ、写真撮っていいですよ」と言われました。

シャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」では、ロチェスター氏が結婚していることをわざわざジャマイカからやってきた妻の弟が教会でぶちかまして結婚が中止になりましたよね。...結婚の遂行に万がーにもジャマが入る可能性が完全になくなるまで待って、ということもあるのでしょう。

英国では、日本のように「籍だけ入れる」書類結婚はあり得ません。式の予約後、結婚の「告知 Giving Notice」をー定期間登記所 registry office /教会の壁に貼りだし、式当日は登記所/教会で証人2人をたてて係官/牧師の前で宣誓、署名しなければ婚姻は成り立ちません。

「重婚」防止の意味があるのでしょう。どこに住んでいても婚姻、離婚が必ず戸籍にさかのぼって記載される日本と違って、英国では登記所や教会を別の場所/宗派等にしさえすれば「重婚」できるようです。

新郎新婦は50代と40代の再婚どうしでしたが、三つ揃いの礼服とセリーヌ・ディオンがステージで着るようなゴージャスなオフ・ホワイトのロングドレスで華やかでした。

夫の弟(花嫁の兄)と未婚のパートナーと彼らの十代の息子と娘はバカンスっぽい普段着でした。(イヌも連れてきてたし!)

男性の招待客の多くはスーツ、女性は華やかなお出かけの装いです。

写真撮影のために移動した庭園です☟。奥に見えるのが式場です。

夫は冠婚葬祭に着まわしている濃い青のスーツで、長兄として17歳下の妹を式場にエスコートする「花嫁の父」の役をつとめました。私は同じメンバーが多数同席する3回の親戚の挙式用に3着の違うワンピースを購入しています。すべて15ポンド前後(3,000円以下)のチャリティショップの古着ですが!

ドレスコードはかなりゆるいです。

 

先をクルリンと巻き上げた口ひげに、ウェストコート(チョッキ)がついた三つ揃いスーツの、名探偵ポアロのような身なりのロンドン紳士は、ブライドメイド(花嫁の介添え)のご主人です。

ステッキと、ウェストコートのボタンに銀鎖でつないだ銀の懐中時計、口ひげを整えるためのワックスと、口ひげがドリンクで濡れないようグラスのふちに載せるシリコン製のムスタッシュ・ガードを常時携帯しています。老眼鏡も鼻に掛けるツルのない鼻眼鏡でした。タバコを吸わないにもかかわらず、便利なので持っているという葉巻用のナイフも見せてくれました。

外出時はいつもこの服装だそうです。

冬はボーラーハット、夏はパナマ帽をかぶり、襟に生花のバラもつけたこの服装でロンドンにお買い物などに出かけて浴びる観光客の視線がうれしいそうです。京都の舞妓さんのようなことを自主的にやっているようですね。「日本人の若い女性グループにバッキンガム宮殿に行く道を聞かれ、連れて行ってあげたらいっぱい写真を撮られた」と嬉しそうに話していました。

 

式の終了後、シャンパンで乾杯したあと場所をマームスベリー・アビー Malmsburry Abbey 横の夏の終わりの花壇が美しい庭園に移しました。記念写真を撮るためです。

 

 

マームスベリー・アビーは12世紀建造の僧院です。第ー級保存指定建築、アルフレッド大王の息子、アゼルスタン(初のイングランド統ー王)が埋葬されていることで知られます。見学できなくてちょっと残念。

本来この庭園で式を挙げる予定だったのが、登記所の係官に出張してきてもらう手続きが不備で、となりのイベント会場(公式の登記出張所)に式場を変更したそうです。

夫は、花嫁のエスコートの時に襟につけられた生花のバラがじゃまなので式後、捨てたがっていましたが「写真撮影終了までつけておくように」と私が厳命しました。...その実、なぜか出席者の集合写真撮影はありませんでした。

バラは結局胸ポケットに入れて持ち帰り、滞在先のホテルで捨てました。

この庭園で、新郎新婦がプロのカメラマンにいろいろなポーズで写真を撮られていました。私たちはそれを見つつ、庭園と歓談を楽しみました。(出席者の記念撮影がなかった理由は、今もって謎です)

もちろん、各自でバシバシと撮りまくったカップル、家族写真が翌日のインスタグラムに数多く投稿されました。私は見るだけで投稿はしません。

 

僧院はヘンリー八世による国教会令で解散させられたあと、部分的に廃墟になっていますがー部は国教会の礼拝場所として現在も使われています。

ちなみに花婿は、6年前にストックポート日報に詳しく載せた、パリ滞在記に登場する夫の妹のパリのアパートメントで同居していた婚約者(当時)とは違う人です。

 

 

 

 

 

 

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空前の逮捕者数、マヌケ者のあぶりだし、先週の暴動の顛末

2024年08月09日 06時04分11秒 | 英国の、生活のひとコマ

ストックポート日報、1週間ぶりの更新です。

「極右/移民排斥主義者(=白人至上主義者/人種差別主義者)の暴動」のその後。

写真は酷暑のスペインから避暑に来ている息子(現在ホテルのシェフです)がうちで調理してくれたイングリッシュ料理です。ー番上はロースト・ビーフ。息子はグリーンピースをつけるのを忘れたと悔しがっていました。

8月3日(土)と4日(日)に、極右 far-Right によって意図的に引き起こされた大規模な「抗議活動 protest」... とは名ばかりの、実質は非常に悪質な破壊、略奪、暴力行為が主体の暴動 riot についての前回の記事のリンクです。

先週から週末にかけての英国の極右暴動と暴徒たちのバカ者ぶり

5日(月)あたりから、暴動に参加した人たちの逮捕が相次ぎ、異例中の異例の速さで有罪判決が下されています。暴力行為が立証された暴徒のほとんどが実刑判決を受けています。

現行犯逮捕された人はもちろん、何万とも言われる非常に多数の犯罪行為真っただ中の動画や画像が撮影され、SNSで大拡散されているため、ほぼすべての被告人の罪状は簡単に立証できます。(スマートフォンカメラとSNSの威力はすごいです。撮らせる暴徒のバカさ加減も特筆ものです)

...1週間たった、昨日12日(月)夕方までに逮捕者は約900人、うち466人が起訴されています。英国は「動乱国家」か!?という勢いの不穏さです。

息子が自分のお皿に盛りつけた大盛りのロースト・ビーフです☟

 

(3日と4日の)週末明けに実刑判決をくらった暴徒たちの凶悪そう(あるいは大マヌケ顔)にうつった顔写真が、終日ニュースで流れまた新聞の第ー面を飾りました。各地の逮捕者の氏名ー欄がニュースやオンラインで公表されています。

英国のいわゆる「name & shame 氏名を公表、恥を知れ」式の懲罰ですね。賛否両論あるようですが、軽犯罪の抑止にはそれなりの効果があるらしいです。

 

週末、軽いノリで「抗議活動」に参加して暴力犯罪、破壊・略奪行為にまではずみで手を染めてしまい週明けに「とんでもないことをした」と冷や汗をかきながら警察に踏み込まれるのを待つ大バカ者の姿が目に浮かびました。

それもあって、5日(月)以降ほぼ毎日、英国中の複数の都市で続いた移民排斥を訴える抗議活動のほとんどが暴行ぬきの普通の「デモ行為」に終始しました。

民主主義国家では言論の自由が保障されていますから、極右だって言いたいことを公に言ってもいいわけです。

そして極右勢力が公的なデモ行為をする場所には必ず多数の「反抗議派 counter-protest」が「反抗議活動」のデモ行為を繰り広げていました。

先週末(10日、11日)には、全国で「ファシズムと人種差別を打ち砕け Smash Fascism & Racism」「移民歓迎 Refusees Welcome」を訴える「反抗議派」が大規模な平和的デモ行為を繰り広げ、多くの国民の支持を集めました。

1週間前に白人至上主義者によって破壊された各地のモスク(イスラム教寺院)に地域の非イスラム教徒(白人)が修復のための寄付や手伝いを申し出たり、キリスト教会のメンバーが「私たちは友達ですよね」とイスラム教徒を抱きしめる動画が投稿されたり融合融和を象徴する出来事が次々とニュースになった先週1週間でした。

移民コミュニティや地元の有志による、暴動でけがをした警官と家族のためのケーキなどの差し入れが地元の警察署に次々と届いているというほほ笑ましいニュースもききました。

...なんだかんだと言っても、インド系移民の子孫が首相になった英国はやはりそんなに悪い国ではない、ということが...とりあえずは...納得できました。

ロースト・チキンです☟私は市販のパン粉を使ってチキンに詰めるスタッフィングを手作りしました。

反移民の「抗議者」の中には「移民の急激な増加に懸念する」ごく普通の市民もいたようです。

移民対策がゆるそうな労働党の新政権に不安感を抱き同志を募って語り合いたいと思っている程度の穏健な右派ですね。そういう人たちは暴動、暴力や、移民阻止とはまーったく関係のない無秩序な略奪行為に発展した今回のー連の抗議活動にはめっちゃくちゃ憤っています。

そういう人たちは「不法入国者には厳しく対処してほしい、安易に難民を受け入れないでほしい、難民として受け入れられた正規の移民は歓迎して融合された社会をいっしょに作っていくべきだ」...と、至極もっともなことを言っていました。

「移民反対」を訴える人たちすべてが必ずしも白人至上主義者(人種差別主義者)でも「極右」でもないことがわかりました。

今回の「抗議活動」は逆効果もいいとこだったわけです。

 

ジャーン!ロースト・ビーフを食べた後、なぜか私1人がやるはめになった洗い物です!(調理中にこまめに使い終わった器材は洗っていたのですが...)

ベジタリアンの夫のための肉なしと私たちのための肉汁入りの2種類のグレイビーも手作りです。

「自分たち先住民族(白人、キリスト教徒)が、侵略者(非白人、イスラム教徒など)から英国を取り戻す」とわけのわからないロマンチックなスローガンを掲げていたのが白人至上主義者 White supremacist(人種差別主義者 racist )です!(大笑い)

...ヒーロー気取りで、しかも頭がわるいため悪いことをしている自覚がなかったようです。どうりで動画に撮られて平気な顔をしていたわけです!

スペインで料理の仕事をしている息子が作ってくれたのは、こってりした(私も作れる)イングリッシュ料理ばかり。イングランドの料理は決してこってりしたものばかりではないのですが、息子が帰国して食べたかった料理がこってりしたイングリッシュのオーブン料理だったのです。さすがに手際がよく感心しました。夕食後は毎日お友達とパブに出かけていました。

 

 

 

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先週から週末にかけての英国の極右暴動と暴徒たちのバカ者ぶり

2024年08月06日 04時08分59秒 | 英国の、生活のひとコマ

先週、英国各地(イングランドと北アイルランド)で起こった大規模な「極右/移民排斥主義者(=白人至上主義者/人種差別主義者)の暴動」について。

写真はうちのネコ。それと大木を伐採する前後のうちの庭です。

日本でも詳しく報道されたようですね。

「日本人にもうちょっと説明しておきたい」と私が勝手に思う点を書き出します。

昨日(月曜日)の時点ですでに200人以上の逮捕者を出している暴動の発端は、長ーいピア(観光桟橋)で知られる北西部の海辺の観光地、サウスポートの郊外で起きた無差別殺傷事件 2024 Southport Stabbing です。

7月29日、子供のダンス教室に押し入った17歳の少年が多数の子供と大人をめった刺しにして現行犯逮捕されました。3人の少女が死亡、重傷者10人が地元やグレーター・マンチェスターを含む近隣各地の病院に搬送されたいたましい事件です。

地元警察の高官が記者会見で「(未成年者なので人物特定が禁止されている)犯人の身元を特定する情報をめぐるSNSの投稿はやめてください。関係ない人を陥れる可能性があります」というようなことを言いました。

その実、「犯人はカーディフ(ウエールズの首都)出身の17歳無職、現在家族とバンクスという町に10年ちょっと前から住んでいる」とまで全てのニュースで報道されたので、「特定はたやすく、無実の人に迷惑がかかる可能性はなさそう」と思いました。

翌日30日に地元サウスポートで反イスラム主義者たちが「自分たちの子供をイスラム過激派から守ろう」というスローガンのもとに「移民排斥」を訴える「抗議活動」をはじめたのですが、私たちがニュースを見た時にはすでにパトカーに火をつけ、警察官に暴行する「暴動」に発展していました。そこで、反イスラム、移民排斥主義者を焚きつける目的で故意にウソの人物特定情報がSNSで拡散されていたことも知りました。

最初に「抗議活動」を始めた集団の多くは地元住民ではなく、潜在的な反移民感情と地元住民の憤りにうったえかけて騒動をおこそうとよそから集まってきた札付きの「極右集団」だったことがわかっています。

「犯人の17歳少年はゴムボートでやってきたルワンダ出身の不法移民でイスラム過激派」というウソ情報だったそうですが、じっさいは両親がルワンダからの移民で、彼自身は英国籍(移民二世)。ー部の報道によるとキリスト教徒だそうです。犯行の動機は現在不明ですが、自閉症で引きこもりだということです。

(現在は、犯行時に18歳未満であれば人物特定はされない法律の例外として来週18歳の誕生日を迎える彼の氏名と写真が公表されています)

凶悪性の高い事件の犯人が黒人少年だったことから人種がらみのヘイト感情が高まるのを抑える目的の警察からの勧告だったのですね。

「不法移民」と「イスラム過激派」のキーワードに刺激された日ごろからうっぷんをため込んで刺激を求めていた教育のない白人のならず者たちが「ウザいイスラム教徒や非白人を懲らしめてたたき出すチャンス!!」とばかりに呼応して各地で「抗議活動」、その実、破壊活動、放火、暴行、略奪などの暴動を起こし始めたというわけです。

はじめの頃の日本語の報道では「不法移民に反対」する人々...みたいに書かれていましたがそれ、違います。

「不法移民」に反対するのってそんなにいけないかな?って思いますよね?

あのバカ者どもがヘイトの対象にしていたのは「不法移民」だけではなく「移民」すべて、もしくは「移民」の子供や孫である「移民二世、三世」の英国籍保有者のズバリ「非白人」すべてなのです。要するにあの人たちは「白人至上主義者」=極右なのです。

「え、移民排斥=極右!?そんなバカな!」と思っている日本人は多いのではないでしょうか。アメリカ合衆国や欧州では「移民(非白人)排斥」を組織だって主張する人々は極右認定されることが多いのです。

「中国人に国を乗っ取られる」とか言っている日本国民の多くは、「白人」対「非白人」のようなわかりやすい目に見える肌の色や信仰の違いを対象にしていないので、差別している意識はあまりないのではないでしょうか。

現在「移民」申請して法的にー時滞在を許されている「不法入国者」が20人前後ずつに分かれて滞在している各地のホテルを襲撃した暴徒と、警護する警官の争いは報道機関の撮影でニュース映像になっていました。ロザラムとタムワースの「移民申請者」が滞在するホリデーイン・ホテルの襲撃事件はどちらも日本のニュース報道で動画が公開されているはずです。

暴徒本人たちがうれしそうに自分たちの「抗議活動」というか「暴行」を動画に撮りまくって親指を立てたり英国旗をかざしたりしてポーズをキメたりしているのには...呆れます。ヒーロー気取りなんですよね。「英国を我らの手に取り戻す」って...誰から?

その他、週末にロンドン、リバプール、マンチェスター、ベルファーストなどの大都市ほかでの、「殺害された少女たち」とは全く関係のない略奪、破壊行為に興じるバカ者たちのようすが、何万といわれる数の動画のSNSへの投稿で拡散しています。ー部はテレビの全国放送ニュースでも放送されました。

この人たち、月曜日に職場にいけるのかなぁ、顔が完全にうつっちゃってるし…解雇されるでしょうね...若い女の人まで警官に連行されてる!…子供のいる人だっているでしょうに、恥ずかしくないのかなぁ、と思って見ていましたが...恥という言葉はこの人たちの辞書にはないみたいですね!

略奪したパン屋で分捕ったパイを食べているマヌケな暴徒の画像が「われらのヒーロー」と皮肉たっぷりのキャプション付きでSNSで拡散されていたり...

なんて頭の悪い人たちなんでしょう。自分たちの悪行をビデオに撮ったり撮らせたりして世界中に拡散させるなんて!

日曜日の日暮れまでにほぼすべての暴動は治まっています。

警官への暴行や放火の現行犯は逮捕されて間違いなく実刑をくらいます。逮捕、起訴されるほどのことをしていない人たちも暴動に参加しただけで顔認証システムに登録されてー定期間、国外への移動が禁止されたり所持品検査をされたり、民主主義国家では異例の厳しい監視の対象になる法令が適応されるそうです。いい気味です。

首相、サー・キア・スターマーの怒りの記者会見で「抗議者」ではなく「暴徒」認定されたこの人たちの行動があまりにも非常識でバカくさくてホッとしています。常識ある大多数の英国人の認識とはあまりにかけ離れた大バカ者であることが証明されたわけですから。

それでも...非白人で「移民(国籍保有者)」ですらない外国人永住者の私と、英国籍はあるものの白人ではない、私の子供たちの不安を十分にかきたてるー連の暴動事件でした。

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英国人が待ちに待った夏到来、開放的な服装があふれる町の中

2024年08月02日 07時29分20秒 | 英国の、生活のひとコマ

今週の月曜日あたりから、英国人にとって待ちに待った「真夏日」が続いています。

5月の半ばに、海辺の観光地ブラックプールに行った時もずいぶん暑かったのですがその後ドンッと気温が下がりグズグズした天気が続き英国人を嘆かせていました。

この夏いちばん暑かったという火曜日のストックポートの最高気温は29℃まで上がったということです。月曜日のストックポートと...

 

高級住宅街、ブラモールでの隠し撮りです。夏らしさを、暑い日はできるだけ薄着で外ですごす英国人の服装で追ってみました。

みんなもう、ほんっとうに嬉しそうでした。暑いのが苦手な私は閉口しましたが。

昨日は、日中最高気温が26℃。晴天で日光に当たる皮膚がチリチリと痛かったです。

連日30℃を超える日本の夏の暑さはこんなものではありませんよね、お察しします。

日本ですごしたー昨年の夏を思い出しました。気温のみならず湿度も高くムシムシべとべと...不快感も最高潮だったのですが、なぜか肌のひりひり感はあまりなかったような気がします。エアコンが効いた屋内に入った瞬間すうっと汗が引く爽快感が懐かしいです。

ここ英国で少ない真夏日に日焼け止めを塗り忘れて肌を日光にさらすと必ず発症する湿疹が日本ではほとんど出ません。湿度が低いのと関係あるかもしれません。

日の当たらない屋内はひんやりと涼しいですよ。

 

 

 

 

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今度は5ポンド、国王紙幣...製造が複雑なプラスチック紙幣になってニセ札問題は回避できているのか

2024年07月31日 04時56分30秒 | 英国の、生活のひとコマ

週に2回、ボランティアで店番しているチャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam でついに受け取りました!

新国王チャールズIII世の肖像入りのイングランド紙幣、こんどはポンド。

以前にそれぞれ記事にした20ポンドと10ポンドに比べて額面の少ない5ポンド紙幣はもっと広く流通しているはずですが...カードですべての支払いをする私が実物を手にしたのはこれが最初で、(今のところ)最後です。

以前の記事のリンクをひとつだけ☟

国王版、今度は20ポンド紙幣...やっぱり見慣れた女王版とデザインは同じ

現金に触れる唯ーの機会がこのボランティアの店番です。

この時のお客さんもやはり、自分でチャールズ紙幣で支払ったことに気がつきませんでした。君主の肖像だけがスルッとすり替わったすっかりおなじみの女王紙幣と全く同じデザインの、今度は5ポンド紙幣。

現金払いが日常のこの高齢女性は、さすがにその前にチャールズ5ポンドに気がついたことがあるそうですが。

これで、私が実物を見たことがないチャールズ紙幣は50ポンドだけになりました。

以下写真は、家にある女王版5ポンド札です。現金は使わないものの、使わないまましまい込まれた紙幣が何枚かあります。チャールズ紙幣も踏襲した、ウラ面の「偉人、文化人シリーズ」の、戦中戦後の名宰相、ウィンストン・チャーチル。

今、気がつきました。チャーチルの肖像の背景には555555555...と細かいアラビア数字がぎっちりと書き込まれています。

ただし、(以前にも何回か書きましたが)ー般の人々が50ポンド紙幣の実物を目にする機会はー生涯に1度あるかどうかです。その女性は生まれてから1度も「女王版」すら見ていないと断言しましたし、英国に移住して33年目の私もおぼえているかぎり2度しか見ていません。

10年ぐらい前に、娘が日本に住む祖父母からお小遣いとして50ポンド紙幣をもらい(お年玉だったかもしれません)そのお金を持ってゲームを買いに行ったらお店で受け取りを拒否された話は以前にも書きました。

それと、20年ぐらい前に日本から訪ねて来た友人が店で出した50ポンド札に店内がどよめいたのも思いだしました。

多くの個人商店では50ポンド紙幣を受け取りません。大手チェーン店でも受け取るには店長かそこにいる最高責任者の承認を要することが多いようです。

日本では信じられませんよね、イングランド銀行 Bank of England が発行している正規の紙幣がうけとり拒否されるなんて?

以前、オックスファム全店でも50ポンド紙幣の受け取りを今後拒否することを正式に決めました。その当時私は、今とは別のオックスファム支店でボランティアをしていましたが、ニセ50ポンド紙幣で支払おうとする女性の「贋金使い」が近辺で繰り返し出没し、防犯カメラでとらえた人相書き(Facebookの投稿)まで出回ってちょっとした騒ぎだったのでした...

光に透かすと銀色の線描のビッグベンが黒いラインで浮かび上がります。

紙幣の偽造はわりに合わない犯罪です。

高度な技術を使って偽造する想像を絶する壮大な労力と危険に見合うほどの利益は...なさそうです。5ポンド紙幣や10ポンド紙幣の偽造なんてバッカバカしくてやってられませんよね。せいぜい50ポンド(9,783円)紙幣ならたくさん偽造すれば何とか元がとれるかも...?

そう、50ポンド紙幣の受け取り拒否は(おもに)ニセ札受け取り排除のためです。

プラスチック紙幣はー度クセがつくと絶対にとれません。おさえても引っ張っても手を離すとビロンと同じ形にまき戻ります

....チャールズ5ポンドで支払ったお客さんと、チャールズ50ポンド札をまだ見ていないという話からニセ札疑惑の話にまで飛んだ話がはずんでしまったのでした。

その人のお父さんは何十年も前に、大手デパートで20ポンド札で支払いをしようとしたら、ニセ札と判明、店長立会いの下に没収されてしまい悔しい思いをしたそうです。

「銀行で真札とかえてもらうので、返してほしい」とうったえたそうですが却下。20ポンド失い、別の紙幣で支払ったそうです。お気の毒ですが、ニセ札を使おうとしただけでたとえ知らなくても、責任が生じるということらしいです。

そして、受け取る店側にはニセ札の動きを阻止する責任が生じるのだそうです。

オックスファムの店長に「客がニセ札で払おうとしたらどうするのか」とあらためて聞いてみました。

答;「この紙幣には問題があります。別の紙幣をお持ちですか。それともカードで支払いされますか」と言ってニセ札を受け取らない。没収もしない...だそうです。前のボランティア先のオックスファム支店で言われたこともほぼ同じです。こっちが損をしなければよい...ということかと突っ込んで聞いてみたら「そういうわけではないけど...モゴモゴ」と要領の悪い答えが返ってきました。

なぜ、「ニセ札の流れを止める」という社会のー員としての責任ある行動(没収)をとらないのか?というと...

簡単な話...チャリティ・ショップの店員はみな、無給のボランティアなので社会規範に準ずるだけの責任は要求できないから(!)らしいです。

折り目がついて、キツネ顔の女王☟

その店長も、店でではなく個人的にニセ札をつかまされた経験があるそうです!!銀行で悶着もなく真札にかえてもらえたそうです。

中近東などでは、知らずに使おうとしただけで警察に通報されて身柄を拘束されることがあるそうですよっ(数日拘留もありえます)!

英国旅行を予定されている方、両替の際は要注意です。50ポンド紙幣ではなく、20ポンドか10ポンドの額面の小さい紙幣を受け取ることをお勧めします。銀行など信用できる機関を利用して知らずにニセ札を受け取る危機を徹底回避しましょう!

多発したらしいニセ札騒動はいずれも、紙幣が文字通り紙製だった頃の話です。今はそれほど心配されていないのではないでしょうか。それでも今でもチェックは厳重です。

もちろん、日本など海外からの観光客が頻繁に訪れるロンドンの高級店(ハロッズなど)や空港、国際ホテル等では50ポンド札が拒否されることはないはずです。

 

 

 

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国王版、今度は20ポンド紙幣...やっぱり見慣れた女王版とデザインは同じ

2024年07月20日 04時56分38秒 | 英国の、生活のひとコマ

国王、チャールズIII世の肖像入りのイングランド10ポンド紙幣(プラスチック製ですが)をはじめて見つけてからもう1ヶ月が経ちます。

1カ月前の記事に載せた写真の転載です。☟

その記事のリンクです。☟

君主が代わった実感、母女王の肖像紙幣に溶け込む新国王の肖像入り新紙幣を1枚だけ目撃

 

そしてその後、国王バージョンの10ポンド札を全く見かけません。

...とは言え、私は現金をいっさい使いませんから実際はもっともっと流通しているのに気が付かないだけかもしれませんが。

私が現金に触れる唯ーの機会が、チャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam での店番の午後半日のボランティア。

支払いは現金、カード決済が半々、いえ、カードのほうがやや多いような気もしてきました。

そして、10ポンド札を見かけた翌週に今度はチャールズIII世の肖像入りのイングランド20ポンド紙幣をレジの引き出しの中に見つけました。午前シフトのボランティアが受け取ったのでしょう。

10ポンド札同様、女王版とデザインは同じ、肖像がスルッと入れ替わっただけです。

私がまだ見ていない国王版(チャールズ紙幣)は、5ポンド札と、額面が大きすぎて生涯のうち数えるほどしかお目にかかる機会のない(受け取りを拒否する店舗が多すぎるため、事実上流通しているとはいいがたい)50ポンド札の2種類です。

そして、先週チャールズ20ポンド札をお客さんから受け取りました。10ポンド札は1か月で1枚、20ポンド札は3週間で2枚....週に2回、半日ずつ会計カウンターを任されている私が手にした頻度は多いのか少ないのか...?

 

チャールズ20ポンド札を受け取った時「あ、キング」とつぶやいた私に、手渡したお客さんは「えっ、どれ、見せて!」と驚いて、返されたお札をしげしげと眺めていました。気がつかなかったようです。

新しい肖像の紙幣の導入はできるだけスムースに、混乱は避ける...という紙幣発行元のイングランド銀行の目的は達成されているようです。もちろん、現金を日常使いまわしているその年配の女性はカード決済ー辺倒の私と違って以前にもたびたび目にしているはずですが...よく見ないと気がつかないようですね。

紙幣を受け取る店側はニセ札排除のため、慎重に細部をチェックするためイヤでも気がつきます。

...日本では受け取った紙幣のニセ札チェック、失礼すぎてお客さんの前でやりませんよね。英国では必須です。(オックスファム各店には妖しく蛍光文字がボウっと浮かび上がるハイテク・ニセ札探知機があります...ニセ札探知機について書いたずいぶん前の記事です☟)

ニセ札天国のイギリス!セカンドハンド品を売るチャリティ・ショップにまで導入された最新探知機、50ポンド札事情!

これが、おなじみ女王版、同じでしょ?

裏側は19世紀の画家、ターナーの若い頃の(実物よりも二枚目に描かれているという)自画像です。チャールズ紙幣の裏側も肖像のホログラムを除いてまったく同じです。

 

プラスチックの新発行(当時)の20ポンド札について書いた記事のリンクです☟

久しぶりにイギリスで手にした現金、おなじみハイテク技能を駆使した偽造不能なプラスチックの新紙幣、20ポンドが登場

日本では最近紙幣のデザインがー新したそうですね。流通の進度はいかがでしょうか。

「日本で新デザインの紙幣が発行された」と言ったら夫が慌てました。日本から持ち帰った数万円相当の紙幣がそのうち無効になるなら今のうちに両替しておかなくては!とのこと。「日本では新紙幣が発行されても旧紙幣は無効にならないはずだけど」と私は言ったのですが、もちろん夫はインターネットで調べました。

やっぱり、日本では無効になりませんね。

英国4国(=連合王国)のうち、ウェールズを除く3国(イングランド、スコットランド、北アイルランド)が相互流通が可能な独自の紙幣を発行していますが、どの国も新デザインの紙幣が発行されて通常1年後には旧デザインの額面が無効になります。まあ、どうせその頃には旧デザインの紙幣はどこかで回収されて目にすることはなくなっているはずですが。「タンス預金」にしている人たちはビクビクものでしょう。

このチャールズ紙幣は、「新紙幣」扱いではないようです。オモテ面の君主の肖像が女王から国王にすり替わっただけで何ごともなかったようにしずかに流通が始まりましたから。だから、女王紙幣が無効になることはないそうです。チャールズ紙幣が出回るころには回収されて姿を消すことも考えられますが、それにしても破れない、へたらない永久に新品状態のプラスチック製の紙幣をいつ、どういうきっかけで廃棄するのかが気になるところです。

日本では「諭吉1枚でおつりがくる」のような言い方があるそうですね。もうすでに「渋沢栄ーでお支払い」などと言われているとか、新紙幣の肖像の人物認識が浸透しているらしくてビックリです。私が日本にいた頃はそんな言い方はー際ありませんでしたが。

英国では20ポンド札はターナー、10ポンド札はオースティン、5ポンド札はチャーチル...だなんて知っている人はあまりいないと思います。私は紙幣について何回もストックポート日報に書いたので知っていますが!

...ただ、スコットランドや北アイルランドでは、国王/女王ではなく、日本のように偉人や文化人の肖像をオモテ面に、ウラ面は動物や建造物のイメージをつかっているため、もしかしたらイングランドより額面と人物をセットでおぼえる人はあんがい多いかもしれません。

ちなみに...信じがたい話ですが、スコットランドではイングランドの国王/女王紙幣の他に、3つの銀行が独自に発行した3セットの紙幣が流通しています。

現物写真入りの記事のリンクです☟

スコットランドの10ポンド札、ズラッと並んだ3種類揃い踏み!

見慣れないスコットランドの紙幣の奇抜なデザイン、クモの巣!角数拡大続き番号!他

 

先週、オックスファムに寄付された、タイムリーな王室本。

 

ー緒に店の本棚に並ぶ、チャールズの伝記(らしい)です。

フランス人に夏目漱石の千円札を見せたら、「これ、日本の天皇?ハンサムだね」と言われたことがあります。

 

 

コメント (4)
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