今から20年以上前に出版されたスナイパー物のはしり。
主人公はトラウマを抱えたベトナム帰りの元スナイパーというよくある設定で、ご都合主義のストーリーで因縁の宿敵とのスナイパーとして命をかけた戦いに挑む。
この小説の醍醐味はストーリーでも設定でもなく、ひたすら細かい情景描写と、尋常でない生命力を持つ主人公と宿敵との極限状態の戦いにある。
ターミネーターを上回る不屈の主人公(こちらはサイボーグではなく生身の人間)と、ターミネーターに匹敵するタフな敵(こちらもサイボーグではなく生身の人間)が、互いに肉体を破壊しながらもゾンビのような異常な生命力を発揮し、読んでいる方があまりの残酷描写に吐き気をもよおしそうになる。
エンタメ小説としての出来は天下一品で読んで損は無し。
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