指輪物語

2019-05-30 16:29:23 | Book
去年の冬からずっと読み続け、やっと追補編まで読破した。
映画を見て話は知っているのだが、とにかく読みにくく苦労した。
正直、予備知識無しで、この本の面白さを見極めた人はすごいと思う。

しかし、読みにくい=つまらない、ではない。逆である。正確には、面白いと言うより、とにかく尋常でなくすごい本である。

トールキンは、中つ国を作った。想像で作った。
言語を作り、種族を作り、民族を作り、神話を作り、歴史を作った。
指輪物語というのは、この中つ国で起きた、とても重要だが、それでも、一部の出来事にすぎない。
中つ国の世界は、はるかに大きく広く広がっている。
こんなものを、人力で、しかも、一人で作ったというのは、天才というか、狂人というか、とにかく普通の人間じゃない。

ファンタジーは、古典ならナルニア、日本だと、守り人シリーズや、十二国記など、面白い作品がたくさんある。面白さという点では指輪物語より上だと思う。しかし、架空の世界を作り上げる創造力としては、トールキンの凄さには及ばない。今後、トールキンを超える作家(?)は、出てこないんではないか。

しかし、指輪物語は読みにい。これは、翻訳のせいではなく、逆に、翻訳自体は、とんでもなくすごい完成度で、よくこんな本を翻訳したなと思う。つまり、完成度の高さ故に読みにくい。これは、そもそも小説だと思って読むのが間違いなのだと思う。

ようは、宇宙論や素粒子論などの生の論文を読んでいるようなものなので、一般人が理解するには二次創作が必須である。
指輪物語の二次創作というと映画やアニメになるが、小説としての二次創作があっても良いのではないかと思う。
それも、スピンオフとか外伝とかパロディとかではく、本筋はそのままに、わかりやすくエンタメとして楽しめるようにした小説が。

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