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大学はどこへ行けばいいのだろうか

2012-12-01 | 社会問題

どこの大学に行くという話ではなく、大学がどこに行くかという話である。田中真紀子文部科学大臣の例の「大学不認可発言」の背景にあるのは、「大学が多すぎる」、「大学の教育水準が低下している」という発想であるらしいが、これに関して思い出すことがあるので少し書いてみたい。レベルの低い大学がなくなっても国民の学力水準が向上するわけではないし、むしろ学力の低い受験生をこうした大学に入れて少しでも勉強させれば世の中のためなるのではないかというお話である。

かつて、「日本橋学館大学」という大学が話題になった。日本橋学館といっても、日本橋ではなく、千葉県の柏にある大学である。リベラルアーツ学部という学部だけで、その中が学科に分かれている。リベラルアーツは、普通はどの学部でも最初に学ぶ領域であり、それで単独の学部が成立するのだろうか。まあ、東大にも教養学部というのがあるので否定はしないけれど。

この大学、シラバス(というか教育内容)が話題になっていた。シラバスというのは、毎回の授業内容を記載したものである。今は少し変更されてしまった(というか、あまりに恥ずかしいので書き方を変更したのだと思うが)が、以前のデータを見ると、英語はアルファベットの読み方、書き方から始まり、辞書の使い方を経て名詞の複数形、be動詞へと進む。数学は小数と分数の計算、円の面積などの講義が並んでいる。

今どきの大学生はそこまでしないといけないのだろうかと思うが、リメディアル教育と呼ばれるこういう内容を教育している大学はほかにもたくさんあるはずで、むしろこの日本橋学館、なかなか潔い。学長は、「本学は、授業の詳細をあえて公にしている。現実の学生と向き合い、リメディアル教育に真正面から取り組む姿勢が本学の特色であり、生き残るための術だと考えるからだ。」としており、これはこれで立派だ。

進路を見ると、金融機関や公務員、大手メーカーなどへの就職者もいるし、他大学の大学院への進学者も結構いる。アルファベットの読み書きから教えなければならない学生を企業に就職できるまで教育しているのならなかなかすばらしいことであり、問題なのは大学ではなく高等教育の方だろう。ただ、このシラバスが公開されたせいで、ここの学生はもう大学名を言えなくなってしまっただろうが。

余談であるが、この大学、入試もユニークで、一般入試や推薦入試など、併せて40回ほど入試があるようだが、驚くのは「訪問入試」というのがあることだ。申込みがあると、教員が高校などへ直接出向いて入学試験を実施してくれるらしい。便利な世の中になったものだ。考えようによっては、何人来るかわからない中で地方会場を準備して入試をするよりコストが安いかもしれない。ちなみにこの大学、受験者数を公開していないが。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大学って (sam)
2012-12-07 11:51:31
大学の認可が学力の低下を招くということで話題になりましたが、1年間の子供の出生数はおよそ100万人弱です。大学の入学数は約50万人強程度です。このうち国公立大学の定員は4万人強です。残り46万人が私立大学です。

単純に言えば大学入学者の10%弱が国公立で学び他の90%が私立大学です。大学に入学する人はその年生まれた人の50%です。全体で言えば国公立入学者(優秀な私学があるのは承知です)は5%です。

高校の1クラスで置き換えると40人学級の5%は2人です。普通程度の高校であればクラスで1,2人が国公立でしょう。残りの下位1/3は大学は無理でしょう。

家庭の事情等で学力がありながら進学の機会に恵まれない人に対する手当は必要だと思いますが、単に働くのが嫌だから大学に行けば4年は免れるという人が大半だと思います。

教育を受けると言うことはとても大切だと思いますが、特に大学に行くなくても、社会で学べることは学校以上だと思います。要は、一人一人が向上心を持って生きていくことが大事なのではないでしょうか。大学を友達増りの場と考え勉強はしないという人もいるでしょう。

漢字の読み方や意味もわからない人が多いのではないですか。こんな人は大学に行く意味がないのではないでしょうか。私立といっても国から補助金(税金)が出ているのです。




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