都市部に行くと電車の改札はほとんど自動改札になっている。いまや非接触型ICカード乗車券(いわゆるsuicaやicoca)の時代であり、裏が茶色のきっぷを機械に投入するのももう古いと思うが、いまだに福井にはそれすらない。大阪近郊区間になっていて新快速電車が(曲がりなりに)乗り入れている敦賀にも自動改札がなく、icocaが使えないため困っている客を見かけたことがある。
駅員さんはみんな愛想がよく、機械が処理するよりいい面もあるし、熟練した駅員の方が時間当たりで処理できる人数が多いとは聞くが、高齢者が多い田舎では、券売機の前で迷っていたり、お金を出すのに手間取ったりしている人が多く、ICカード乗車券を導入するメリットは(少なくとも乗客の方には)大きいと思う。
この自動改札機、いろいろな工夫がされているが、最近はどんどん高機能化していて、新幹線の乗換口にある改札機では3~4枚まで同時に投入しても処理できるようだ。しかも、反対向きに入れてもちゃんと揃えて出てくるらしい。ただし、米原駅では機械の前で何を入れるか戸惑っている人も多く、電車が遅れて乗換え時間が少なくなるとフリーパスになる。
ところで、特に都市圏では新線開業や相互乗入れに伴い複雑な経路での旅行や会社をまたがる旅行の発売が増え、経路や運賃計算が複雑になってきている。こうした計算を一瞬のうちに処理してきっぷが有効かどうか、あるいはいくら差し引けばいいか判断する自動改札機はすごいなあと思っていたら、こないだ読んだある本にこんなおもしろい話があった。
「自動改札機で複雑な運賃計算を処理すると、どうしても運賃の計算時間が長くなってしまう。改札機内のコンピュータの性能は限られていて、計算速度を劇的に上げることはできない。だからといって、計算が終わるまで改札の扉を閉じたままにしておくと人の流れが止まってしまう。技術者はこれをどうやって解決したのか。」
答は、「自動改札機の長さを長くし、乗客が長い改札を通過する分だけ計算時間を稼いだ。」。なるほど、すばらしい。そういえば、ムダに長い気がする。全長が1.5メートルぐらいある機械もあるが、これからさらに長くなりそうだ。その本には他にもおもしろい話題があったので、また取り上げようと思っている。
ブログランキング参加中=いいね!と思っていただけたらクリックをお願いします