
今日の福井新聞に、福井駅前の再開発ビル「アオッサAOSSA」の駐車場が通勤客で満車になり、アオッサの利用者が困っているとの記事があった。通勤で使うヤツが悪いという論調で、利用者に意地悪なインタビューをしたり、朝から晩まで車の台数を見張っていたりと、珍しくなかなか念の入った取材である。自分が車を停められず困ったのだろうか。
この駐車場はアオッサ専用ではなく、公共駐車場であり、当然だれが停めてもいいわけで、しかも駐車時間の制限もない。なのに料金を払って停めて文句を言われるのではおかしい。1日停めると1000円というだれが見ても近隣の通勤者や駅からの出張者向けの料金設定をしているのだから、この季節、満車になるのは当たり前であろう。アオッサに用のない車は「遠慮」せよ、という看板が出ているが、勝手な話である。
しかも、新聞では県職員や福井市職員が停めているのがけしからんとのこと。インタビューされた職員たちは犯罪者のように扱われ、なぜか謝っている。別に公務員が利用を優先されているわけではなく、言いがかりもはなはだしい。アオッサ専用の駐車場ならあんなに朝早くから夜遅くまで開く必要もないし、1日ずっとアオッサに用のある人など関係者以外いるわけがない。
論旨がはっきりしないが、どうやら福井新聞は、朝早く起きて会社の通勤に利用する人より、平日の昼に生涯学習の講座を受講したり、図書館で1日雑誌を読んでいる人の便利さを優先すべきという主張である。そういう駐車場もあっていいとは思うが、それならそういう利用を促すような制度設計をしないといけない。
制度設計のお粗末さの代償を、利用者のモラルに求めてはいけない。民主党政権になってからの高速料金免除の「不正」利用や、センター試験の「裏ワザ」など、みんな制度設計のレベルが低いからである。アオッサで言えば、大きな会議やイベントで参加者がみんな車で来てすぐに満車になってしまい、図書館に行こうにも停められないことが何度もあったが、そっちの対策の方がむしろ問題であると思う。
通勤者を締め出したいなら、1日料金を廃止するのもアリだが、一番簡単なのはオープンを遅らせて朝9時からにすることだ。普通の通勤客は出勤に間に合わないのでほとんどいなくなるだろう。そんなにのんびり出勤できるのは新聞記者さんぐらいだろうか。これで福井新聞の考えるアオッサ利用者のみなさんに最適の制度になるわけである。
ということで、そういうふうに変更すると、今度は収入の大部分を担っている長時間停める人がいなくなって、たぶん経営が成り立たなくなるのだ。そうすると今度は多額の税金をいれて作ったのにガラガラでけしからんという記事になるわけである。アオッサはとても便利な場所にあり、公開講座や図書館なら必ずしも車を使わなくても、電車やバスでゆっくり行けばいい。一部の声の大きい利用者の意見だけで記事を書かないでいただきたい。
ブログランキング参加中=いいね!と思っていただけたらクリックをお願いします
まったく公平公正じゃない立場から書く、
主観だらけの 週刊誌のような記事に、
いつも疑問を感じています。
県の大半が読んでいる大きな新聞社さんですので
民意も反映しやすいでしょうから、
もっと中立な立場で どちらかに勝手に肩入れせずに
公正に記事を書いてもらえたら有り難いですね。
このアオッサ駐車場の記事も然りです。
というコメントを批判的に書いてますけど、
問題は制度利用する人でなく制度設計側にあります。
市営球場駐車場の目的外長時間駐車も同じく思います。