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はじめに

福井を中心に、地域や身の回りのことに勝手にコメントしています。話題はいろいろですが、基本は福井への愛です。福井とあまり関係ない話もありますが、それは福井人としての視点ということでご了承ください。 なお、当然ですが、このブログの内容については、stanzaが所属する組織(公表していませんが)の考え方とは無関係です。 ブログランキング参加中=いいね!と思っていただけたらクリックをお願いします

生活保護不正受給問題を考えてみる

2012-06-11 | 社会問題

お笑いタレント「次長課長」の河本準一氏にかかる生活保護「不正」受給問題で、生活保護問題が脚光を浴びている。立場もあり、賛否両論いろいろで、そんな甘いのなら自分ももらいたいというものまであるが、今の日本の状況で、必要のない人にまで生活保護をする余裕はないだろう。

生活保護は、もちろん憲法25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」から生まれたものであるが、民法は730条で「直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。」と規定する一方で、第877条で「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする『義務』がある。」と規定する(夫婦については別に752条に規定がある。)。

さらに、生活保護法第4条は、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」、「民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」と規定している。

したがって、まずは「夫婦、直系血族及び兄弟姉妹」の扶養が生活保護に優先すべきというのが一般的な認識であり、申請者自身が「扶養を受けられないこと」を証明あるいは疎明するのは必要だろう。どのような状況でどの程度扶養すべきかは、相互の関係と、判例や社会通念によることになるだろうが。

制度論としては、まずは、金額が、国民年金や最低賃金より高いというのが問題である。これは生活保護の関係団体も認めているので、事実であろう。これでは働く気にならない人が増えるのも当然である。また、一度認定を受けると、有効期間がないのでよほどのことがない限りずっと保護を受けられることになる。

また、報道によると、生活保護が支給されると、貧困ビジネス業者が介在したり、即座にパチンコや酒・タバコなどに消費されてしまうことが多い。現物給付にするのも一案であるが、役所の手間がかかるし、電子マネーあるいは金券にしてはどうだろうか。食料品スーパーとか、特定の業種で特定の金額しか使えなくするのだ。

本来、障害や病気、あるいは高齢のために働けない人が対象であったはずの生活保護制度であるが、NHKスペシャルの「生活保護3兆円の打撃」によると、これを厚生労働省が3年前、一片のタダの「課長通知」に「単に稼働能力があることをもって保護の要件を欠くものではない。」と記載し、働ける人にも出せるようにしたのが根本的な間違いであったようだ。政治家や役人の思いつきは百害あって一利なしである。

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