躁鬱おばさんのプチ田舎暮らし

何かにつけうつつつと落ち込んでしまうわたしが、プチ田舎に引っ越すと・・・

メッセージ

2009-12-17 14:44:17 | Weblog
以前から頼んでおいた、杉の木を切る日が突然昨日決まった今日、
朝、杉にお礼と無事伐採が終るよう、
根元の方に日本酒をかけて、私なりの儀式をした。

9年前引っ越して来たときには、
庭に、10メートルほどの6本の杉の木があったのだけど、
家の南西側なので日当たりが悪くて困り、何年かかけて切っていった。
そして、最後に残しておいたのが今日の1本の杉の木だった。
少しくらい日当たりが悪くても全部切ってしまうのは忍びなかったのだ。

2,3年前に友人に枝払いをしてもらい、
天辺のほうにだけに枝が残って、日当たりもまずまずだったのに、
また元気に茂り、高さも一段と高くなり20メートル近くにのびた。
天に向けて真っ直ぐ伸びる、まるで矢のような形の杉君。
冬になるとベランダに矢じりの影が広がり、洗濯物が乾かない。
幹に洞ができているのをみつけ、大型台風に耐えられるかも心配になった。
それで、気の毒だけど切ることにしたのだった。

日本酒の儀式の後、
ほとんど風がないのに枝を揺らして、
まるで周りの木々に突然の別れを告げ、その挨拶をしているようだった。
隣地で背比べをしてきた杉たちの葉が、それに答えるように僅かに揺れた。
遠くの林のたくさんの杉達は、一斉に杉君を見つめた気がした。
そして、杉君のすぐ側の楠の木の大木は、別れの手を振るようにヒラヒラと葉を揺らした。
杉君にそっと手を触れると、怖がっているかのように冷たかった。

それから、森林組合の人たちが来て、
大きなチェーンソウのエンジンの音がしたかと思うと、あっというまに根元から切られ、
隣接した田んぼに”ドシン”と横倒しになった。
その地響きは存在した証しのように地面を揺らした。

うるっとなったその時、目に飛び込んできた根元の切り口が、
なんとハート型!!
杉君ありがとう!最期のメッセージ。
庭は明るくなり、あんなに見慣れていたのに、
まるでもともと杉がなかったかのような、自然な景色に驚かされている。
年輪を数えたら50歳。
私より年下だった。
杉君のように、いつか私も必要がなくなれば潔く逝けますように。
そのときはどんなメッセージを残せるのだろうか。

そうだ!ハートの切り株に杉君を真似して真っ直ぐに立ってみよう。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (malo)
2009-12-17 19:25:13
うーん、感動しました
返信する
Unknown (じごろう)
2009-12-18 07:59:50
想いというのは通じるものなのですね・・。じーん。読んでて、hanaさんみたいに丁寧に生きたい、と思いました。
返信する
maloさん、じごろうさん (hana)
2009-12-19 08:07:51
ありがとうございます。
すごく明るくなったの。またのご来店をお待ちしています。(笑)
返信する

コメントを投稿