躁鬱おばさんのプチ田舎暮らし

何かにつけうつつつと落ち込んでしまうわたしが、プチ田舎に引っ越すと・・・

プチ田舎からインド(グジャラート州)へ

2008-02-16 23:10:22 | Weblog
グジャラート州はインド西部で、パキスタンとの国境がある。
インダス川はパキスタンを流れていて、インダス文明の有名な遺跡モヘンジョダロやハラッパーはパキスタンにある。
(なんて、昔々はこんな国境なんかなかったんだけど)
グジャラート州で、2~30年前に発見されたドーラビーラ遺跡も同じくインダス文明の時期の古代遺跡で、5000年くらい前のもの。
あまり知られてはいないけど、かなり大がかりな遺跡だ。
この遺跡はインドのみが調査をしていて(外国の調査を拒否)、近年まで写真撮影が禁じられていた。
(今でもビデオ撮影はだめ。)
この遺跡のあるところの周りは大きな湿地帯(カッチ湿原)が広がっている。
湿地帯は乾期の今は干上がり、一面真っ白な塩の層の大海原といったところだ。
実際、インダス文明の頃はこの湿地帯は海で、ドーラビーラ遺跡のあるところは島だったそうだ。
この湿原の中の孤島、遺跡のある島にも今も人々が住んでいる。

見渡す限り真っ白な塩の平原は、50キロ先のパキスタンとの国境まで続く。
それで、軍事上、カッチ地域は未開放地区になっている。
そのため、ツァーの全員で警察署に出向いて許可を取らなければならなかったけど、
外国の警察署の中を見るのも楽しかった。

グジャラート州は綿の産地で、伝統的な数々の織物や染め、刺繍、ミラーワークなど、布好きにはよだれの出そうな地域。
ツァーの中には、たくさん買い込むひとも。

それから、ガンジーのインド独立運動の中心となったのもグジャラート州です。
アメ―ダーバードでは、ガンジーアシュラムを見学。
(ムンバイのガンジーが一時滞在した家のほうが良かったけど。)

この州は禁酒の州です。
でも、家でこっそり飲んでいる人もたくさんいるし、ある村では、村人にビニール袋に入れた密造酒を見せてもらった。
花の香りがしたので、味見をしてみたかったけど、売ってくれなかった。
法律で禁酒になっているのは、ジャイナ教徒が実力を持っているかららしい。

ジャイナ教は紀元前4~500年、お釈迦様と同じ頃、マーハビラという人が始めた。
戒律が厳しく、菜食主義の上、虫を殺す可能性があるからと、地面より下の作物(根菜類、ピーナッツなど)も食べない!
葉ものも、買ったものは虫を殺して育てられているからと、自分で作ったものを丁寧に見てから食べるのだそうだ。
もちろん禁酒。
インド全体の人口の割合からするとジャイナ教徒は微々たる人数。
それでも、グラジャート州にはジャイナ教の聖地が多い。
戒律をよく守って真面目なので、ジャイナ教徒は信用され、商売や事業が上手くいくので、お金もちが多いそうだ。

そう言えば、機内で話したインド男性が言うには、シーク教徒も真面目で信用されているらしい。
「他のインドの男は失業するとすぐ乞食をするけど、シーク教徒は必ず次の仕事を見つけて働くんだ。」
う~、インド人の真面目って?
「日本人は、真面目で正直で素晴らしいよ。」
嬉しいけどその基準で誉められても・・・(笑)

バスで走っている時に、ジャイナ教の修行で歩いている尼さん達がいた。
何かあるとすぐに停車してくれる運転手さんだったので、みんなで降りていって少し話した。
写真はダメ。
4ヶ月かけて何百キロも聖地を回って歩くそうだ。
(お遍路さんみたいなもの?)
彼女達(修行僧)はジャイナ教の白衣派で、白い衣の薄着をし、マスクをつけ、裸足の人もいた。
ジャイナ教は無所有を言うので、(なのにお金持ちが多いというのは?)
修行僧は衣類すら身につけない宗派もある。
寺院にはすぽんぽんの像がある。
マスクをつけているのは、虫を吸い込んで殺してはいけないからだ。
歩く時も、虫を踏まないように気をつけて歩くとか。
雨が降ると虫が多くなるので、修行中でも歩かないとガイドから聞いた。

修行僧の彼女達から言い出して、私達を前に並べてお経を唱えてくれた。
現地ガイドやバスの運転手、助手はバリバリのヒンズー教徒。
バスの運転席の前には、信仰する神様の像やら絵やらシールやらがあって、
朝晩はその前でお線香を焚いてお祈りをする・・・車内には、NO SMOKINGとでかでか書いてあるんだけど・・・(笑)
それでも、彼等はこの人たちに会えただけでもとてもありがたいのに、お経まで上げてもらってもったいないと感動をしていた。
この境界のなさ。(節操のなさ?(笑))だからインド大好き!

今回参加したツァーは、グジャラート州の少数民族の村々を訪ねるのを中心としたものだった。
マニアックなので、インドは2度目の私達は気後れするほどインド慣れ、旅行慣れしているつわものばかりのメンバー。
普通のガイドブックには出ていない町や村がほとんどの僻地ツァー。
とは言えインド。
塩気の多い荒野のようなところにも人がすんでいる。
地の果てみたいな風景の先にも村がある。
たくさんの野生動物も家畜ものら犬もそして人も、まるで生命が地から空から湧いて出るようにいる。
そして、みんなで(人も動物もついでに神様も)、わいわい一緒に暮らしている。
それは、前回訪ねたいくつかの大都会でも同じだった。
(近代化されて行っている街もあったけど)
そういうインドの大地が私は好きなのだと思う。

つづく





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